三菱UFJ プライムバランス(8資産)(確定拠出年金)~バランス型・パッシブ運用・確定拠出年金専

ファンドの概要

このファンドは、三菱UFJ国際投信株式会社が運用するファンドで、国内外の株式、債券および不動産投資信託證券(REIT)に投資するファンドです。このファンドは、ファンドファミリーファンド形式で運営されています。

それぞれの投資先ファンド(マザーファンド)の運用はパッシブ運用になっています。このファンドでは、基本ポートフォリオが定められています。日本株式16%、外国先進国株式20%、新興国株式4%、日本債券42%、外国先進国債券5%、新興国債券4%、日本REIT3%、外国REIT3%、短期金融資産3%が、その構成割合です。

収益分配金は、目論見書上は支払われると記載がありますが、これまで収益分配金が支払われた実績はありません確定拠出年金用のファンドであること勘案すると、今後も、収益分配金は支払われないと思っておいたほうがよいでしょう。

ファンドは2012年に設定・運用開始されていて、純資産残高も右肩上がりで積みあがってきていますが、2020年11月末現在で純資産残高は、約250億円です。

※ 2020年11月末時点の情報で記入しています

ポートフォリオ

内外の株式・債券・REITに投資します。基本ポートフォリオは、株式:債券:REITは40:51:6、日本:先進国:新興国は61:28:8の割合

運用体制

パッシブ運用

販売会社

三菱UFJ銀行、損保ジャパン日本興亜DC証券、東京海上日動火災、三菱UFJ信託銀行

資産残高の推移

ファンドは2012年2月に設定。設定以来、純資産残高は基本的には右肩上がりで上昇。2015年6月には30億円の資金が一気に流入。2020年11月では約250億円

購入時手数料

購入時手数料なし

信託報酬

0.381%程度(年額)

収益分配金

目論見書上は、経費等控除後の配当等収益および売買益(評価益を含みます。)等の全額を収益分配金あてることが記載されていますが、設定以来、収益分配金を支払った実績はありません。

このファンドに対するコメント

このファンドは、目論見書等には三菱系の金融機関で取り扱われていると記載がありますが、三菱UFJ銀行や三菱UFJ信託銀行のウェブサイトで紹介されていませんので、確定拠出年金専用のファンドであると思われます
過去8年ほどのトラックレコードからリスク、リターンを計算してみると、年換算して、いずれも7%程度になっています。同じ期間、TOPIXのリスクが16%、リターンが10%であることを勘案すると、分散投資の効果が効いたポートフォリオになっているといえそうです。そのため、無リスク金利を0.5%としてシャープレシオを計算すると0.87と良好な数値になっています。
確定拠出年金専用ファンドにとって、収益分配金が支払われていないことは、合理的ですのであまり気にする必要はないでしょう。毎月レポートしている8種類のバランス型ファンドと比べても、運用成績は、比較的良い部類に位置するファンドです。

トレンド・アロケーション・オープン~スマートマネー効果とダウンサイドリスク

ファンドの概要

このファンドは、高リスク資産(先進国株式/新興国株式/先進国リート/コモディティ)と低リスク資産(先進国国債/先進国社債/新興国国債/短期債券・キャッシュ等)に分類して、上昇トレンドの高い時は高リスク資産に多く投資し、下方リスクの高い時には低リスク資産に多く投資するバランス型ファンドです。ファンドの運用は三菱UFJ国際投信ですが、実質的にはアリアンツ・グローバル・インベスターズが担当します。

ファンドの意思決定と運用推移

2020年8月、このファンドを運用している三菱UFJ国際投信は、「足下の運用状況および今後の運用方針等について」というレポートを公表しています。そのレポートでは、5つのポイントを解説していますが、一番大切なのは、「2021年2月下旬頃まで保守的な運用が続く見通し」であるということです。
『いつになったら元の運用に戻るのだろう?』と思っている投資家がいると思いますが、運用会社はその回答をすでに公表しているのです。

このグラフは、ファンドから流出した資金(推定値)をグラフにしたものです。2020年、ファンドから資金が流出する速度が速くなっているように思われます。コロナウィルスの騒ぎが大きくなった2020年の第1四半期に100億円近くの資金が流出し、ファンドがポートフォリオからリスク資産を一掃ししばらく小康状態を保っていたけど、2020年8月に、「少なくとも来年(2021年)2月にならないとリスク資産には投資しない」と明言されて、それ以降、解約が増えていると考えることができます。
アメリカでは、運用成績の良いファンドには資金が集まり、運用成績の悪いファンドからは資金が流出するといわれています。(スマートマネー効果)スマートマネー効果が正しいのかについての判定は別の機会に譲るとして、運用会社が一定の見通しを投資家に提供してくれていることは良いことだと思います。ファンドの運用方針になっている「リスクを抑える」ことに賛成の投資家は解約しないでしょうし、もっと積極的に投資したいと思っている投資家はファンドを解約して、別のファンドに乗り換えることになるでしょう。
ファンドの運用が優れているかどうかは別として、正しい情報提供・開示はされるていると思います。

一歩先への視点

このファンドでは、ダウンサイド・リスクをコントロールすることを運用方針に定めています。一般的に、リスクというのは、基準価額の平均騰落率(リターン)に対して、実際の騰落率がどの程度、“ばらつく”のかを示す指標です。平均より実際の騰落率が上回ったときも、リスクの量が増えることになります。

一方、“ダウンサイドリスク”では、平均を下回ったときだけリスクとして認識する指標です。このファンドでは、「過去1年の高値からの下落率が15%以内に収まることを目指す」と目論見書に記載があります。15%以上下落する可能性があるときは、低リスク資産の割合を増やして防御的なポートフォリオを構成することになります。