7月第3週の市況

2025/7/14    月

米国ではトランプ大統領がカナダからの輸入品に対して35%の関税を課するとコメントし市場は関税問題の不安感を増幅。Metaが値を下げたが、Nvidiaは値上がり。主要3指数はいずれも値を下げたが、ダウが最も値下がり。国防総省がドローンの注文を引き上げたのでドローンメーカーのAeroVironmentとKratos Defense & Security Solutionsは値を上げた。ジーンズメーカーのLevi Strauss & Coは、四半期決算が好調で年間の売上・利益予想を上方修正し株価上昇。欧州市場では銀行とヘルスケアセクターが値を下げ、市場全体も値下がり。地域的には英国のFTSEもドイツのDAXも値下がり。ノルウェー最大手の銀行DNBは利息収入が伸び悩み、貸し付けの損失が大きく、四半期の利益が低下し、株価は8.8%低下。ヘルスケア関連でもデンマークのNovo Nordiskが3.6%値を下げた。BPは予想していた以上の生産となり、株価は3.4%上昇

2025/7/15    火

米国ではトランプ大統領がEUとメキシコからの輸入品の多くに、8月1日から30%の関税を課すると週末にコメントしたが、株式市場では主要3指数ともにわずかに上昇。個別企業では四半期決算を火曜日に控えるNetflixが1.3%値を上げたほか、最新作のスーパーマンが好調のWarner Bros. Discoveryが2.4%株価上昇。暗号資産関連も好調で、Bitcoinが初めて12万ドルを超えたほか、CoinbaseやMicroStrategyも値を上げた。Becton Dickinson and Coとの合併が決まった研究機器メーカーのWaters Corpは13.8%株価下落。欧州市場では、わずかに株式は値を下げたが、関税問題に感応度の高い自動車関連は値を下げた。英国の株式指数FTSEは上昇し、史上最高値を更新。英国の製薬会社AstraZenecaは研究中の降圧剤の成果が良好で株価が2%上昇。BMW,フォルクスワーゲン、メルセデスベンツなどは2%前後株価下落。米国に輸出の多い酒造会社、Pernod RicardやPernod Ricardも1.2%と3.4%それぞれ値下がり

2025/7/16    水

米国市場では、NASDAQが史上最高値を更新したが、ダウとSP500は値を下げた。Nvidiaは中国への半導体輸出を再開させる計画を公表し株価は4%上昇。ライバルのAdvanced Micro DevicesやSuper Micro Computerも大きく株価上昇。金融関連ではJPMorgan Chaseが年間の見通しを引き上げたにもかかわらず株価は下落。ウェルズファーゴは積立金を取り崩して利益を上げたが株価は5.5%下落。BlackRockはAUMは幾分増加したが、株価は5.9%下落。欧州市場ではヘルスケアと金融関連が下落して、市場全体も値下がり。特に、スペインの市場が1.1%と大きく値を下げた。7月のドイツの景況感指数であるZEW指数は予想よりも良い数値であった。銀行関連では、コメルツバンク、Banco BPM、ソシエテジェネラルなどが2%以上の株価下落。スウェーデンのテレコム機器メーカーEricssonは予想を超える利益を計上したが、関税関連への懸念を表明し、株価は7.7%下落

2025/7/17    木

米国ではブルームバーグがトランプ大統領がパウエルFRB議長の解任に動くと報じ、市場では、株安、ドル安、イールド高の状況になった。その後、ホワイトハウスがパウエル議長を解任する計画はないと火消しにかかり、結局、株式市場は値を上げて終了した。NASDAQは史上最高値を更新。VIX指数もブルームバーグのレポートが出たときには上昇したが、その後は、低下した。ゴールドマンサックスは利益が22%上昇したが、株価はわずかに上がっただけであった。同じように利益が上がったバンクオブアメリカとモルガンスタンレーは株価が低下した。欧州市場ではASMLが米国の関税の不透明さに起因して2026年の業績目標を達成できないとコメント。同株は11.4%値を下げた。欧州市場全体でも値下がり。ASMLと同業のBE Semiconductor、ASMI STMicroelectronicsも2.1%ないし5.2%の株安になった。ルノーは6月の販売が予想以下となり、通年の利益率も予想を下回ると公表し、株価は18%下落

2025/7/18    金

米国では6月の個人消費が予想以上に伸びていて、Fedが利下げを見送る可能性が出てきた。株式市場は、SP500とNASDAQがともに史上最高値を更新。NASDAQは6日連続の上昇となった。PepsiCoは米国やEUといった主要市場での売り上げが堅調で四半期決算が予想を上回り株価は6%値上がり。ユナイテッド航空は、過去3週間の予約状況が堅調であったことを公表し、通年の利益見通しを上方修正し、株価は3.1%上昇した。ライバルの、デルタ航空、アメリカン航空、アラスカエアラインズも株価上昇。また、AI関連ではTSMCが第2四半期の業績を公表し、AI半導体に対する需要が旺盛であることを公表したことで、TSMCの米国預託株やMarvell、Nvidiaなども値上がり。欧州市場では4日ぶりに株式市場は上昇。エンジニアリング企業のABBは四半期の受注が過去最高となり株価は約10%上昇した。フランスの電力インフラのLegrand北米での事業が好調で株価が9%上昇し、ライバルのSchneider Electricも株価が7.7%上昇

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