エンディングではないノート②

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さて、エンディングではないエンディングノートはもう一つ考えられる。それは、現役世代にとってのエンディングノートである。このノートの最後は、エンディングではなく、リタイアであろう。だから、「リタイアノート」というべきなのかもしれない。このリタイアノートは、社会人になってからリタイアするまでのことが書き込むことができればよい。

エンディングノートが爆発的に支持された理由は、シニアにとって気になることがそこにたくさん詰まっていたからである。内容は自分たちで埋めてくださいというものノートなので、そこにかいてあることは道標だけなのであるが、そのノートを手にすると、指示された内容をすぐにでも書くことができる自分がいるように錯覚するのである。

そう考えると、リタイアノートの内容も自ずと決まってくる。結婚、子育て(教育)、住宅購入といった、よくあるライフイベントを並べておけばエンディングノートよりも簡単に作ることができるだろう。こんな簡単なノートどこにでもありそうであるが、案外、「ない」のである。

節約の話には時間軸がないのでノートにならない。FPが作成するキャッシュフロー(CF)表には時間軸はあるが、数字の情報だけである。時間軸を持った、ことばになった希望や予想の集まりとしてのノートがあればきっと役に立つと思うのであるがいかがであろう。

ところで、ここでは指し示す名称がなかったので、便宜的に「リタイアノート」という名称を使ったが、もう少し気の利いた名前がよいのかもしれない。私が所属しているシニアコンシェルジュ協会のエンディングノートは、「シニアライフ・ノート」という名称にしている。これを参考にするのであれば、「ライフプラン・ノート」とでも名付けるのが適当である。そして、このノートができあがると私はこんな説明をするだろう。『このノートは、現役世代のみなさまがライフプランを考えるノートなのです』。

 

エンディングノートを使って考える、終活分野におけるFPの役割

インフレは進んでいる?

日本銀行が、2017年7月7日に「生活意識に関するアンケート調査(第70回)」を公表しました。
その中に、少し興味があるデータが載っていましたので紹介します。

現在の物価(注1)に対する実感(1年前対比)は、『上がった』(注2)との回答が増加した。
1年前に比べ、物価は何%程度変化したかについて、具体的な数値による回答
を求めたところ、平均値は+4.3%(前回:+4.5%)、中央値は+3.0%
(前回:+3.0%)となった。
(注1)「あなたが購入する物やサービスの価格全体」と定義。
(注2)『上がった』は「かなり上がった」と「少し上がった」の合計。生活意識に関するアンケート調査(第70回)日本銀行

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老後に必要な資産を考えよう

老後に必要なお金は、5000万円?3000万円?あるいは、1000万円

実は、5000万円でも足りないかもしれないし、1000万円でも十分かもしれない

この金額はライフプラン分析から計算できます。

いかがですか?ライフプランによって必要となる金額が全く異なることがわかります。

シニアライフで取材を受けました

発表前なので具体的なメディアはいえませんが、シニアライフプランについて取材を受けました。『老後の必要生活資金は〇〇万円』という趣旨だったと思うのですが、私が答えたのは、〇〇万円の前に、『地域のつながりが大切』ということでした。

〇〇万円は、いろいろな要素でかなり変動します。それよりも何かあったときに助けてもらえるように、周りの人とのコミュニケーションを維持しておきましょうということです。

その上で、FPとしてのアドバイスは、

1 支出を管理する

2 収入を増やす

3 資産運用を考える

と回答しておきました。ちなみに、1から3は優先順位で、これがひっくり返るとよろしくありません。

相続の話をするとエンディングノートがよくわかる

相続のお話でお宅を訪問したときの話です。

『ちょっとした保険に加入していたみたい』ということで見つかったのは、外貨建て保険でした。相続人の手元には、外貨建て保険の分配金のお知らせが届いていたのです。それが発見されたおかげで、保険の存在を知ることができました。

そうなると、外貨建て保険について説明する必要があります。いや、外貨建て保険というより、生命保険金の税制についてのお話が先です。相続税として課税されること、非課税枠があることを説明します。

その後で、保険金の持ち主は保険金受取人だから自由に処分してよいことも伝えます。だいたい、ここで普通の方は混乱してしまいます。

相続税と相続の話は、似ているようで、違うということを伝えると混乱してしまうのです。

その後、保険のしくみについて説明します。もう、このあたりになると、みなさん苦痛で顔が歪み始めます。『どうしてお父さん(お母さん)はこんなややこしい保険に入っていたんだ?』と思い始めます。

じつは、お父さんやお母さんはしっかり説明を受けていたはずなのです。保険に加入するときには、金融機関や代理店の人がしっかり説明してくれます。でも、保険金を受け取るとき、保険金の受け取りについて保険金受取人にしっかりと説明してくれる人はいないのです。だから、みなさん、なかなかつながらない保険会社のコールセンターに電話するのです。

金融機関や保険代理店は保険契約を獲得すると手数料を受け取ることができるのですが、保険金を支払っても手数料を受け取ることはありませんこれが説明不足になる、簡単な、けれども、致命的な問題です。

それでも、保険はやさしいほうかもしれません。保険で提出を求められる書類は、(被保険者の死亡証明書や保険金受取人の戸籍謄本や印鑑証明など)、現在の状況を示すものだけです。書類がそろえば保険金の支払い自体はすぐです。しかし、株式や投資信託になると、被相続人の生まれてから亡くなるまでの一連の戸籍が必要になり、相続分割協議が整うまで相続財産は相続人の共有財産として管理されてしまいます

相続税の確定申告の準備も兼ねて相続財産の整理ということになるのですが、財産リストを作成するのは案外大変な作業になります。下図で「相続財産の確定・評価」と書いてある部分ですね。その後、「財産の分割・処分」になります。そして、それが終わるころには、遺族の心がつかれてしまっていてケアが必要という状況になることが少なくありません。

そうなると、自分自身が亡くなることを考えて、次の世代に伝える準備が必要という結論になるのでしょう。