アカウント型保険の将来

アカウント型保険は、直販社員を販売の主力に据えている日本社の主力商品である。一言で定義するならば、「ライフプランの推移に応じて保障のポートフォリオを変化させることができる保険グループ」ということができるであろう。保険グループというのは、2つ以上の保険が組み合わされて一つの商品になっているという意味である。若いときには医療保障が必要で、家族が増えると死亡保障を中心とした保障に切り替え、さらに、時間が経過すると、老後の貯蓄や介護の保障に切り替わる。そういったニーズに対応するのがアカウント型保険である。

保険グループと表現したが、もう少し、それなりの言葉を使うと、「ラップ型商品」ということになる。ここでいうラップ(Wrap)は、“サランラップ”のラップと同じで、『包み込む』という意味である。実は、保険商品が他の金融商品と比べて優れているのは、このラップ機能を発展させることができるという点である。海外で販売されているユニバーサル保険もラップ型保険である。保険という大きな枠組みの中に、資産運用と保障機能を合わせて含めてしまうのがユニバーサル保険。保険契約者から見ると、ひとつの保険商品を契約してしまえば、その中で何でもできてしまう。そういったメリットがある

FP(ファイナンシャル・プランナー)はアカウント型保険に否定的な人が多い。理由は二つ考えられる。一つはFPは外資系の保険会社の商品を扱っている保険代理店の保険募集人である場合が少なくないということ。これは、単に、競合商品をよく思っていないというだけの話である。もう一つは保障のポートフォリオを、本当に適切に切り替えることができるのかという問題である。年齢に応じて保障のポートフォリオが変わっていくということに異論はないが、それでは、「その都度、しっかりライフプランを考えて、キャッシュフロー表を作成して分析しているのか」と、販売している保険会社に尋ねると、胸を張って、『ハイ』といえる状況ではないと思う。

<続く>

この記事は、週刊インシュアランス生保版に掲載されたものです。