ファイン・ブレンド(毎月分配型)

ファンドの特徴

このファンド(ファイン・ブレンド(毎月分配型))は、日興アセットマネジメント株式会社が運用するファンドです。ファイン・ブレンドには1年決算型毎月決算型の2種類のファンドがあります。ここで取り上げるファンドは毎月決算型です。ファンドは、ファンド・オブ・ファンズ方式を採用しており、日興アセットマネジメント(海外子会社を含む)が運用するファンドに投資する仕組みです。

このファンドの投資目標は、『収益が期待できる5つの資産クラスに投資して、(分散投資効果を享受しながら)収益の獲得を目指すこと』です。資産クラスへの配分は、おおむね均等になることを原則とし、市況の動向を見て、価格変動の大きくなった資産クラスの配分比率を引き下げる方針が取られています。
直近の分配金は、1万口当たり25円になっています。

運用パフォーマンスについては、過去5年間のデータからリターンとリスクを推定すると、それぞれ、-0.73%、1.91%(いずれも年換算)となっています。eMAXIS 国内債券インデックス(競合ファンド)と比較するとリスクはこのファンドが高く、リターンはこのファンドが下回っています。TOPIXとの相関は-0.10と極めて低い数値になっています。
※ 2022年3月末時点で入手可能な情報に基づいて記入しています

 

 

ポートフォリオ

2022年2月末時点のポートフォリオは、金16.8%、グローバルREIT6.6%、グローバル高配当株式8.6%、高金利海外債券17.2%、日本国債48.8%です

運用体制

日興アセットマネジメント

アクティブ/パッシブ

アクティブ運用(アロケーション)
高利回りソブリン債券(パッシブ)その他の資産クラス(アクティブ)

販売会社

SMBC日興証券、鹿児島銀行、湘南信用金庫、イオン銀行など

資産残高の推移

ファンドは2013年3月に設定。設定以後、右肩上がりでおおむね単調に純資産残高が増加。2021年9月に約463億円の純資産残高に達するが、その後、微減。2022年3月末には約450億円の純資産残高になっています

購入時手数料等

SMBC日興証券3.3%、鹿児島銀行2.2%、湘南信用金庫2.2%、イオン銀行3.3%

信託財産留保額

なし

信託報酬

年率1.47175%

収益分配金

2013年5月~2015年4月は毎月30円2015年5月~2021年8月毎月40円2021年9月~現在毎月25円の収益分配金が支払われています
つみたてNISAの投資対象ファンドではありません

このファンドに対するコメント

このファンドは、2021年のモーニングスターアワード2021において、バランス型部門において「優秀ファンド賞」を受賞したファンドです。バランス型ファンドとして、優秀なファンドとの評価を受けていますが、リスク・リターン特性を勘案すると、バランス型ファンドと国内債券型の中間に位置するファンドといえるでしょう。すなわち、バランス型ファンドとしてはきわめて価格変動が小さいファンドです。加えて、毎月分配型で安定した収益分配金が支払われるタイプなので、資産を殖やそうというより、資産を効果的に取り崩そうと考える投資家にフィットするファンドだと思われます。

少し難点なのは、コストが高いことです。年換算騰落率がマイナスであるにもかかわらず、実質的な信託報酬が1.5%に近い水準にあるため、資産運用という評価は難しくなります。そうなると、評価のポイントが分配金ということになり、比較の対象は外貨建ての年金保険などになるでしょう。

過去の記事

シュローダーYENターゲット(1年決算型)

野村世界6資産分散投信(成長コース)

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JP4資産バランスファンド 成長コース

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・ファンド(クアトロ)

グローバル財産3分法ファンド(毎月決算型)

GW7つの卵

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(しあわせの一歩)

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(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)

eMAXISバランス(8資産均等型)

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トレンド・アロケーション・オープンの投資戦術と資産運用の推移

外貨建て保険のKPI

金融庁外貨建て保険KPI(Key Performance Indicator)を導入することを公表した。報道発表資料では、「外貨建保険の販売会社において、これら2つの指標に関する自社の数値を公表することを期待します」となっているが、事実上の強制とみてよいであろう。KPIは、顧客が外貨建て保険商品を選ぶときの参考となる指標になるであろう。

投資信託にしても、外貨建て保険にしても、ベンチマークが定められていることが多い。ベンチマークには、主要な資産クラスごとの市場指数や、それらが複合されたものが用いられることが多い。『ベンチマークと同じような運用成果を目指す“パッシブ運用”であれば、公表されているベンチマークの推移だけを見ていれば運用の推移はわかる』と、事業者側は考えてきた。しかしそれは、どうやら間違いであるというのが最近の考え方である。

第一に、「投資家(保険契約者)は合理的ではない」。安いところで購入して、資産が十分に値上がりしたら売却するというのが理想の資産運用であるが、私たちは、得てして、逆の行動を採る。高くなったところで買って、安くなったら売るというパターンである。また、マーケットのリスク(ボラティリティ)が上昇してくると、途端にリスク回避的になり、投げ売りしてしまう。その結果、実際の投資家のリターンは、ベンチマークのリターンより大きく劣化していると思われる。米国では、代表的な債券の市場インデックス(7.67%)に比べて、債券ファンドの投資家のリターン(0.70%)が大きく劣ると指摘されている。

金融庁が導入した「運用評価別顧客比率」は、まさに、この投資家の本当のリターンを見える化したものであると考えられる。運用評価別顧客比率は、「購入時以降のリターンを算出し、全顧客を100%とした場合のリターン別の顧客分布を示したもの」と定義されており、これが事前に開示されていると、保険契約者は、実際のリターンの分布を確認して購入を決められることになる。注意が必要なのは、MVA(市場価格調整)などのペナルティがリターンの計算に含まれていないことである。

(続く)

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。

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