9月第2週の市況

2025/9/8    月

米国では8月の労働統計が公表され、非農業就労者数の増加(2.2万人)は予想を下回った。株式市場では、銀行関連が大きく値を下げたが、Broadcomが新規の100億ドルのAI関連半導体を受けたことを公表し、第4四半期の売上が予想を上回りそうであることを公表。株価は9.4%上昇。そのため、ダウとSP500は値を下げたが、NASDAQの値下がりはわずかにとどまった。Fedによる利下げの観測は、不動産関連株を1%押し上げた。Kenvueについて、ロバート・ケネディJr保健福祉長官が、同社のTylenolを妊娠中に使用すると自閉症になる可能性を公表すると報じられ、Kenvue株は9.3%値を下げた。欧州市場でも当初は値を上げていたが、米国の労働統計が公表されると値を下げ市場は終了した。特に、供給増が見込まれることから価格が低下した原油によりエネルギー株が軟化。また、金利の引き下げ予測から、銀行株、特に、地方銀行の株価が軟調。保険、金融サービスも値下がり。一方で、金利引き下げを見越して不動産関連は上昇

2025/9/9    火

米国市場では、木曜日にAI関連のけん引で売り上げが急増するとコメントしたBroadcomが続伸し、主要3指数はいずれも上昇。NASDAQは史上最高値を更新。また、金曜日に公表された労働統計が弱かったこともあり年内に複数回の利下げが見込まれており、株式市場の追い風になった。新たにSP500の組み入れ銘柄になるRobinhood MarketsとAppLovinも値を上げた。Space Xにサテライトネットワーク事業を170億ドルで売却することになったEchoStarも株価上昇。フランスでは議会が内閣信任投票を否決し、内閣が崩壊することになった。フランスの長期金利は下がり、株式市場は上昇。欧州市場全体でも株式指数は上昇。また、米国での金利引き下げへの期待感から銀行株が上昇。ウクライナに対する攻撃からロシア産の石油に制裁が加えられる予想から原油価格が上昇し、石油・ガス関連の株式が上昇

2025/9/10    水

米国市場では、Appleが値を下げたが、NASDAQは史上最高値を更新。ダウとSP500も値上がり。Appleは新しいiPhoneを公開したが投資家の期待に至らないもので1%以上株価を下げた。市場終了後に四半期決算を公表するOracleは株価上昇。ソフトウェアの Atlassianは6年間でデータセンターの商品を段階的に廃止することを公表した、クラウド関連の成長が見込まれるものと理解され株価は6%上昇。水インフラの企業Core & Mainは四半期業績が予想を下回り株価は25%下落。欧州市場では基礎資源関連が値を上げたが、フランスの政治的な混乱がマイナス要因になり、市場全体としては横ばい。Anglo AmericanはカナダのTeck Resourcesと合併して Anglo Teck Plc.となることを公表し、Anglo American株は8.7%上昇。イスラエルがハマスを攻撃したことにより原油価格が上昇。イタリアの銀行Monte dei Paschi di Sienaは買収対象としていたMediobancaの株式の3分の2を確保したことを公表。Mediobanca株は5.9%、Monte dei Paschi di Siena株は6.3%上昇

2025/9/11    木

米国市場では、OracleがAI関連の強い需要を背景に1992年来の1日での上昇となり、また、8月の生産者物価指数の数値が予想以上に低かったことから、Fedの利下げへの期待感が高まり、SP500はわずかに上昇し史上最高値を更新。AI関連のNvidia,Broadcom、AMDなども値を上げる。AI関連の競争に出遅れているとみられているAppleは値を下げた。半導体デザインのソフトウェアのSynopsysは四半期の売上が予想以下で株価下落。欧州市場では、スペインのInditexが夏場の売り上げが好調であったことから株価が6.4%上昇したが、テクノロジー株が値を下げたことから、市場全体もわずかに値下がり。旅行・レジャー関連も値を下げた。Novo Nordiskは10%を超える労働力の削減を公表し、株価は3.6%下落。下半期の売り上げが減少する可能性を公表したAssociated British Foodsは13.3%株価を下げた

2025/9/12    金

米国では、公表された8月の消費者物価指数が予想より高く、また、失業保険の新規申請者数も4年来の高水準となり金利引き下げへの期待感がさらに高まった。株式市場ではTeslaとMicron Technologyがけん引してNASDAQとSP500は史上最高値を更新。Teslaは5.8%株価上昇。Micron Technologyはブローカーが目標株価を引き上げたことから7.6%株価上昇。Delta Airは第3四半期の売り上げ予想を引き上げたが、エコノミークラスの需要が芳しくなく、株価は1.6%下落。健康保険のCenteneは年間の予想利益水準を維持し株価は上昇。欧州市場では防衛関連株が堅調で市場は上昇。ECB(欧州中央銀行)は金利の維持を決めた。地政学的な緊張の高まりから、防衛関連では英国のBAE Systemsが6.3%、ドイツのRheinmetallが2.3%、英国のRolls-Royceが2.1%それぞれ株価上昇。自動車のStellantisはJeep Cherokeeなどの新モデルを投入することを公表し、株価は9.1%上昇

