4月第3週の市況

2021/4/12    月

米国市場では、ダウとSP500が3日連続の史上最高値を更新。生産者物価指数は3月に予想以上に上昇。ただし、イールドは低下したために、アップルやマイクロソフトといったグロース株が値を上げ、Amazonはアラバマで労働組合結成の動きがとん挫し株価は2.2%の上昇。ハネウェルはブローカーの格上げによって3.2%株価上昇。欧州市場では、アストラゼネカ社製のワクチンへの不安から株価は下落。エアバスは第1四半期の出荷がわずかに予想を上回り0.3%の株価上昇。レジャー関連のTUIは3.5憶ユーロの転換社債を発行することになり株価は2.1%下落

2021/4/13    火

米国市場ではゴールドマンサックス、JPモルガンなどの銀行が水曜日に決算発表を控えその公表待ちの状態。金融や一般消費財が値を上げる。Teslaはブローカーが格上げし株価が3.7%上昇。Nividiaは第1四半期の売り上げが予想を超えることが予想され株価は5.6%上昇。マイクロソフトがNuance Communicationを197憶ドルで買収することを公表し、Nuance Communicationは16%の上昇。欧州市場では、投資家が利益確定に動き市場は軟化。フランスの公益企業のSuezとVeoliaは合併することを公表し株価上昇。英国では、HSBCが格下げしたことからeasyJetやRayanairが3%以上値下がり

2021/4/14    水

米国市場では、SP500が史上最高値を更新し、NASDAQも上昇。消費者物価指数は約8.5年ぶりの上昇となった。コロナワクチンで6人の女性で血栓が見つかったジョンソン&ジョンソンは1.3%株安となったが、アップル、マイクロソフト、Amazonなどが値を上げ、FANG+TM指数は1.7%の上昇。ビットコイン関連も値を上げた。欧州市場では、横ばいながら史上最高値の水準を維持している。中国の輸出が増加したこと、輸入についてはここ4年で最大の伸びとなったことが追い風の要因。英国ではスポーツウェアの小売りJD Sportsは今年の利益増加することから株価は3%上昇。スウェーデンのIT関連のDustinはM&A関連で株価が17.4%上昇

2021/4/15    木

米国市場では、ダウは値を上げたが、SP500とNASDAQは値下がり。決算シーズンのトップを切って大手銀行が決算を公表。ゴールドマンサックスはディーリングが堅調で2.3%、ウェルズ・ファーゴは不良債権関連の引当金を取り崩したり営業スキャンダル関連の経費を抑えた結果、株価は5.5%上昇。コロナ関連で50億ドルの引当金を計上したJPモルガン・チェースは1.9%の値下がり。原油価格が上昇しそのためエネルギー関連が2.9%上昇。ビットコイン関連で上場したCoinbase Globalは250ドルの参考価格に対して、終値は328ドル。ただし、ほかのビットコイン関連銘柄は15%程度の下落。欧州市場では、クラウドサービスが堅調だったSAPが1.1%値を上げ、第1四半期の売り上げが20%上昇したLVMHが2.6%株高となり市場をけん引。ドイツでは経済機関が、ロックダウンの長期化を勘案し、年間のGDP成長の予想を4.7%から3.7%に引き下げ

2021/4/16    金

米国市場では、ダウが初めて34000の水準を突破。SP500も2日連続で史上最高値を更新。NASDAQも2月16日以来となる14000超えの水準となった。アップル、マイクロソフト、Facebookなどが1.5%から1.9%値を上げたために、コミュニケーションサービスやテクノロジーといったセクターが値を上げた。10年物イールドは、3月25日以来となる1.6%以下に下落。決算発表では、バンクオブアメリカ、シティが景気回復に対して楽観的な見方を示したが、株価は、それぞれ2.9%と0.5%値下がり。欧州市場でも史上最高値を更新。金属関連の価格が上昇したため、Rio Tinto, Anglo American, BHPなどが株価上昇。そのため英国のFTSEは0.6%の上昇。スイスのエンジニアリングABBは通年の見通しを引き上げ、株価は3.1%の上昇。フランスの広告会社のPublicisはパンデミック前の成長に復帰し3.3%の株価上昇

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コロナ禍で求められる新しい保険の取り扱い~その2

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ところで、定期保険や収入保障保険などで保険料を支払うのが困難になったときどのようにして保障を守ればよいのであろうか終身保険や医療保険は解約して、保険料の負担を減らすという「保険の見直し」をすることが考えられる。これは、消費者が自分たちでできる見直しである。

生命保険協会では、“新型コロナウイルス感染症により影響を受けたみなさま”に対して、『保険料払込猶予期間の延長』を行うと表明している。この取り扱いは、リーマンショックの時も同じであったと思うが、『保険料払込猶予期間の延長』は、後から、保険料を支払う必要がある。生活が苦しい中、保険料をまとめて支払うのは厳しい。

そこで、保険会社の人にぜひ考えてほしいことがある。それは、『一定期間保険料を払わなかった場合、払わなかった保険料を、支払う必要をなくして、将来のある時から、保険を以前と同じ条件で復活させる』という取り扱いである。責任準備金が右肩上がりになる終身保険や年金保険などには適用できないが、責任準備金がないか、あってもごくわずかな定期性の保険であれば、保険数理上は、若干の調整を入れるだけで可能になるのではないだろうか。

具体的には、「30歳の人が60歳満了の定期保険に加入していました。40歳の時に、新型コロナウイルスの影響で生活が苦しくなり5年間保険料を払えませんでした。45歳から、また保険料が払えるようになったので、以前と同じ保険料支払って保険を復活させます。復活した保険の満了時期は60歳で以前と変わりません」というようなケースが考えられる。

このケースでは、保険会社は5年間保険料を受け取ることができないので減収になる。しかし、保障も提供していないので支出が増えることもない。保障しなくなった期間を抜いて、保険料を再計算すると保険料が上昇するかもしれない。そのときは、保険金額を減らすか、保険料を上げるかを消費者に選択させればよい。

保険会社としては、「この取り扱いを常時認めると、(リスクの低い健康な人は保険を中断し、リスクの高い人は保険を継続するという)逆選択の問題が生じる」と考えるかもしれない。それはその通りだと思うが、リーマンショックや新型コロナウイルスの影響などのような特例時期にのみ認めるような特約にすれば、逆選択の問題もかなり緩和されるのではないだろうか。

せっかく加入していた保険なので、多少の中断があっても、継続してもらえると、消費者にとっても保険会社にとってもありがたいことではないのかと思う。「保険の見直し」は、保険の一部を解約するだけではなく、新たな保険に入りなおすという提案をする前に、保険契約の保全(メインテナンス)を通じて見直すことが必要と考える。

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。

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