5月第3週の市況

2025/5/12    月

米国市場では、トランプ政権の関税の行方を見つつ、市場では上下動を繰り返しながら最終的にはおおむね横ばいとなった。米中は週末にスイスで会合を持つ。米中の緩和を受けて原油価格が上昇し、エネルギーセクターは値上がり。一方、ヘルスケアセクターは1%以上値を下げた。オンラインの旅行会社Expediaは四半期の売り上げが予想を下回り、株価は7.3%値下がり。欧州市場では米中の緩和を受けて株式市場は値上がり。ドイツの株式指数DAXは史上最高値を更新。フィナンシャル・タイムズが、Shell,Chevron,Exxon Mobile,TotalEnergies,ADNOCがBPを買収すると報じ、BP株は4.4%上昇。米中緩和で恩恵を受ける自動車セクターも0.8%値上がり。また、第1四半期の業績が予想以上に良かったCommerzbankは株価が4%上昇

2025/5/13    火

 米中で追加関税の実行を90日間停止する合意に至ったことから、株式指数は急上昇した。SP500は3月上旬の水準にまで戻った。ボラティリティ指数は急速に低下。一般消費財やテクノロジーといったセクターが市場をけん引。iPhoneの価格引き上げを検討していると報じられたAppleは6%以上株価上昇。欧州市場でも米中の関税協議がプラスに作用し市場は値を上げた。スポーツウェアのPumaとAdidasはそれぞれ6.5%と3.8%の株価上昇。物流企業のMaerskとHapag-Lloydも11.2%と13%それぞれ値を上げた。トランプ大統領が薬価引き下げの大統領令にサインしたため、Roche HoldingやSanofiなどの株価は一時的に下落したが、その実効性に疑問があるとして株価は結局上昇。Novo Nordiskは米国の競合相手であるEli Lillyが、自社製品の減肥薬がより効果があったと公表し、Novo Nordisk株は値を下げた

2025/5/14    水

米国では、インフレが対前年同月比2.3%と予想以下であったことを受け期待感が広がり、SP500とNASDAQは値を上げたが、ダウはUnitedHealthが17%以上大きく値を下げたことを受けて値下がり。UnitedHealthは年間の収益予想を未定にし、CEOが辞任。最も値を上げたのはテクノロジーセクター。NvidiaはサウジアラビアのHumainにAI半導体を販売したことを公表し、株価は6%以上値上がり。また、中国当局が国内飛行を禁じていたボーイングへの規制を解除し、ボーイング株は上昇。欧州市場でも、米国のインフレ統計が好感され、株式市場はわずかに値を上げ、4日連続の値上がりとなった。製薬会社のBayerは収益の下落が予想以下であったために値を下げた。ロサンゼルスでの火災に関する支払いが収益を圧迫した、Munich ReとHannover Reはいずれも4%以上値を下げた

2025/5/15    木

米国市場では、SP500とNASDAQは上下動を繰り返しながら最終的にはわずかに値を上げた。ダウは値下がり。トランプ大統領が中東を訪問し、中東諸国とAI関連の取引が成立したことから、テクノロジー関連は値上がり。AMDは60億ドルの自社株買いプランを公表し株価は4%以上値上がり。Nvidiaも株価上昇。カタール航空がジェット機の購入を表明したため、ボーイングも値上がり。アパレル関連のAmerican Eagle Outfitterは経済の不透明感から年間の予想を撤回し6%以上値下がり。欧州市場では株式は値下がり。ヘルスケア関連のAlconは四半期の業績が予想以下となり、また、2025年の予想も修正したことから株価は7.6%値下がり。車両製造のAlstomは今年の業績見通しが芳しくなく株価は17%以上下落。旅行会社のTUIは夏季の旅行の予約が低調で11%株価下落

2025/5/16    金

米国市場では、まちまちの展開となり、SP500とダウは値上がり、NASDAQは値を下げた。Cisco SystemsはAI関連を原因として年間の収益見通しを引き上げ株価は約5%上昇した。UnitedHealth Groupについては、ウォールストリートジャーナルが司法省が査察の結果Medicare関連で不正があったと結論付けたと報じ、同社の株は11%値を下げた。ウォルマートは幹部が今月下旬からトランプ関税の影響で価格を引き上げることを公表し、株価は0.5%下落した。同じような条件にあるAmazonも2.4%値下がり。欧州市場では当初値を下げたが、その後、挽回し最終的には値上がりとなった。プーチン大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と会談することを拒絶し、Hensoldt、Rheinmetall、Leonardoなど防衛関連株が大きく値を上げ、航空・防衛指数は2.3%上昇した。また、フランスのEngieや英国のNational GridやUnited Utilitiesなどの公益株も好調な四半期決算のため値上がり

