野村世界6資産分散投信(成長コース)

ファンドの特徴

このファンド(成長コース)は、野村アセットマネジメント株式会社が運用するファンドです。野村世界6資産分散投信には安定コース、分配コース、成長コース、配分変更コースと4種類のファンドがあります。ここで取り上げるファンドは成長コースです。ファンドは、ファミリーファンド方式を採用しており、野村アセットマネジメントが運用する子ファンドに投資する仕組みです。
このファンドの特徴は、国内外の株式・債券・REIT(不動産投資信託)に分散することです。ファンドには基本配分比率が決まっています。そして、そのベンチマークは、各資産クラスごとのベンチマークを基本配分割合で按分した指数です。ベンチマークに連動する投資成果を目指して運用すると記載がありますから、基本配分割合を維持しているものと考えられます。

運用パフォーマンスについては、過去5年間のデータからリターンとリスクを推定すると、それぞれ、8.52%、12.83%(いずれも年換算)となっています。東証株価指数(TOPIX)と比較するとリスクは低く、リターンは大きく上回っています。TOPIXとの相関は0.9と高い相関になっています。野村世界6資産分散投信(分配コース)とシャープレシオ、ソルティノレシオを比較すると、いずれもこのファンドが下回っています。


2023年5月末時点で入手可能な情報に基づいて記入しています

ポートフォリオ

基本ポートフォリオは、国内株式・外国株式、各35%、国内債券・外国債券、各10%、国内REIT、外国REIT各5%になっています

運用体制

野村アセットマネジメント

アクティブ/パッシブ

パッシブ運用

販売会社

ゆうちょ銀行

資産残高の推移

ファンドは2005年10月に設定。設定以後、2007年11月には純資産残高が700億円弱まで右肩上がりで増加。その後、減少に転じた後横ばいであったが、2020年3月ごろから再度上昇し、2023年5月末には約668億円の純資産残高になっています

購入時手数料等

店頭1.65%  ゆうちょダイレクト なし

信託財産留保額

なし

信託報酬

年率0.836%

収益分配金

設定来、収益分配金の支払い累計額は3,650円、直近では、奇数月に30円ずつ収益分配金が支払われています。(いずれも1万口当たり)

このファンドに対するコメント

このファンドは、ゆうちょ銀行が初めて投資信託を取り扱うようになったときのファンドの一つです。そして、現在でも、ゆうちょ銀行の専用ファンドになっています。重要情報シートを見ると、つみたてNISAの対象にはなっていませんが、過去6か月のゆうちょ銀行での販売金額のランキングは5位とかなり販売実績の良いファンドであることがわかります。また、想定する投資家は、「中長期的な資産の成長を積極的に目指したい方で、同種の商品に対する知識や投資経験があり、もしくは説明を受け商品性をご理解いただける投資家」と想定されています。

もう少し簡単に説明すると、『日本株式全体に投資することを厭わない投資家であれば、このファンドは日本株式全体に投資すると同じくらいのリスクで、より高いリターンを得る可能性があります』と表現できるのではないでしょうか

HSBC ワールド・セレクション (安定成長コース)

三井住友・アジア・オセアニア好配当株式オープン(椰子の実)

のむラップ・ファンド(やや積極型)

ダイワファンドラップ ヘッジファンドセレクト

ひふみプラス

グローバル・バリュー・オープン

JP4資産均等バランス

のむラップ・ファンド(普通型)

トレンド・アロケーション・オープン

楽天資産形成ファンド

東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)

ブラックロック・インデックス投資戦略ファンド

のむラップ・ファンド(積極型)

LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド

ファイン・ブレンド(毎月分配型)

シュローダーYENターゲット(1年決算型)

野村世界6資産分散投信(成長コース)

BNYメロン・リアル・リターン・ファンド Bコース(為替ヘッジなし)

DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)

eMAXIS 最適化バランス(マイ ストライカー)

スカイオーシャン・コアラップ(成長型)

世界経済インデックスファンド

セゾン資産形成の達人ファンド

マネックス資産設計ファンド<育成型>

JP4資産バランスファンド 成長コース

ピクテ・マルチアセット・アロケーション
・ファンド(クアトロ)

グローバル財産3分法ファンド(毎月決算型)

GW7つの卵

結い2101

アライアンス・バーンスタイン・財産設計 2040

投資のソムリエ

たわらノーロード バランス(8資産均等型)

リスク抑制世界8資産バランスファンド
(しあわせの一歩)

野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信
(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)

eMAXISバランス(8資産均等型)

のむラップ・ファンド(普通型)

トレンド・アロケーション・オープンの投資戦術と資産運用の推移

大丈夫じゃない資産運用~後半

前半はこちら

こういった負のスパイラルに陥らないためにはどうすればよいのか。筆者は、ファンドへの投資ではなく、株式への投資を意識づけるのがよいと考えている。なぜなら、株式のリターンが、預金の金利より高いことに納得できなければ、株式に投資しようと思わないからである。株式への投資を拒否して、株式型のファンドに投資することは自己矛盾がある。株式そのものに投資しなくても、ファンドが投資している株式を意識しながら投資することで、株式への投資を意識づけることになるだろう。

株式とは、株主の持ち分を平等に単位化したものである。株主の持ち分は、会社の資産から、会社のほかの債権者の持ち分を差し引いた純資産によって決まる。会社の発行する債券を保有している投資家は、会社から見ると債権者ということになる。債券は、多くの場合、金利が固定されているので、その価値(時価)が大きく変動することはない。ただし、約定された金利以上の報酬もない。株主の持ち分は、債券の保有者に比べて、変動幅が大きい。その持ち分はゼロになるかもしれない。しかし、大きな利益を生み出したとき、株主への還元(配当や自社株買いなど)は大きなものになる。株式のリターンが、債券のリターンより高い理由はここにある。

株主の持ち分を上昇させる要因はいくつか考えられる。最も大きな要因は、企業の業績である。利益は、現金の増加という経路を通って、資産を増加させる。資産の増加は、株主の持ち分の向上を意味する。だから、株式市場のニュースの中心は、企業の業績になる。

金利の動向も要因の一つである。IT関連企業であれば、将来の予想収益の割引率が大きくなると。資産の増加が予想以下になると考えられる。よって株主の持ち分にマイナスの影響を与えると考えることができる。一方、銀行であれば、貸出金利を引き上げることができるので、金利上昇は、資産を増やす方向に機能する。したがって、株主の持ち分にはプラスの影響を与える。

長期的に考えれば、株式市場に投資しておけば、そして、分散して投資できれば、“放っておいても”資産は増える。ただし、問題は投資家自身が、“放っておける”かどうかである。『インデックス投資のように市場全体に投資していれば、ファンドに投資していれば大丈夫』と考えるのは少し甘い見込みである。市場や企業を見ることなく投資することは控えたい。

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。

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