就業不能保障保険へのニーズの変化~その1

コロナウィルスから回復した後も、「倦怠感」や「呼吸困難」といった後遺症が残ってしまうということが報告されるようになった。そのような後遺症が原因で仕事に行けなくなることも考えられる。いわゆる、『就業不能状態』である。『就業不能状態』になったときに、保障を提供するものが、就業不能保障保険である。かつては、団体保険のマイナーな商品といった位置づけであった、就業不能保障保険が、注目されるようになったのは、ライフネット生命が「就業不能保険」を積極的に販売し始めたころだろうと記憶している。

現在では、多くの会社が就業不能保障保険を発売しているが、当然ながら、その商品内容は少しずつ異なっている。ライフネット生命の「働く人への保険2」では、入院している場合や、病気やけがの治療で医師の指示により在宅療養をしているときに給付金を受け取ることができる仕組みである。アメリカンファミリー生命の「給与サポート保険」でも、入院または在宅療養の場合に給付金を支払う仕組みになっている。「給与サポート保険」では、在宅療養は2つに分類されており、医師による治療が継続している状態で自宅から外出するのが困難な状態と障害基礎年金の受給要件を満たしていると認められる状態である。

就業不能保障保険のカバーする領域は、公的保障のカバー領域とも重複している。健康保険の給付である傷病手当金と、国民年金・厚生年金の給付になる障害年金の給付である。サラリーマンが就業不能状態になったという場合には、就業不能保障保険より先に、傷病手当金を考えるのが一般的であろう。就業不能保障保険は、公的保障を補完する位置づけと考えられる。

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。

インシュアランス掲載記事

 

12月第2週の市況

2020/12/7    月

米国では労働統計が発表されたが予想されていたほど就労人口は増加しなかった。米国市場では、景気刺激策への期待感が膨らみ、景気循環株である、エネルギー、素材、産業などのセクターが上昇。DOWとRussell2000は史上最高値を更新した。公益株は下落。個別銘柄ではボーイングが787の生産を縮小することを公表し株価は1.9%の下落。欧州市場ではOPECプラスが1月からも生産をわずかしか上げないことを決定し、原油価格が上昇。絵一行のFTSEは8か月来の高値を付ける。ただし、Brexitの行方は依然として不透明。ドイツでは10月の工業受注が予想以上に増加。DAXは0.4%の上昇。スウェーデンの投資会社AB Latourは主要株主が株式を売却したことから株価が12.7%下落

2020/12/8    火

米国では最近値を上げていた景気循環株が値を下げ、アップルやFacebookなどテクノロジー大手銘柄が上昇。そのため、NASDAQは史上最高値を更新したが、DOWとSP500は値下がり。原油価格が値下がりしたエネルギーはセクターとして最も値を下げた。アップルは2021年早々にインテルより高速のチップを載せたMacを発売すると報じられインテルは3.4%の値下がり。英国では、合意なきBrexitへの不安からポンド安となり、海外にウェイトの高いFTSEは値上がり。国内株指数は値下がり。欧州市場では、米国が香港の反対派に対する弾圧に関与したメンバーへ制裁を加える計画をしていると報じられ、市場は値下がり。ドイツのDAXとフランスのCAC40はそれぞれ、0.2%、0.6%の下落。イールドが下がったため、銀行株のウェイトの高いスペイン、イタリアの市場も値下がり

2020/12/9    水

米国市場ではコロナウィルス関連ワクチンの動きが寄与して株価上昇。NASDAQとSP500は史上最高値を更新。ジョンソン&ジョンソンはワクチン開発で後期の臨床試験の結果がよかったことを公表し1.7%株高。ファイザーは、米当局から緊急使用の承認を得て、3.2%の株高。Modernaはスイスからの注文が増加して6.5%の株高。そのほか、Teslaは、ここ3か月で2回目となる新株発行を公表し1.3%の株高。欧州市場では、幾分の株高。EUと英国のBrexitの交渉が最終局面を迎えており、英国は国内法で北アイルランド国境の条項を含めないという譲歩を見せたが、市場は交渉の動きに懐疑的。ドイツでは12月のZEWが予想以上の上昇となる

2020/12/10    木

米国市場では、景気刺激策の不透明感が株式市場を軟化させた。Facebookは米連邦当局とほぼすべての州で反トラスト法違反で提訴され株価値下がり。GAFAとよばれる企業、Googleの親会社Alphabetなどにも影響を及ぼし、GAFA+のETFは約2%値を下げる。DoorDashIPOを行い過去最高の33.7億ドルの調達。住宅リフォーム会社のLowe’s Cosは150憶ドルの自社株買いを公表し株価上昇。欧州市場では、米国の景気刺激策とワクチン開発への期待感が残存しており株式市場は上昇。英国の株価指数FTSEは一時1%を超える上昇を示したがポンド高により最終的には0.1%の上昇。ドイツでは10月の輸出が予想以上に好調で株価指数DAXは0.5%の上昇。STMicrosemicoductorは年間の売り上げ目標を2023年まで先送りすると公表し、株価は12%下落

2020/12/11    金

米国では新規失業保険申請者数が予想外に増加。ムニューシン財務長官は、共和党と民主党の間でコロナ対策の経済対策の議論が進展したと発言。ブレント原油が50ドルを超え、エネルギー関連は上昇。SP500とダウは値を下げたがNASDAQは上昇。欧州市場では、銅や鉄鉱石の価格が上昇したため素材関連の株価が上昇。ECBが予想通りにPEPPの規模を拡大し、期間を延長したが、同時に公表した2021年のGDP成長予想が下方修正となったことから銀行株は2.1%下落。市場全体も下落。DAXは一時1%近く下落した。英国のFTSEはポンド安により0.5%の上昇

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