7月第2週の市況

2025/7/7    月 

米国市場は休場。欧州市場では、銀行や鉱業関連株が値を下げ、市場全体も値下がり。市場の関心は米国との関税問題の期限である7月9日に移ってきている。鉱業関連は銅価格の値下がりで値を下げた。銀行ではスペインのサンタンデールがSabadellの英国部門であるTSBを買収する動きがあり、サンタンデールのライバルBBVA株は2.6%値を下げた。ヘルスケア関連が値を上げたことで市場の下落幅は限定的となった。中国が大手酒造メーカーに関税を免除したことからPernod Ricard、Remy Cointreau、ヘネシーの親会社であるLVMHなどは値を上げた

2025/7/8    火

 米国ではトランプ大統領が韓国と日本に対して重い関税を適用することを公表し、BRICs諸国に10%の追加関税をかけると公表し、また、TeslaのCEOマスク氏がアメリカ党を作ることを公言した。株式市場はこれらの影響で値を下げた。Tesla株は6.5%値を下げた。外注部門をフランスのCapgeminiが33億ドルで買収することを公表たことから、WNS Holdingsは14%株価上昇。Capgeminiは5.6%株安に。欧州市場では、銀行とテクノロジー関連が市場をけん引し、株式市場は上昇。英国の石油メジャーShellはガス部門の取引が低調であったことや化学薬品などの販売で損失が計上されたことなどから2.9%値を下げた。そのためFTSEは値下がり。テクノロジー関連ではドイツのSAPやオランダの半導体機器製造のASMLなどが値を上げた。銀行関連ではフランスのSociete Generaleが2.8%値上がり

2025/7/9    水

米国ではトランプ大統領が銅に対する関税を50%に引き上げるなどの発言を受けて、市場は方向性のない展開となり、幾分値を下げることになった。モデルナは米国の保健福祉省相手に訴訟を起こし、株価は8.8%上昇。また、トランプ大統領が太陽光や風力発電に対する補助金を打ち切る指示を出したことから、SunRun、Enphase Energy、SolarEdge Technologiesなどの株価が下落。欧州市場では、ヘルスケアとエネルギー関連が市場をけん引して、株式市場は上昇。ドイツの鉄鋼Salzgitterは、政府が同社の製品を軍事利用することを承認したことから株価が20%上昇。Novo Nordiskは株価が2%上昇し、ヘルスケア全体も値を上げた

2025/7/10    木

米国では6月のFedの議事録が公開され、多くの理事が年後半の適切な時期に利下げに踏み切るべきと考えていることが明らかになり市場は好感。Nvidiaが2%株価上昇し、また、Meta Platforms、Amazon、マイクロソフトも値を上げ、NASDAQは史上最高値を更新。ダウとSP500も値上がり。Bloombergが電力会社のAES Corpについて売却を含めた選択肢を模索していると報じ株価は18%上昇。ボーイングはブローカーの評価引き上げで上昇。欧州市場では主として銀行株が堅調で市場は上昇。イタリアのUniCreditはドイツのライバルコメルツバンクを買収案を変更し、UniCreditの株価は4.6%上昇。ドイツの防衛関連Renkは民間部門を分離させようとしていると報じられ、Renk株は5%上昇

2025/7/11    金

米国市場ではAI関連の銘柄が堅調で主要3指数はいずれも上昇。SP500とNASDAQは史上最高値を更新。デルタ航空は第3四半期と通年の利益が予想を超えることになると予想を公表し10%以上株価上昇。競合するユナイテッド航空やアメリカン航空も値を上げる。イタリアのシリアルメーカーFerreroが買収間近と報じられたWK Kelloggは30%を超える株価上昇。食品会社のConagra Brandsは関税のコストが上昇し年間利益が予想を下回ると公表し、株価は4.3%下落。欧州市場では、株式指数は3か月来の高値となり、英国のFTSEは史上最高値を更新した。ただし、ドイツの株価指数DAXは値下がり。EUは米国との関税交渉が数日来にまとまりそうであることを示唆し、市場は好感した。BMWは決算報告で好調な利益率を公表し、株価は4.2%上昇。Glencore、Rio Tintoといった鉱業関連も4%ほど値を上げた

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