8月第3週の市況

2022/8/15    月 

米国市場ではインフレが7月にピークに達したと理解され、株式市場は上昇。SP500とNASDAQは4週連続での上昇となった。SP500は2日連続ですべてのセクターが値を上げた。半導体や小型株が上昇し、バリュー株よりグロース株が上昇した。欧州市場では昨日値を下げた製薬関連株がリバウンドし、旅行・レジャー株も値を上げ、市場全体も値を上げた。昨日、米国との関連で値を下げたGSK、Sanofi、Haleonは、何ら影響がないことを公表し、0.8%~3.6%の値上がり。アイルランドのブックメーキングのFlutterは米国市場での成長を公表し株価は14.4%上昇。旅行・レジャー指数が3.9%上昇し、アイルランド株式指数は2.7%の上昇となった

2022/8/16    火

米国市場では、メガキャップが上昇し、市場全体も値上がり。Teslaが3.1%値を上げたほか、アップル、Microsoftも上昇。一般消費財、公益といったセクターも値上がり。ウォルマートは火曜日の決算公表の前に0.7%株価上昇。同日に決算を公表するホームデポは株価横ばい。欧州市場では、中国経済の減速を受けてディフェンシブな銘柄に人気がシフトしたが2か月来の高値水準を維持した。アストラゼネカは日本の第一三共と開発した肺がん製剤が肺がんの進行を遅らすことが遅らすことができたことを公表し株価は2.3%上昇。中国は、需要を維持するため、中央銀行が貸出金利を引き下げたが、その影響で、欧州の自動車、鉱業、石油などのセクターが円を下げた。ドイツでは対前月比で生産者物価指数が2020年10月以来下落した。ドイツのHelloFreshは先月見通しを下方修正したが、修正前の業績を達成することができ、株価は2.7%上昇

2022/8/17    水

米国市場では、ウォルマートとホームデポが予想以上の業績を公表したことからダウは上昇。一般消費財や日用品のセクターは上昇。10年物イールドは上昇し、グロース株には重荷になる。欧州市場ではテレコムや公益といったディフェンシブな銘柄や鉱業関連がけん引べして市場は5日連続の値上がりとなった。 BHP Groupは利益が予想以上に26%増となり株価が5.5%上昇。ドイツでは生活コストの増加が個人消費を直撃しZEW指数が落ち込み、景気後退の危機になっている。デンマークのジュエリー会社のPandoraは米国市場での落ち込みから第2四半期の業績が芳しくなく株価が6.1%の下落

2022/8/18    木

米国市場では、Fedの議事録が公開され、予想していたより当局は利上げに慎重であることがわかり市場は下落。Targetは利益が9割減となり株価は2.7%下落。Amazonは1.9%の下落。Lowe’s Cosは四半期利益が予想を上回り0.6%上昇。欧州市場では、英国のインフレが対前年比10.1%増となり、ユーロ圏の第2四半期の経済成長が予想以下となり、イールドを上昇させ、株式市場は下落。ドイツでは経済の動脈である河川で20隻の船舶が立ち往生しており株価は2%下落。ドイツの公益株Uniperは上半期に123億ユーロの損失を計上し株価は12.1%下落

2022/8/19    金

米国市場では、薄商いの中、シスコ・システムズが中国市場の回復から四半期業績を上方修正し株価が5.8%上昇。Nvidiaなどの株式も2.4%上昇したこともあり、株式市場全体も値上がり。Kohl’sは通年の売り上げ・利益の予想を下方修正し株価は7.7%の下落。Targetは四半期利益が9割減となり1.3%株価下落。欧州市場では、ユーロ圏のインフレが対前年同月比8.9%増となり、ECBはさらなる利上げを検討。デンマークのストンウール会社のRockwoolはエネルギーコスト増から2022年の見通しを下方修正し8.3%株価下落  

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FPのニーズとその伝え方~後半

前半はこちら

ところで、講義を担当するとき気を付けていることは、『受講生は金融機関の営業をするためにFP講座を受講しているわけではない』ということである。あくまで、社会人としての基礎知識を身につけてもらうための手段としてFP資格を使っていると言ってもよいだろう。受講生の主な関心事は働くことである。働くために、FPの知識が役に立つということを伝えればよい。FPの資格を取って金融の仕事に就くというよりは、どのような仕事に就いてもFPの知識は役に立つと伝えるように心がけている。残念ながら、たった15回のコースなので、受講生が本当に知りたいところにたどり着けないというのも事実である。だから、私たちの仕事は、FPに関する全体像をなんとなくわかってもらうことなのかもしれない。

技術的な面では、私たちの講座でも、一昨年から動画を取り入れている。10年ほど前、大学で講座を担当していたときも、講義の動画を撮って学生はいつでも見られるようになっていた。

新型コロナの影響で、私たちはYou tubeやzoomといったツールをより使うようになった。これらのツールは比較的安価で利用できるので、FP3級の講座で、授業の復習動画を作成して受講生向けに配信した。社会人になると、授業の復習にあてる時間があまりないかもしれないので、効果的に授業の内容を復習してほしいという理由で動画を作成した。

動画を見た行政側の担当者が気に入ってくれたようで、今年は、FP2級のコースも立ち上げることができた。FP2級のコースでは、復習動画だけではなく、教科書の内容をあらかじめ学ぶことができる予習動画も加えてもらった。FP3級に比べて、対策すべき量が増え、その質もワンランク高いものが求められるFP2級なので、対面の授業で対応できないところを動画にして補おうという考えである。『移動しながら、家事をしながら、スマホでちょっと見られる動画』が目指すところである。

さらに、対面の授業については、新型コロナの再流行のリスクをヘッジするために、zoomによるライブ配信を同時に行うことになった。実は、「ライブ配信をしても視聴する側の通信環境によって見られない人が多いので配信することは良いことか?」という問題を提起された。そこで、通信環境が整わない人は通所してもらって、リモートがよいという人はzoomを利用してもらうことで決着した。おそらく、通所が基本でどうしても参加できないときはリモートという参加者が多くなるだろうと予想している。

FPの知識・ノウハウを身につけたいというニーズ、そして、その伝え方も数十年のうちに様変わりしたことを実感する。

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。

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