マネックス資産設計ファンド<育成型>

ファンドの特徴

このファンドは、アセットマネジメントOne株式会社が運用するファンドです。内外の株式、債券およびREIT(不動産投資信託)に投資するファンドです。

直近3年のデータを基に計算すると、ファンドのリターンは7.5%、リスクは11.0%となっており、TOPIXより高いリターンでリスクが低くなっています。バランス型ファンドとして効率的な運用が行われていることがわかりますが、TOPIXとの連動性は高く、相関係数は0.92になっています。『日本株式だけに投資するのではなく、世界や株式外にも分散して投資して投資効率を上げているが、日本の株式市場との連動は高い』と見ておくと間違いないでしょう。

運用は、アセットマネジメントOneが担当していますが、基本資産配分比率については、イボットソン・アソシエイツ・ジャパンの助言を受けることになっています。運用の仕組みは、ファミリーファンド方式を採用しており、それぞれのマザーファンドの運用はアセットマネジメントOneが行っています。

※ 2021年6月末時点の情報で記入しています

ポートフォリオ

2021年5月末時点のポートフォリオは、日本株式24.2%、外国株式26.4%、日本債券28.9%、外国債券7%、日本リート7.1%、外国リート6.5%となっています

運用体制

アセットマネジメントOne(投資顧問 イボットソン・アソシエイツ・ジャパン)

アクティブ/パッシブ

パッシブ運用(マザーファンド)
アクティブ運用(アセットアロケーション)

販売会社

マネックス証券、静岡銀行

資産残高の推移

ファンドは2007年1月に設定。同年7月には純資産残高が80億円を超えるまでに成長したが、その後、純資産総額は緩やかに上昇。2021年6月現在の純資産残高は約140億円

購入時手数料

購入時手数料:無手数料
信託財産留保額:基準価額の0.3%

信託報酬

0.55%

収益分配金

育成型とは、収益分配金を支払わないことではなく、自動けいぞく投資で分配金が再投資されることを意味しています。ただし、設定来、収益分配金が支払われた実績はありません

このファンドに対するコメント

マネックス証券が作ったバランス型ファンドだと思われます。運用はアセットマネジメントOneが担当しており、マザーファンドの運用はパッシブ運用。アセットアロケーションについては、イボットソン・アソシエイツ・ジャパンが助言しているので、おそらく、アクティブ運用でしょう。もう少し、目論見書にしっかり書いてくれてたほうがありがたいと思います。

もうかなり運用履歴が長いファンドになってきていますが、ファンド設定当時に、『アセットアロケーション』が流行したことが背景にあるのでしょうか?今では確認するすべがありませんが。

運用成果(パフォーマンス)は、ほかのバランス型ファンド(eMAXIS8資産均等)などと比較しても悪くはないのですが、純資産残高が積み上がっていかないのは、販売会社が2社に限定されているからなのでしょう。もう少し、銀行などで販売されると残高が伸びるように思います。

グロース株とバリュー株~その2

(前半部分はこちら)

バリュー株とは、グロース株の反対と考えるとわかりやすい。将来の成長はあまり期待できない。だから、現在の利益の相当部分を配当として還元する。世界的に見れば、コカ・コーラやエクソンモービルなどがバリュー株に分類される。バリュー株は、本体も成熟したビジネスをしている企業が多く、直近1年くらいの配当に重きが置かれるので、グロース株に比べて値動きの幅は小さい。つまり、リスクは低い。インフレになっても、グロース株ほど影響を受けない

バリュー株とグロース株の特徴が理解できると、バリュー株投資とグロース株投資の意味が理解できるグロース株投資とは、将来の企業の成長に投資することである。成長を見誤ると投資は失敗する。今から20年ほど前、筆者は証券アナリスト向けの研修に参加したことを覚えている。そのときの分析対象は、アマゾンであった。「アマゾンは10年先に大化けしている企業になっていると思うか」という課題が出されて、私の回答は、「NO」であった。結果は、ご承知の通り、アマゾンは世界を代表する大企業になった。グロース株投資のアナリストとしては、筆者は失格ということになる。

バリュー株投資は、その企業の適正価格を算出し、現在の株価がその価格以下であれば買い、以上であれば売りという投資スタイルである。ここで、大切なのは適正価格をどのようにして算出するかということである。アクティブ運用の投資信託などの目論見書に、「個別企業の適正価格を分析して・・・」というような記述があればバリュー株投資ということがわかる。

正確な統計情報があるわけではないが、アマチュアの投資家の方はグロース株投資プロの投資家の方はバリュー株投資が多いように思われる。

株式投資で大切なことは、その企業の何に投資しているのかを意識することである。その会社の成長に投資している(グロース株)のか、その会社の評価に投資している(バリュー株)のかということである。トヨタ自動車に投資して、株価の急成長を求めるのはナンセンスである。上場したばかりの企業に安定を求めるのもナンセンスである。

経済が回復してくると、それに先行して株式市場は上昇する。そして、経済が好景気になると、株式市場は右肩上がりで上昇するというより、上下動を繰り返すことが多い。そのようなときに、着目してほしいのが、グロース株・バリュー株の相対的な動きである。

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。