11月第1週の市況

2022/10/31    月 

米国市場では商務省と労働省が、それぞれ、堅調な個人消費と賃金上昇を公表し、株式市場では主要株価指数がすべて上昇。個別銘柄では、Amazonが6.8%値を下げた、一方、アップルが7.6%の株価上昇。インテルは経費の削減により株価が10.7%上昇。T-Mobileは利用者の増加を上方修正し7.4%株価上昇。欧州市場では、商品価格の下落とまちまちな企業業績で当初は値を下げたが、その後、米国市場にけん引される形で値を上げた。フランスは7-9月のGDP成長が0.2%となったことを公表。ドイツは10月のインフレが対前年同月比で11.6%となり、予想を上回った。株価指数はフランスのCAC40が0.5%、ドイツのDAXが0.2%の上昇。オーストリアのエネルギー企業OMVは、四半期のコア利益がほぼ倍増したことから株価が9.3%上昇。フランスの製薬会社Sanofiは今期の収益予想を上方修正し株価は3.3%上昇

2022/11/1    火 

米国市場では、足元弱含みの市場で次回のFOMCの会合をにらんで値を下げる展開となった。アップルは中国での新型コロナの引き締めでiPhoneの生産が30%減になると報じられ株価は1.5%値下がり。そのほか、メガキャップといわれるAmazonやAlphabetも値下がり。セクター別ではエネルギーのみ上昇し、他は値下がり。グローバル・ペイメントは通年の売り上げが予想を下回る見込みとなり株価は8.8%下落。欧州市場では10月のインフレ率が10.7%と史上最高になり、当初は値を下げたが、最終的には値上がり。IAGはタイムズ紙が新たな再編計画を報じたことから株価が5.4%上昇。クレディ・スイスは40億フランの資本増強の具体策を開示し、株価は5.2%上昇

2022/11/2    水

米国では、9月の求人が予想外に増加し労働環境が依然として堅調で、Fedが利上げの緩和に動く気配がないと考えられ、市場は2日連続で下落。また、ISM製造業指数は2年半ぶりの緩やかな上昇にとどまった。原油価格が上昇したためエネルギー株は上昇したが、メガキャップといわれるAmazonとアップルは、5.5%と1.7%、ぞれぞれ下落した。ウーバー・テクノロジーズは第4四半期の利益が予想を上回り株価は12%上昇。同業のLyftやDoorDashも3%程度値上がり。欧州市場では、米国のFedが利上げ速度を落とすとの期待感から値上がり。中国が新型コロナの規制を緩和させるとの未確認の情報から、LVMHやKeringなどの高級品ブランドが上昇。鉱業、石油・ガスといったセクターはドル安になり株価上昇。ProsusはメディアがTencent株を売却すると報じたことを否定し、株価は9.3%上昇

2022/11/3    木

米国市場ではFedが0.75%の予想とおり金利引き上げを行い、パウエル議長が金利引き下げの緩和への期待感を鎮めたことから、株式市場は大きく値を下げた。主要3指数はすべて値を下げたが、NASDAQは3.4%と最も値を下げた。アップル、マイクロソフト、Alphabet、Amazonはいずれも3%以上の値下がり。半導体の分野では、AMDが四半期の決算も将来見通しも市場の予想を下回り、株価は1.7%下落。欧州市場では当初値を上げたが、米国のFedの政策会合を前に警戒的になり最終的には値を下げた。個人・家庭用品や鉱業、テクノロジーなどが1%以上の値下がりとなった。Novo Nordiskが見通しを上方修正し株価が7.4%上昇し、ヘルスケアセクターはその恩恵で値を上げた。また、ユーロ圏の製造業指数は大きく値下がり。デンマークの運送会社のMaerskは輸送の需要が低迷すると警告を発し、株価は5.8%値を下げた

2022/11/4    金

米国ではパウエルFRB議長が金利引き上げを停止することを考慮することは時機尚早と発言したこともあり、株式市場は4日連続で値下がり。イールドカーブが上昇したことで、アップルとAlphabetが4%以上の値下がりとなりテクノロジーやコミュニケーション・サービスといったセクターも値下がり。一方で、ボーイングやキャタピラーといった製造業関連が値を上げた。QualcommとRoku Incは第4四半期の晶析見通しが予想以下となり、それぞれ、7.7%、4.6%値を下げた。欧州市場でもFedが金利引き上げを緩めないとの見通しから株価下落。金利に敏感なテクロノジー株と不動産株が値下がり。利上げで恩恵を被る銀行と保険は値上がり。イングランド銀行は英国が長期の景気後退面しており、金利引き上げ後、借り入れコストは予想ほど大きくはないが上昇すると公表

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生命保険と意思決定支援~後半

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例えば、『長年加入していた終身保険を解約するかどうか判断する』ことを考えてみよう。自分で判断できないのであれば、誰かに相談して、どのようにするか決めるしかない。

「終身保険の解約返戻金が900万円で、保険金額は1,000万円」といったような情報を取り寄せて、解約と契約継続の差異を説明する。「保険料の支払方法が終身払であるなら、保険料払込期間を変更して同時に減額する」といった選択肢を見つけ出す。こういった対応は保険の知識の備わったFPが担当するのがよいであろう。

一方、認知レベルの低下した人に対しては、簡単な図を用い、あるいは、意思決定を補助する道具などを使って説明を行うことが必要になる。福祉施設の職員が得意とする分野である。

成年後見制度を利用する予備軍と考えるとわかりやすいと思うが、この人たちに対して金融商品に関する意思決定の支援をする人や組織は希薄である。

シニア世代のために必要なことは、意思決定の代理ではなく、意思決定の支援である。生命保険は、その入り口(新契約)については保険会社だけで対応できるが、その出口(保全)については生命保険会社だけでは対応することが難しい

意思決定の支援のためには、ご本人の意思の表出が必要であり、意思が表出できないときはその意思を推定する必要がある。そしてそのためには、日ごろから継続してご本人にコンタクトしておく必要がある。見知った人であれば、ご本人の意思をより正確に把握することができる。

介護・医療サービスの担当者や、行政サービスの担当者などが考えられる。成年後見制度を利用していないシニアであっても、日ごろ付き合いのある介護・医療あるいは行政の担当者から要請のあったFPなどの金融の知識を持った人が支援に加わることにより、意思決定支援がよりスムーズに行われるはずである。

その際、保険会社が、(1)ご本人以外の人からの要請に応じてデータを提供する(2)意思決定支援にかかる費用の一部を負担することができれば、生命保険は、本当の意味で“生涯保障”を謳う金融商品といえる。

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。

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