ライフプラン再考~その2

前半はこちら

インフレについても見積もらなければならない72の法則を使えば、インフレが2%であれば、36年でモノの値段は倍になる。10年だけのライフプランを考えるのであれば、インフレには目をつぶることも許されるかもしれないが、20年以上となるとインフレを無視するわけにはいかない。さて、何パーセントでインフレを見積もればよいのだろうか。

ライフプランの期間をもう10年延長したとしよう。世帯主は60歳になっている。老後資金を積み立てられているかをチェックするにはよいころかもしれないが、サラリーマンであれば定年の前後である。退職金も見積もっておきたいと考えるのが普通であろう。現在、30歳の人が退職金を受け取るのは、65歳と見積もるのが妥当ではないだろうか。さて、退職金はいくらと見積もるのが妥当であろう?退職金は一時金だろうか、年金だろうか?

退職金の主流は一時金から年金にシフトしている。そして、退職年金の主流は、確定給付企業年金と確定拠出年金である。確定拠出年金であれば、運用の成果を分析に加える必要がある。何パーセントで運用されることを想定すべきだろう。もし、運用成果が芳しくなかったらどうなるだろう。

退職一時金を見積もっても、その後の、家計簿も必要になる。公的年金はいくら受け取ることができるだろう。インフレを考えているのであれば、公的年金額も増えているはずである。いくらにすべきであろうか。マクロ経済スライド方式が採用されている以上、年金額は、インフレ率ほどは伸びないと考えるのが妥当である。

そして、ライフプランは最終的に何歳までの期間を考えるべきであろうか。人生100年時代なら、100歳までを考えておくべきであろうか。筆者の考えは、『90歳。不安であれば、100歳、ただし、基準は女性(配偶者)』である。このように考えながらライフプランを分析すると、30代の人であれば70年くらいの長期の分析にたどり着くだろう。

ライフプラン分析は、その人・家族の意向を汲みながら、ライフイベントを見積もり、その金額を予想し、オーダーメイドで作成するのが正しいやり方である。

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。