6月第4週の市況

2025/6/23    月

 米国市場では、方向性のない市場となり、ダウはわずかに値を上げたが、SP500とNASDAQは値下がり。トランプ政権が中国の半導体輸出に対して新たな制約を課すことを検討していると報じられたために、NvidiaやBroadcomなどが値を下げた。小売りのKrogerは年間の販売の伸びを上方修正し株価は9.8%上昇した。コンサルティングサービスのAccentureは新規契約が減少し、株価は6.9%値下がり。欧州市場では、3日間の値下がりの後、株価は値上がりした。欧州最大の旅行会社TUIは、ブローカーからの評価引き上げによって株価が6.5%上昇し、旅行・レジャーセクターが値上がり。保険セクターも上昇。英国の住宅会社Berkeleyは新しいCEOを指名したが、年間の利益は予想を下回り株価は8.1%下落した

2025/6/24    火

米国では、イランとの緊張があるものの、Fedが7月初旬にも利下げを行う見通しになったことから株式市場は上昇。Teslaはテキサス州に自動運転タクシーの会社を設立し、Tesla株は9%以上値上がり。イランがホルムズ海峡を通過するタンカーを混乱させることが報復措置に含まれていないことから原油価格は値下がり。Northern Trustは、Bank of New York Mellonが買収を検討することになり、Northern Trust株は8%上昇。欧州市場では米国がイランを攻撃したことに対する不安から、株式市場は軟化した。ただし、債券と同じ動きをしがちな公益株については値を上げた。ドイツは2029年までに経済支出の3.5%まで防衛支出を引き上げることが報じられたが、航空・防衛セクターは値下がり。ミュヘン再保険はブローカーの評価が引き下げられて株価下落。製薬会社のNovo Nordiskは減肥薬のテスト結果を公開したが、株価は5.3%減となった。プライベートエクイティが買収することを公表したSpectrisは、株価が15.7%上昇

2025/6/25    水

米国市場は、中東での停戦を歓迎し市場は大きく値を上げた。パウエルFRBは下院の金融サービス委員会で証言し、関税影響が明らかになるのを待って利下げを行うと証言。また、カンファレンスボードの消費者信頼感指数は6月に予想外に低下した。いわゆる市場をけん引する“マグニフェント・セブン”の中では、Teslaが2%以上株価を下げた。そのほか、防衛関連のロッキード・マーチンやRTX Corpなども株価下落。火葬通貨のCoinbase GlobalやMicroStrategyは1週間来の高値水準になった。欧州市場でも、イスラエルとイランの停戦合意により株式市場は上昇。原油価格は5%下落したことにより、エネルギー関連は2%以上の値下がりとなった。一方で、航空・レジャー関連はここ1年半で最も大きな1日の上昇となった。また、ドイツでは大型の景気刺激策を議会が承認したことによりドイツの株式指数DAXは1.6%値を上げた。フランスやスペインの市場でも株式市場は1%以上の上昇

2025/6/26    木

米国市場では、全体的に2日間の上昇の後の中休み状態であったが、NASDAQはテクノロジー関連が値を上げたことにより上昇した。Nvidiaはブローカーが評価を引き上げたことにより株価は4%以上上昇し史上最高値を更新。Appleも0.4%値を上げた。パウエルFRB議長は2日目の証言を行ったが、トランプ関税の影響がはっきりするまで利下げを待つ姿勢を繰り返した。市場では7月のFOMCでの利下げの可能性は25%とみている。新規住宅販売は、住宅ローン金利の上昇もあり、13.7%の下落となった。欧州市場では、NATOがGDP5%の防衛支出を決議したことから防衛関連は値を上げたが、スペイン、ドイツ、英国、フランスなど多くの市場が値下がり。一方で自動車の販売は対前年同期比で1.9%の上昇となり、自動車関連が値上がり。Stellantisはブローカーの評価引き上げにより3%株価上昇。英国の防衛関連のBabcockは中期計画を上方修正し、株価は10.7%上昇

2025/6/27    金

米国市場では、テクノロジー株がけん引して主要指数はいずれも1%近く値を上げた。Walgreens Boots Allianceはコストカットが功を奏し第3四半期の売り上げが予想を超え株価上昇。Micron TechnologyもAI関連で使用される高帯域幅半導体の需要が旺盛で第4四半期の売り上げが予想を超え株価上昇。Micron Technologyも第2四半期の業績が予想を超えるもので株価上昇。Nvidiaも株価上昇。欧州市場では市場はおおむね横ばいであったが、ドイツの株式指数DAXは0.6%上昇。NATOがトランプ大統領の要請に応じる形で防衛予算を引き上げたことから防衛関連株価は上昇。RheinmetallやAirusは、それぞれ。7.3%と2.7%株価上昇。Saabも6.3%値を上げた。一方で消費関連セクターは値を下げた


 

過去の市況を確認しよう!!

