7月第1週の市況

2020/6/29    月

米国市場では、テキサスやフロリダが再びバーに閉鎖を命じ、中国との関係では、香港、台湾問題に米国が介入すると中国政府が苦情を出し、約束されていた米国債の農産物の購入が不透明になってきたことなどから、市場は2%以上の値下がりになった。Fedが銀行に対して配当を制限し、少なくとも第4四半期までは株式購入を禁じたことから、銀行指数が6.1%も下落。Facebookはユニリバーやベライゾン・コミュニケーションがヘイトに十分対応していないとして広告を中止することになり、株価は8.3%下落。ナイキはパンデミックの影響で店舗閉鎖により四半期の赤字が拡大し7.6%の下落。GAPはYeezy brandとの10年間の提携を公表し18.8%値を上げた。欧州市場では、ECBのラガルド総裁が「(欧州は)おそらく最悪期は脱したが回復はまちまち」と発言。銀行指数が2.2%値を下げ、株式市場全体としても下落

2020/6/30    火

米国市場では、ボーイング社が事故が初めて73’MAXのテスト飛行を行い株価は14%上昇。5月の中高住宅の販売も好調であったことからすべてのセクターで値を上げる。特に、産業株が強い。ギリード・サイエンスは向こう3か月間、すべてのレムデシビルを米国に供給することで合意。欧州市場では方向性のない市場であったが、最後は米国市場にけん引される形で上昇。経済センチメントが改善したことから、銀行の指数が3.2%上昇。ドイツのコメルツバンクは臨時の取締役会で支店の閉鎖と人員削減を打ち出し、株価は5.7%上昇。会計スキャンダルに見舞われていたドイツのWirecardはフランスのWorldline他が買収の意思を見せたことから株価は154.5%上昇

2020/7/1    水

米国では、景気の回復に投資家が自信を持っている状態でNASDAQは10000を超えた。Fedのパウエル議長は景気の見通しはとても不透明とコメント。ボーイングは、90機の航空機がキャンセルとなり株価は5.75%下落。マイクロンテクノロジーは予想以上の四半期の売り上げを計上し株価は4.8%上昇。フィラデルフィア半導体指数も2.7%の上昇。Uberは食品配送のPostmastesを買収を検討していることが明らかになり4.9%株価上昇。欧州市場では、6月の中国の工場活動が堅調であったものの、全体としては銀行やエネルギーを中心に値下がり。英国はGDP成長が1979年以来最悪となり市場全体は0.9%下落。IT関連は米国のマイクロン・テクノロジーにけん引されて、STMicroelectronics、Infinion、ASMなどが1.9~3.6%の上昇

2020/7/2    木

ファイザーとドイツのBioNTechが開発していた新型コロナウィルスワクチンがを良好なテスト結果を出していることがわかり、ファイザーは3%以上、BioNTechの米国上場株は18.9%の値上がり。ワクチン開発に対する明るい見通しが欧米市場を引き上げた。米国ではボーイングが前日に引き続き1.6%の下落となりダウは値を下げたが、SP500とNASDAQは値上がり。ISMは6月に50以上に回復し、ADPレポートでは非農業部門の就労者数は予想以下であったが236万人増加。リウマチ薬を開発していたAmgenは裁判所から2つの特許を認める判決があり8.2%値を上げる。欧州市場でも、MarkitのPMI指数が50付近にまで回復したことから市場は上昇。スイスの化学会社クラリアンはマスターパッチ部門を売却することが判明し7%株価上昇。原油価格の値上がりから、BP、RDSも高い

2020/7/3    金

米国では、労働統計が公表され予想以上の就労者増となったことから市場は上昇。フロリダでは1万人を超える新規感染者が発生。コロナウィルスのワクチン開発では、これまで株価が大きく上昇してきた中小のModernaやInovioが、それぞれ4%、25%と株価を下げ、ファイザー、ジョンソン&ジョンソン、Merckなどの大手製薬関連株が堅調になってきた。第2四半期の新車出荷が予想を超えたTeslaは8%株価を上げ、マイクロソフトも0.8%上昇し、市場の上昇に貢献。欧州市場でも、米国の雇用統計が好影響を与え市場は上昇。個別銘柄では、子会社のプリマークが販売を再開したABFが7.1%値を上げた。会計スキャンダルに見舞われているドイツのWirecardはミュンヘンの本社がドイツとオーストリアの当局によって捜査を受け株価は25%下落
 

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