ファンドの特徴
このファンドは、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が運用する、株式(アジア・オセアニア)、アジア・オセアニア各国・地域のリートに投資するファンドです。アクティブ運用のファンドなのでポートフォリオは変動するものと考えられますが、実際のポートフォリオは、月次レポートで確認できます。2023年3月末現在、香港、台湾、オーストラリアの順に投資比率が大きくなっています。ポートフォリオの保有銘柄は75銘柄。2023年3月末時点の純資産残高(207億円)になっています。なお、目論見書等には、ファンド・オブ・ファンズとの記載がありますが、これは外部で運用されている不動産投資信託(リート)を組み入れるためこのような分類になっています。株式部分については、マザーファンドを利用していますので、ファミリーファンド方式と記載したほうが誤解がありません。
過去5年の履歴からリスクを計算すると約19%です。日本の株式市場全体を代表する株式指数TOPIXのリスクより大きい数値になっています。実質的な運用は、スミトモミツイDSアセットマネジメント(ホンコン)が行うと目論見書等に明記されています。この会社は三井住友DSアセットマネジメント株式会社の子会社と推定されますが目論見書等の記載を見つけることはできませんでした。ただし、委託者の受け取る報酬(純資産総額に対して年0.75%)のうち、0.45%はこの会社に支払われると明記されています。
ポートフォリオ
2023年3月末時点のポートフォリオは、株式90.5%、リート5%です
運用体制
アクティブ/パッシブ
アクティブ運用
販売会社
北國銀行、PayPay銀行、常陽銀行、中央ろうきんなど
資産残高の推移
ファンドは2005年7月に設定。純資産残高のピークは3回あり、2007年10月、2011年3月、2015年7月です。2023年3月の純資産残高に約207億円になっています
購入時手数料等
3.3%(税込)(常陽銀行/中央ろうきん)0%(北國銀行、PayPay銀行)
信託財産留保額
信託報酬
年1.738%(税込)【うち運用委託先へ0.45%が支払われる】
収益分配金
2015年~2016年8月には、月当たりの収益分配金が1万口当たり90円でしたが、2021年以降、月当たりの収益分配金は1万口当たり10円です
このファンドに対するコメント
運用会社の責任ではありませんが、「ファンド・オブ・ファンズ」と「ファミリーファンド方式」の定義をもう少し改善していただき、このファンドはファミリーファンド方式のファンドと定義していただいたほうが実態に合っていると思います。分散化を少し犠牲にして、アジア・太平洋地域の成長に焦点を絞った運用をしており、その成果を分配金の形でいち早く投資家に還元するというのがファンドの戦略だと思います。
高い手数料をとっていますが、それなりのパフォーマンスを挙げているので、外部からの評価もよくなっているようです。ただし、ファンドのリスクは、日本株式へのインデックス投資などに比べると高くなっており、また、中国への直接投資は10%弱に抑えられていますが、中国経済が減速すると、大きな影響を受ける国や地域の株式やリートに投資していることも知っておくべきでしょう。リスクが顕在化すると純資産が半分になってしまうようなことになるかもしれません。
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