ファンド分析~ダイワ・ライフ・バランス70

ファンドの特徴

このファンドは、大和アセットマネジメントが運用するファンドで、国内外の株式と債券に投資するファンドです。このファンドは、ファンドファミリーファンド形式で運営されています。

それぞれの投資先ファンド(マザーファンド)の運用はパッシブ運用になっています。このファンドでは、基本ポートフォリオが定められています。目論見書等に明記されていませんが、基本ポートフォリオの比率を厳格に維持するという運用はされていないようです。株式の投資比率は基本ポートフォリオでは、内外の株式を合わせて70%ですが、最新の運用報告書によれば、63.4%~69.7%の間で変動しています。

収益分配金は、目論見書上は支払われると記載がありますが、これまで収益分配金が支払われた実績はありません。つみたてNISAの対象商品に指定されていることや、確定拠出年金のファンドに組み入れられていることを勘案すると、今後も、収益分配金は支払われないと思っておいたほうがよいでしょう

ファンドは2005年に設定・運用開始されていて、純資産残高も右肩上がりで積みあがってきていますが、15年以上経過した2020年9月末現在で純資産残高は、わずか80億円です。運用会社の旗艦ファンドというには、少し規模が小さすぎますね。

※ 2020年9月末時点の情報で記入しています

ポートフォリオ

内外の株式・債券に投資します。基本ポートフォリオは、日本株式45%、外国株式25%、日本債券20%、外国債券10%です

運用体制

大和アセットマネジメント

アクティブ・パッシブ

パッシブ運用(マザーファンド)
アクティブ運用(ベビーファンド)

販売会社

SMBC日興証券、大和証券、山口銀行、楽天証券、三井住友信託銀行(DCのみ)、日本生命(DCのみ)など

資産残高の推移

ファンドは2005年6月に設定。設定以来、純資産残高は基本的には右肩上がりで上昇。2020年9月では約80億円

 

購入時手数料

購入時手数料なし

信託報酬

0.242%程度(年額)

収益分配金

目論見書上は、「基準価額の水準等を勘案して分配金額を決定」とありますが、設定以来、収益分配金を支払った実績はありません。

このファンドに対するコメント

このファンドは、R&Iファンド大賞や1億人の投信大賞などを受賞した“評価されているファンド”です。直近5年間のシャープレシオは、競合する他のバランス型ファンドをおおむね上回っています。少し気になるのは、パッシブ運用のファンドなのですが、長期的にはベンチマークを上回っていることです。運用報告書の記載によれば、『株式の配当について、ベンチマークが配当落ちしているのに対して、ファンドには配当金が計上されているため、ベンチマークとかい離』とあります。古いファンドなのでファンド設定当時には、配当込みの指数が公表されていなかったのかもしれませんが、運用の実態を正確に表現するのであれば、過去にさかのぼって、配当込みの指数にベンチマークを差し替えたほうがよいと思います

また、資産クラスが4種類というのも、8種類程度の資産クラスを組み合わせる、いまどきのバランス型ファンドに比べると少し物足りなさを感じる投資家がいるかもしれません。

ピックアップファンド(Yjamプラス!)

ファンドの特徴

このファンド(Yjamプラス!)は、国内外の株式を主要な投資対象としに投資するタイプのアクティブ運用ファンドです。運用会社はアストマックス投信投資顧問です。この会社の株式の過半はヤフー株式会社が保有しています。運用において、特徴的なのは、AIを活用してビッグデータを解析して、株価を予測して投資をするという手法を採っているところです。コアとなるAIを使った株価分析はYahooの子会社であるマグネマックス・キャピタル・マネジメント社に委託しています。国内外の株式に投資するとありますが、第5期末の運用報告書を見ても海外の株式に投資していません。実質的に、国内株式に投資するファンドです。分配金については設定来支払われていません。分配方針は、「毎決算期に収益の分配を行なう方針」とありますから、少し目論見書に記載している内容とずれています。

ファンドは2016年12月に設定されたばかりのファンドです。したがって、モーニングスター社の評価もまだありませんし、ファンドが表彰を受けたという実績もないようです。

購入時手数料の上限は3.3%です。購入時手数料の上限は高い設定です。信託財産留保額はありません。信託報酬は1.012%ですから、アクティブ運用の株式ファンドとしては平均的な費用設定になっています。

※ 2019年11月末時点の情報で記入しています

ファンドへのコメント

ポートフォリオ

マザーファンドで、182銘柄程度の日本株式を保有(2019年5月時点)

運用体制

アストマックス投信投資顧問が運用

アクティブ/パッシブ

アクティブ運用

販売会社

京都銀行、イオン銀行、SBI証券、七十七銀行など

資産残高の推移

ファンドは2016年12月に設定。2018年1-3月ごろに、純資産総額が大きく伸び、2018年夏ごろからは300億円で横ばいで推移し、2019年11月末では288億円になっています

購入時手数料

購入時手数料は3.3%(上限)

信託報酬

1.012%(年額)

収益分配金

毎決算期に収益の分配を行なう方針です。ただし、基準価額の水準や市場動向等を勘案して収益の分配を行なわない場合もあります。

このファンドに対するコメント

外貨建て資産に投資した場合には為替ヘッジすると目論見書にありますから、原則として、日本の株式に投資するファンドと考えておけばよいでしょう。目論見書等には、AI、ビッグデータ、モテ期予測などの言葉が並んでいますが、2019年10月末の上位保有銘柄は、HONDA、トヨタ、ファーストリテイリング、エーザイ、第一生命となっており、なんとなく、単なる大型株ファンドのイメージを受けます。

設定期以来のパフォーマンスを見ても、確かに、TOPIXを上回る運用成績になっているのですが、東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン(毎月値動きを追っているファンドです)と比較すると、明らかに運用成績は下回っています。

AIを用いた解析モデルが予測能力があるのかどうかを含めて、あと数年、運用履歴を検証する必要があるのかもしれません。