1か月前の市況 1年前の市況

6月第3週の市況

2025/6/16    月

米国市場では、イランがイスラエルに対して報復となるミサイル攻撃を行ったことに反応し主要3指数は下落。一方、原油価格は7%上昇し、ExxonやDiamondback Energyといったエネルギー株は上昇した。Lockheed Martin、RTX Corporation、Northrop Grummanなどの防衛株も3%以上値上がり。セクター別では金融や情報テクノロジーが値を下げた。個別銘柄ではAdobeがAI対応が遅いとみなされ株価は5.3%下落。一方でAI関連にけん引されて予想を引き上げたOracleは前日に引き続き7.7%値を上げ、史上最高値を更新。欧州でもイランがイスラエルをミサイル攻撃したことから、安全資産にシフトする動きがみられ、株式市場は低迷。特に、自動車関連が2.2%値を下げたほか、旅行・レジャー関連も2%値を下げた。原油価格の上昇によりエネルギー関連は値上がり。供給の混乱から輸送料金が上昇するリスクがあるとして、輸送関係のMaerskやHapag-Lloydなどの株価上昇。防衛関連株値を上げた

2025/6/17    火

米国市場では、イランが停戦を望んでおり、また、核開発問題の協議の再開を望んでいると報じられたことを好感して、株式市場は値を上げた。Fedは火曜日から2日間の政策会合を開催するが、市場では金利を据え置くものとみられているが、インフレの低下と景気の減速の中何らかの利下げのシグナルを出すのかが注目されている。United States Steelは日本製鉄の買収が認められたことから株価は5.1%上昇。広告会社のRokuはAmazonとパートナーシップを締結し、Roku株は10%以上値を上げた。欧州市場では、5日連続の値下がりの後、値を上げた。特に、ウェイトの高い銀行部門が1.9%の値上がりと市場をけん引した。Gucciの親会社であるKeringは新CEOをルノーから迎えることを公表し、株価は11.8%と大きく上昇。一方で、ルノー株は8.7%の値下がり。ギャンブル会社のLadbrokesの親会社のEntainは、米国のMGM Resortsと共同出資する子会社が年間の売上・利益予想を引き上げたため、株価が15.3%上昇

2025/6/18    水

米国ではイランーイスラエルの紛争が激化し、米軍が戦闘機を中東に展開させる中、株式市場は値を下げ、ボラティリティ指数は上昇。原油価格の上昇に伴いエネルギーセクターだけは値を上げたが、上院共和党が太陽・風力発電に関する減税を段階的に廃止する提案を行い、Enphase EnergyやSunrunなどの代替エネルギー関連は大きく株価を下げた。統計関連では、5月の個人消費は予想以上に下落した。Verve Therapeuticsを13億ドルで買収することを表明したEli Lillyは2%株安。欧州市場でも、イランとイスラエルの紛争が激化していることを受けて株式市場は軟化。エネルギーと不動産のセクターだけは値上がりした。ドイツの景況感指数であるZEW指数が予想以上に上昇したが、株式市場は下落した

2025/6/19    木

米国では、Fedが予想通り金利を据え置いたが、パウエル議長が夏にかけてトランプ関税の影響で物価が上昇するであろうこと、また、Fedが金利引き下げのペース幾分緩和するであろうとコメントした。市場では当初イールドが下がったが、その後、値下がり分はほぼ戻ったかたちになった。株式市場はパウエル議長のコメント前は堅調であったが、SP500とダウは値下がり。NASDAQは値を上げたが、いずれもわずかで全体としてみれば市場は横ばい。欧州市場では、Fedの政策会合の結果の前で、中東情勢のなど緊張の高まりなどが影響して、株式市場は値下がり。防衛関連株が堅調。英国ではFTSEが0.1%上昇。インフレは予想通りに低下した中、イングランド銀行の政策会合に注目が集まる。スウェーデンは予想通り金利を引き下げ。米国のFDAがNovo Nordiskの薬を不足リストから除外したため、同社の株価が軟化

2025/6/20    金

米国市場は休場。欧州市場では3日連続の下落となり、株式指数は5月9日以降で最低の水準にまで下落。中東での緊張により原油価格が上昇しエネルギー関連は値を上げた。そのほか、ヘルスケアと公益の両セクターも上昇。それ以外のセクターは値下がりとなった。特に、旅行・レジャー関連は2.3%と大きく下落。スイス中央銀行は予想外に金利を0.25%引き下げた。英国のリクルート会社のHaysは年間の利益が半減以下になると予想し株価は10%近く下落。同業のRobert WaltersやAdeccoなども値下がり。フィンランドの森林関連のStora Ensoはスウェーデンの資産について戦略的な分析を開始したとコメントし、株価は14.7%上昇

過去の市況を確認しよう!!

1か月前の市況 1年前の市況