ファンド分析~野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)

ファンドの特徴

このファンドは、野村アセットマネジメントが運用するファンドで、世界のインフラ関連株式米国に上場されているMLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)に投資するファンドです。このファンドは、通貨選択型のファンドファミリーの1つとなっており、その運用はファンド・オブ・ファンズ(FOF)方式で運用されています。FOFの投資先のファンドは、ケイマン諸島籍のファンドになっています。

保有銘柄は、毎月の月次レポートでは開示されていませんので、運用報告書のデータによることになります。2019年6月のデータによれば、保有銘柄上位10銘柄で純資産残高の約6割を占め、そのうち、MLPの形態の投資先は1社のみになっています。

名前からわかるようにドイチェ・アセット・マネジメントが運用に携わっていると思われますファンドの説明動画においても、ドイチェ・アセット・マネジメントが説明を行っていますが、どの時点で、どのような形でドイチェ・アセット・マネジメントが関与しているのかは、目論見書、運用報告書、月次レポートなどから伺い知ることはできません

複数の通貨タイプのファンドがそろっていますが、米ドルコースの毎月分配型が、突出して資産残高が多く(2020年5月末で約1000億円)なっています。

※ 2020年5月末時点の情報で記入しています

ポートフォリオ

投資先の外国籍ファンド(ノムラ・カレンシー・ファンド-グローバル・インフラ・ストック・ファンド )国内投信(「野村マネー マザーファンド)に投資します

運用体制

野村アセットマネジメント(実質的にはドイチェ・アセット・マネジメントが運用?)

販売会社

野村證券

資産残高の推移

ファンドは2010年10月に設定。2013年から2014年にかけて純資産残高が急激に上昇し2014年11月には約1兆3900億円に達した。その後、基準価額の低下とともに、純資産残高が減少し、2020年5月では約1000億円

購入時手数料

3.3%(1億円未満)1.65%(1億円以上5億円未満)0.55%(5億円以上)

信託報酬

1.913%程度(年額)

収益分配金

分配は月1回。「配当等収益等を中心に安定分配を行なうことを基本」と記載があります
実績ベースでは、月250円の配当を支払っていた時期(2013年8月~2015年5月)もありましたが、2018年7月以降は月20円の分配金になっています

このファンドに対するコメント

インフラ・エネルギー投資はドイチェ・アセット・マネジメントが得意とする分野で、野村證券の大口顧客向けに販売されたファンドだと推定されます。ファンドの純資産残高がピークであった頃の配当は月250円で純資産価額が15,000程度。配当利回りを単純に計算すれば年率30%に達します。

2013年ごろこのファンドを購入して、2015年ごろに売却できた投資家にとっては、高い信託報酬や購入時手数料などは問題にならないほど稼ぐことができたのではないでしょうか。購入時手数料の区分を見ても、大口の個人投資家が、短期で収益を挙げるためのファンドという位置づけなのでしょう。

コロナウィルス関連でエネルギー関連の株価が大きく下落したこともあり、同じようなファンドが人気を博す可能性があります(例:米国MLPファンド(毎月分配型))

世代別の資産ポートフォリオとその修正

家計調査の貯蓄・負債編の2019年のデータが、5月15日に公表されました。

このデータを使うと、世帯主の世代別にどのような資産を保有しているか(ポートフォリオ)を分析することができます。

50代になると資産がぐっと増えていますが、教育費が不要になって、給与が増えて、家計に余裕が出てきたことが要因と推測されます。(こちらの図表27「費用を見積もりなおした後」を参照)

資産は60代が最高になることはグラフを一見すればわかるのですが、各世代のポートフォリオを見ると、わずかずつですが年齢が上がるにつれてリスクのある資産も保有するようになっていることがわかります

老後の生活にプラスになるように、ポートフォリオを修正するには・・・

通貨性預貯金(普通預(貯)金のこと)定期性預貯金(定期預(貯)金のこと)生命保険の比率をそれぞれ10%ずつ削って有価証券の割合を30%増やすとよいと思います。