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9月第1週の市況

2025/9/1    月

米国市場では、NvidiaとDellhが値を下げ、市場全体も値下がりした。3指数の中ではNASDAQが最も下落。DellはAI関連のコストがかさみ株価は9%下落。水曜日に四半期決算を公表したNvidiaは株価が3.4%下落し、3日連続の値下がりとなった。ヘルスケアや一般消費財といったセクターは値上がりしたが、テクノロジーセクターは大きく値を下げた。半導体製造の Marvellは四半期の売上が予想以下となり19%株価下落。Caterpillarは、関税関連のコスト増を予想し、株価は3.7%下落した。欧州市場では英国の銀行株が軒並み値を下げ、市場全体も値下がり。シンクタンクがイングランド銀行の利息に課税すべきであると提言し、英国の銀行のNatwestが4.8%、バークレイズが2.2%など株価下落。ドイツでは8月のインフレが予想以下となり、失業者数も3百万人を超え、ドイツの株価指数DAXも0.6%下落。また、テクノロジー関連は米国に同調しASMLが2.7%、SAPが1.9%値を下げるなど、軟調であった

2025/9/2    火

米国市場が休場の中、欧州市場では株式指数は航空・防衛関連株がけん引して上昇。アジアでは香港市場でアリババがAI関連のクラウドビジネスで収入を伸ばし、株価は18.5%上昇。欧州の防衛関連では、Rolls-Royce Holdings、Rheinmetall、Hensoldtなどが2.8~4.5%株価上昇。英国の防衛関連BAE Systemsはノルウェイが100億ポンド分の戦闘機の購入に合意したことから、株価は1.8%上昇。デンマークの製薬会社 Novo Nordiskは自社の肥満治療薬ウゴービがライバル社の薬より優れていると公表したことから、株価は1.8%上昇

2025/9/3    水

米国では、高等裁判所がトランプ関税の大半が非合法と判断し、トランプ政権は最高裁判所に上告するとしている。ボラティリティ指数は上昇。株式市場では主要3指数はともに値を下げた。30年物イールドが7月中旬以降最高の水準に達したため不動産セクターが最も値を下げた。Kraft Heinzは2社への分社化を予定しており、株価は7%近く下落。PepsiCoはアクティベストが40億ドル分の株式を保有したことを公表し、同株は1.2%株価上昇。金への需要の高まりから Newmont Goldcorp CorpやRoyal Gold Incといった会社が値を上げた。欧州市場でもイールドが上昇し、株式市場では約1か月来の安値を付けることになった。金利感応度の高い不動産セクターは3.5%下落。KeringやLVMHといった高級品株はブローカノーの評価引き上げにより、3.8%、1.8%それぞれ値を上げた。NestleはCEOがスキャンダルで退任し、株価が0.7%下落

2025/9/4    木

米国市場では、Alphabetに対して司法当局が分社化を認めない方針を示し、同株は9%近く値を上げた。AppleもGoogleからの収益を確保できたことになり、株価が3%以上上昇。これらを受けて、NASDAQとSP500は値を上げたが、ダウは値下がり。FRBはベージュブックを公開したが前回から経済状態は大きな変化はなかった。小売りのMacy’sは年間の利益予想を上方修正し株価上昇。Dollar Treeは、第2四半期の業績が予想を上回ったが株価下落。欧州市場では、ヘルスケア関連がけん引して市場は上昇。同価格が上昇したことと米国での金利引き下げが予想される中、基礎資源関連も上昇。Adidasはブローカーが評価を引き上げたために株価は4.8%上昇。パイロット組合がストライキを呼び掛けているufthansaは0.4%株価下落

2025/9/5    金

米国市場では、Broadcomが市場終了後に発表した四半期決算で予想を超える結果となったことから、取引時間内にもBroadcom株をはじめ、Amazon、Meta、などが株価を上げた。市場全体でも主要指数は値を上げ、SP500は史上最高値を更新。Amazonについては、JetBlue AirwaysがAmazon子会社のProject Kuiperと提携を公表したことから株価が4.3%上昇した。 Salesforceは第3四半期の売上が予想を下回ったことから株価が4.9%下落。欧州市場ではメディアやテレコム関連の株価が上昇し、市場全体も値を上げた。また、30年物のイールドが独仏で下落。中国当局が過熱する株式市場を鎮静化させようとしていることから、中国関連の高級品株Burberry、Christian Dior、LVMHは2.8%-4.2%値を下げた。格安航空会社では、旅行者が安くなった出発間近の航空券を取得する傾向があるため利益幅が小さくなり、Ryanairが3.2%、Easyjetが4.2%などそれぞれ値を下げた

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