6月第4週の市況

2024/6/24    月

米国市場では、Amazon、Microsoft、Alphabetなどが値を上げたが、アップルは値下がり。また、Nvidiaも前日に引き続き3.2%の値下がり。Qualcomm、Broadcom、Micron Technologyなども1.4%~4.4%値を下げた。Spirit AeroSystemsはボーイングが買収間近であると報じられ、株価は6%上昇。欧州市場では、テクノロジー株と銀行株が原因となり市場全体も値下がり。Carlsberg GroupはBritvicが買収を拒否したことから、Britvic株は7.7%株高になり、Carlsberg Groupは9.3%の株安となった。英国では5月の小売販売が急増し、インフレに対する懸念から株価指数のFTSEが下落。デンマークの製薬会社Zealand Pharmaは初期段階の減量効果のある試験結果を公表し、株価は約19%上昇

2024/6/25    火

米国市場では、投資家がAI関連株から出遅れ感のある株式に切り替えを行ったことから、ダウは1か月来の上昇となり、NASDAQは1%以上の下落となった。Nvidiaは利益確定の売りから株価は6.9%の下落。そのほか、TSMC、Broadcom、Marvell Technology、Qualcommといったテクノロジー株も3.5%以上の値下がり。テクノロジーのほか一般消費財も下落したが、そのほかのセクターは値上がり。Metaは自社のAIモデルをアップルのものと統合しようとしていると報じられMetaは株価上昇。欧州市場では、当初は値を下げたが、自動車関連が値を上げ市場全体も上昇。中国とEUが自動車関係の件で会合を持つと報じられたことがプラスに寄与した。イタリアの銀行株が上昇したことから銀行セクターも上昇

2024/6/26    水

米国市場では昨日と逆の動きになり、AI関連の代表銘柄であるNvidiaが値を上げたことからNASDAQは上昇、ダウは値下がり。AlphabetやMetaも値を上げた。米国の消費者信頼感指数であるカンファレンスボード指数は、6月に下落したが、労働市場は依然として堅調で、インフレは来年にかけて緩やに上昇を続けると見ている。Home Depotが大きく値を下げた。ウォルマートは、ロンドンで行われた投資家カンファレンスでCEOが第2四半期は厳しい四半期になるとコメントし、株価下落。欧州市場では、エアバスが利益の予想を下方修正し、株価が9.4%下落。市場全体でも値を下げた。エアバスに関連してロールスロイスやMTU Aero Enginesなども値下がり

2024/6/27    木

米国市場ではインフレ統計の公表の前に方向性のない市場となる中わずかに値を上げた。Nvidia、Amazon、アップル、Teslaなども値上がり。Whirlpoolはドイツのエンジニアリング会社のRobert Boschが買収提案を行ったと報じられ、Whirlpool株は17.1%の値上がり。FedExは2025年の利益予想が市場の予想を超えたために株価は15.5%上昇。銀行株はFedがストレステストを公表する前に株価が値下がり。欧州市場では、米国のインフレ統計を前にまた、フランスの総選挙への懸念から、株式市場は値下がりし、イールドは上昇。金利感応度の高い不動産株は値下がりし、旅行・レジャー関連も値下がり

2024/6/28    金

米国市場ではPCE統計の公表前にほぼ横ばい。NASDAQは利下げへの期待感からわずかに上昇。5月の資本財の新規受注は予想外に低下。一方で、新規失業保険申請者数も予想外に低下。米国債のイールドが低下したことから、AlphabetやMetaは上昇し、Amazonは2%以上の値上がりとなった。Micronは第4四半期の業績見通しが投資家の期待以下となり、株価は7.1%下落。Nvidiaも1.9%株価下落。欧州市場では、H&Mの四半期決算が予想以下となり6月の売上も芳しくないことが予想されることから同株は12.9%下落。市場全体も値を下げた。スウェーデンの中央銀行Riksbankは、予想とおり、金利を3.75%に据え置いた。スウェーデンの株式市場は幾分下落。米国当局がRSウィルスワクチンの使用年齢を制限したことから、GSKは株価が4.5%下落

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収益性と存在価値~後半

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さて、もう一方の側面、「組織を維持する」ということを考えてみたい。生命保険会社の、組織としての存在価値と言い換えることができるだろう。『生命保険は助け合いの精神・・・』といわれることがあるが、相互扶助の考え方などはこちらの側面が強い。もっとも、国全体としての相互扶助ということになると、行政の仕事ということになる。生命保険会社の役割の一つは、ある特定のグループ内における相互扶助ということになるだろう。そして、特定の職業や業種に限定するのであれば『共済』ということになり、より範囲を絞ってしまうと少額短期保険ということになるのだろう。

相互扶助を超えたところにある、生命保険会社の存在価値は何だろう

社会環境の変化の中で、人々がよく生きるために、人の生死にかかわるサービス等を提供すること』といった感じになるだろう。サービス等の中には、生命保険商品の販売が含まれることは言うまでもないが、それだけではない

例えば、高校生や大学生に金融教育の機会を提供して、社会全体の金融知力の向上に寄与することも含まれる。スポーツイベントを主催または後援し、地域社会の発展に貢献することも含まれる。現在の社会環境のしくみを解き明かし、将来の構造の変化を予想することも含まれるであろう。

組織としての存在価値を一言で表すものとして、ミッションステートメント(行動指針)がある。

一例を挙げてみよう。

『お客様の信頼をあらゆる事業活動の原点におき、「安心と安全」の提供を通じて、豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献します。』(東京海上日動火災保険株式会社)

『コミュニティを作り出し、世界を相互にもっと近づけるためのパワーを提供する』(メタ・プラットフォームズ:筆者訳)

いずれの会社のミッションステートメントにも、取り扱っている商品の記述はない。ただし、東京海上日動では「安心と安全」、メタ・プラットフォームズでは「コミュニティ」と、どのような分野(事業領域)で活動しているかは記載されている

ミッションステートメントに描かれていることは、その企業が、将来にわたってどのような成長を目指しているのかのロードマップである。そして、長期的な成長を維持するためには現時点で、投資家の評価を受けるために収益性を確保しなければならない。二つの側面を同時に追うことは企業のミッションなのである。

 

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。

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