GW7つの卵~バランス型ファンド

ファンドの特徴

このファンドは、日興アセットマネジメント株式会社が運用するバランス型ファンドです。国内:海外の投資割合は、おおむね50%ずつ、株式:債券の投資割合は7:3が基本配分となっています。このファンドの運用の特徴は、それぞれのアセットクラスの実質の運用は、スパークス、シュローダーなどその分野に強い運用機関が担当していることです。それぞれの運用スタイルは、市場の平均以上の運用成果を目指すアクティブ運用です。さらに、資産配分についても、日興グローバルラップ(日興GW)、日興アセットマネジメント アメリカズ・インクが投資判断を行ってアクティブに運用しています

日本株式(TOPIX)と比較すると、長期的にみて、リターンが高く、リスクが低くなっています。2005年11月から2021年2月までの期間でシャープレシオを計算すると、ファンドが0.25、TOPIXが0.06となります。

収益分配金は、一定の水準を維持するというよりは、ファンドの純資産が増えるとその増分に応じて分配金を支払うスタイルです。設定以来、支払われた収益分配金は、1万口当たり10880円になっています。
※ 2021年2月末時点の情報で記入しています

ポートフォリオ

基本配分比率では、日本株式29%、海外先進国株式39%、日本債券20%、海外債券12%。資産配分比率は変動あり

運用体制

マルチマネージャー方式

アクティブ/パッシブ

アクティブ運用

販売会社

りそな銀行、七十七銀行、野村證券、SMBC日興証券、楽天証券、伊予銀行、紀陽銀行ほか

資産残高の推移

ファンドは2003年に設定・運用開始されていて、リーマンショック前後に6000憶円を超えるまで純資産総額が増加しましたが、その後、急落し、2014年には1000億円を下回り、2021年2月末現在で純資産残高は、約490億円

購入時手数料

3.3%(伊予銀行)

信託報酬

1.98%

収益分配金

目論見書上は、経費控除後の繰越分を含めた配当等収益と売買益(評価益を含みます。)等の全額を分配金の原資とし、日興アセットマネジメントが基準価額水準、市況動向などを勘案して決定するとあります。直近の分配金は600円でした。

このファンドに対するコメント

日本では運用期間が長い部類に分類されるバランス型ファンドです。資産クラスにREIT(不動産投資信託)が含まれていませんが、これはファンドの設定が2003年と比較的古く、その当時、日本のREIT市場が十分に整備されていなかったということが要因になっているのかもしれません。

運用成績は、可もなく不可もなくという水準です。ただし、ここ5年でみると、当社のレポートで毎月お届けしているeMAXISバランス(8資産均等型)よりパフォーマンスは上です。昔のファンドということで、かなり信託報酬が高くなっていますので、信託報酬を引き下げればもっと魅力的なファンドになります。さらに、購入時手数料が最大で3.3%のまま放置されていることも投資家にとっては大きな不利益です。マネージャーの運用能力そのものが低いわけではなく、手数料の負担が大きく、そのため、運用成績や投資効率が引き下げられている感が否めません

2021年の投資環境~その2

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2020年のふり返り

今後を考えると・・・

ただし、今回の株高について、前回と同じような道をたどる保証はない。各国で大規模な景気刺激策が採られていることも考慮しなければならない。日本も同様であるが、各国の景気刺激策の財源は国債によって賄われる。国債の市場に資金が流入しなければ、流通市場での国債の価格は下落し、その結果、金利が上昇する。金利が上昇すると、高配当が魅力の公益株やREITなどの価格は低下する。一方で、銀行や保険といった金融株にとって高金利は追い風になる。

セクターだけでなく、企業の業態も考慮しなければならない。米国では、FANG+という指数がある。その構成銘柄はFacebook、Amazon、Apple、Netflix、Google、Tesla等の10銘柄である。この指数は米ドル建てて2020年に2倍弱になっている。これらの企業は、明らかにコロナウィルス関連で需要が増加した企業である。

2020年に株式(投信)を購入した人は、値段が上がっている人が多いであろう。ただし、同じことが2021年も続く保証はない。株式自体は、各国ともかなり割高な状態になっているが、2021年1月中旬までの市場は安定している。個人投資家として考えるのであれば、直ちに株式を売却する必要は全くないが、市場が下落したときのことを想定して対応策を講じておくとよい。想定される市場の下落時に値を上げるような銘柄や資産に投資しておくこと、価格の下落幅が一定になったら損切をするルールを作っておくことなどが考えられるであろう。

図表3 対策を考えておく

※ この記事は2021年1月に執筆されたものです

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。

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