大丈夫じゃない資産運用~前半

『もうすぐ定年になるので株式投資でも始めよう』と思う人は少なくない。そういったときに、『株式への直接投資はやめよう。それより、ファンド(投資信託)に投資しようファンドは、プロが運用しているから安心だ』と考える人もたくさんいる。次に、『インターネットなどを見ていると、インデックス(パッシブ)運用のファンドのコストが安いので“おすすめ”と書いてある』だから、『インデックス運用のファンドに投資しよう』と結論付ける場合は少なくない。

実は、この考え方で投資すると、困ったことが発生する。市場が悪化したときの対処法がわからないからである。インデックス運用が悪いわけではない。ただし、市場インデックスも下落するときがある。そのようなときに、投資を続けるのか、投資を止めるのか判断するのは投資家自身である。退職金の大半をつぎ込んだ、“にわか”投資家に判断ができるだろうか?

市場インデックスのパフォーマンスに対して、投資家自身のパフォーマンスが劣ってしまう原因はここにある市場全体が下げ相場の時に、不安になってファンドを売却してしまう(損失の確定)しばらくすると、市場が持ち直してくる。その時点で改めて購入する(高値での投資)というサイクルで、市場そのもの(インデックス)より、投資家のパフォーマンスが劣ってしまうわけである。その結果、「資産運用は難しい」とか、「資産運用に失敗した」と感じるようになる。

(後半に続く)

 

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。