ファンドの特徴
このファンドは、セゾン投信株式会社が運用するファンド・オブ・ファンズです。目論見書は、株式、債券、他のファンドの受益証券に投資できる仕組みですが、投資先を勘案すると内外の株式に投資するファンドです。
直近3年のデータを基に計算すると、ファンドのリターンは11.4%、リスクは19.8%となっており、TOPIXよりリターン、リスクとも高くなっています。シャープレシオを計算してみるとTOPIXより高くなっていますので、ファンドの方が魅力的な投資対象になっているといえると思います。TOPIXとの相関も高くないので、日本株式のインデックスファンドとは違った投資対象と認識できるでしょう。
運用は、セゾン投信が担当していますが、投資先のファンドは、バンガード、FSSA、COMJESTなどが運用を担当しています。2021年6月と2020年12月の月次レポートを比較してみると、投資先ファンドの比率や国別の比率はほとんど変わりはないので、アクティブ運用の超過収益の源泉は、それぞれの投資先のファンドの運用能力によるものが大きいと推測されます。ファンドはノーロード、信託財産留保金もなしですが、実質的な運用コストは年1.44%(2020年12月の決算実績値)であり、安いコストとは言えません。
※ 2021年7月末時点の情報で記入しています
ポートフォリオ
2021年6月末時点のポートフォリオは、北米47%、欧州24%、日本12%、新興国16%の投資比率になっています
運用体制
アクティブ/パッシブ
アクティブ運用
販売会社
セゾン投信、滋賀銀行、横浜銀行、八十二銀行、ゆうちょ銀行
資産残高の推移
ファンドは2007年3月に設定。資産残高は右肩上がりで増加しています。2021年7月末時点での資産残高は1,642億円に達しています
購入時手数料
購入時手数料:無手数料
信託財産留保額:なし
信託報酬
年1.44%(2020年12月の決算実績値)
収益分配金
設定来、収益分配金が支払われた実績はありません
このファンドに対するコメント
セゾン投信が作った2つ目のファンドです。バンガードだけでなくほかの運用会社のノウハウも活かし、かつ、アクティブ運用のファンドというコンセプトです。
アクティブ運用の収益の源泉を、下手にアセットアロケーションに求めないで、それぞれの運用会社の運用能力に求める点は評価できるポイントだと思います。ただし、手数料の水準は、実質的に年率1.5%近くに達しており、投資家の得られるリターンを引き下げていると思います。シャープレシオで比較すると、対TOPIXではファンドが優れていると判断できますが、パッシブ運用型のバランスファンドになると、ファンドが劣っていると判断されます。
ゆうちょ銀行の投信販売ランキング(2021年上半期)でみると、7位にランクされている売れ筋ファンドのようです。八十二銀行のランキング(2021年6月)でも、インターネット販売では10位にランクされています。
過去の記事
ピクテ・マルチアセット・アロケーション
・ファンド(クアトロ)