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5月第2週の市況

2025/5/5    月

米国市場では、公表された雇用統計で新規雇用者数が予想を超えて17.7万人増となり、また、米中の関税戦争に緩和の兆しが見えていることを踏まえ、主要3指数はいずれも1.5%前後の伸びとなった。Appleは今四半期関税の影響で9億ドルの損失が生じると公表し、また、100億ドルの自社株買いプランを縮小させると公表したことから、株価は3.7%下落。Metaは4.3%、Nvidiaは2.6%株価上昇。エクソンモービルはガイアナでの石油・ガスの生産が収益に貢献し増益となったが、株価はわずかに上昇したのみであった。欧州市場でも、米国の堅調な雇用統計と関税問題の緩和を受けて株価上昇。ドイツのDAXは2.6%の株価上昇。オランダのINGは予想を超える利益を計上し、株価は7.4%上昇。同様に収益が堅調であったドイッチェバンクも株価が6%値上がり。石油メジャーのShellは減益となったもののアナリストの予想を超えたために株価は2.1%上昇

2025/5/6    火

米国市場では、主要3指数はいずれも下落。OPEC+が増産ペースを上げる決定をしたため原油価格が下落し、エネルギーセクターは2%値下がり。バフェット氏がCEOからの退任を公表したバクスシャーハザウェイは5.1%株価下落。ISMサービス指数は、支払った価格の上昇が大きく、上昇し、トランプ関税の悪影響を示唆する内容となった。欧州市場では、株式は10日連続の値上がりとなった。ドイツのDAXは1.3%上昇したが、フランスのCAC40は0.5%の下落。英国では銀行休日のため休場。保険や航空・防衛といったセクターは1%以上値を上げたが、原油価格が下落したためエネルギーは0.6%下落。ライバルのBPを買収することを検討していると報じられた、オランダのShellの株価は1.9%下落。オーストリアの銀行Erste Groupは、スペインのサンタンデール銀行との合意のもと、ポーランドの銀行Santander Bank Polskaの49%とSantander TFIの50%を買収すると公表し、Erste Group株は6.7%上昇

2025/5/7    水

米国市場では、米中の動きに材料が乏しかったことと、水曜日のFedの会合待ちの中、株式市場は値を下げた。3月の財・サービスの貿易赤字は拡大。トランプ関税の行方が不透明な中、自動車大手のフォードは2%以上株価上昇。AIデータ関連のPalantir Technologiesは、年間収益予想を引き上げたが、市場の高すぎる期待には届かなかったため、株価は13%の値下がり。英独での業績が大きく落ち込んだTeslaは、株価が2%以上下落した。ドイツでメルツ氏が2回目の投票で首相に選任され、ドイツ市場は当初大きく値を下げていたがメルツ氏の専任の後、マイナスを幾分取り戻した。欧州市場で見ても株式は値を下げた。Novo Nordiskが4%株価を下げたためにヘルスケアセクターは1%下落。第1四半期に予想外に利益を計上した、再生エネルギーのVestasは8.9%株価上昇。第1四半期の業績が好調であったドイツの小児透析のFresenius Medical Careは5.1%値を上げた

2025/5/8    木

米国市場では、上下動を繰り返したが、Fedが金利の維持を決めると、最終的に主要3指数はいずれも上昇。Fedは金利の維持は決めたがインフレの懸念と景気減速の懸念を指摘。トランプ大統領は中国に対する145%の関税は撤回するとコメントし、米中の関税戦争の終息への期待が膨らんだ。AppleがAIベースのサーチエンジンを公開したことから、競合関係にあるGoogleの親会社Alphabetは7%以上株価下落。Fedの政策会合前に市場が終了した欧州市場では、企業業績と米国の政策金利の行方を検討しながら、市場は値を下げた。3月の域内の小売販売が予想以上に下落したことで小売株が2%下落し、市場の下落をけん引した。米国のFDAがプラサード氏を主席ワクチン幹部に任命したことから、 AstraZeneca、GCK,Sanofiなどのヘルスケア関連が1.8%ないし4.3%値を下げた。一方でNovo Nordiskは第1四半期の利益が予想を超え、株価は1.3%上昇

2025/5/9    金

米国では米英で関税合意がまとまり、トランプ大統領が米中協議の進展をにじませたことを受けて、株式市場は上昇。また、ロールスロイスの航空機エンジンが課税対象から外れたことで、デルタ航空株は7.2%上昇。また、英国がボーイングの航空機を100億ドル購入することも公表され、ボーイング株は3.3%株価上昇。主要3指数はいずれも上昇したが、中小型株中心のRussell2000が、主要3指数以上に値上がり。英国のARMの米国預託株は第1四半期の利益が予想以下となったことから株価は6.2%下落。欧州市場でも米英の関税合意を受けて、株式市場は値を上げた。ただし、英国のFTSEは、イングランド銀行の利下げを受けて、値下がり。Rheinmetallはドイツ、ウクライナなどからの需要が増加したことから、業績が2025年の予想を超えることを公表し、株価は4.1%上昇。そのほか、Renk、Thyssenkrupp、Hensoldt’sなども株価上昇

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