10月第1週の市況

2023/10/2    月

米国ではFedが基準とするPCEコア指数の上昇が年率ベースで3.9%となり、ここ2年で初めて4%を下回った。市場ではこのデータが公表されると株価が上昇したが、その後、下落。NASDAQは値を上げたが、SP500とダウは値下がり。セクター別では、エネルギーが最も値を下げ、金融も値下がり。Nikeは第1四半期の利益が予想を上回り株価は6.4%上昇。欧州市場では、インフレが、ここ2年で最低の水準となり、ECBの金利引き上げが緩和されるとの期待から、株式市場は上昇。金利感応度の高い不動産部門が2.7%値を上げ、テクノロジーも1.1%の上昇。原油価格が下落したため、石油・ガスセクターは1.3%下落。配当政策を見直し2024年の利益の少なくとも70%を還元すると公表したコメルツバンクは11.1%株価上昇

2023/10/3    火 

米国では、ボウマンFRB理事がさらなる高金利を求めるなど、Fedの高金利政策が予想より長期化するとの見方から公益株(△4.7%)を中心に値下がり。Nvidiaはゴールドマンサックスの高評価により株価は2.9%上昇。エネルギー株は原油価格の下落に伴い下落したが、テクノロジー株は1.3%の上昇。SP500はおおむね横ばいでNASDAQは上昇、ダウは下落。Teslaは第3四半期の業績が予想以下となったが株価は0.6%上昇。ユーロ圏では、製造業の購買マネージャー指数が下落したことに加え、ドイツの10年物イールドが12年来の高水準となり、高イールドが影響して株式市場は下落

2023/10/4    水

米国市場では8月の新規雇用が予想外に上昇し市場ではFedの高金利政策が長期化するとの見方からSP500は6月1日以来の安値になった。セクター別では、公益、一般消費財、テクノロジーなどがけん引して市場は下落。英当局が、Amazonとマイクロソフトが英国のクラウド関連企業の買収に対して反トラスト法に基づく査察を行う予定と報じられ、Amazonとマイクロソフトは下落。欧州市場でも米国のイールドが上昇したことを受けて、金利感応度の高い公益や鉱業などのセクターが下落し、6か月来の安値を付けた。公益株が2.7%下落し、風力発電の Orstedが6.0%下落し、Vestas Wind Systemsも5.5%下落。銀行株も0.9%下落

2023/10/5    木

米国市場では民間会社の労働統計ADPが予想以上に弱かったことを受けて、イールドが下落し、一般消費財、テクノロジー、通信サービスなどが値を上げ、NASDAQは1%以上の値上がりとなった。ダウやSP500も値上がり。フォードは北米における今四半期の売り上げが8%ほど上昇したことを公表したが、株価は横ばい。欧州市場では、欧米のイールド上昇が息をついている中、商品関連株や小売り株が中心になって値下がりし3日連続の値下がりとなった。原油価格が需要に対する不安から1バレルあたり3ドル以上値下がりし、エネルギーセクタは2.1%の値下がり。金属価格の値下がりを受けて鉱業株も0.9%値さがり。英国では政府が若者が煙草を購入することを禁止することを提言し、たばこ関連株は値下がり

2023/10/6    金

米国市場では、金曜日の労働統計の公表を前に大きく下落。サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は最近のイールド上昇に伴いFedは追加利上げは必要ないのではとの見解を示す。イールドはイ低下したが、株式市場は主要3指数ともにわずかに下落。クリーニング関連商品製造のClorox Coは四半期の赤字を予想し株価は5.2%下落。欧州市場では、欧米市場でイールドが下落したこと、原油価格が値を下げ航空関連が値を上げたことから、市場全体はバウンド。石油・ガスセクターは横ばいとなったが、旅行・レジャーセクターは1.5%の上昇。Air France KLMは3.8%、IAGは2.5%の株価上昇。フランスの鉄道製造のAlstomは通年のキャッシュフローがマイナスになることを公表し、株価は37.6%下落

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9月第5週の市況

2023/9/25    月

米国では、Fedの高金利政策が予想以上に長期化しそうとの観測を受けて、株式市場は下落。イールドは16年来の高値水準になっている。一般消費財、テクノロジー、エネルギーなどの下落が大きい。UAWとの交渉の進展が報じられたフォードは1.9%株価上昇。Activision Blizzardは英国の反トラスト当局が同社を買収することに対してマイクロソフトに対した声明を公表したことから、Activision Blizzardの株価は1.7%上昇。中国経済がリバウンドの兆しがあることから関連する、PDD Holdings、JD.com、Baiduなどが2~4%の値上がり。子会社が香港での上場を計画しているAlibabaは5%の株価上昇。欧州市場でも各国の高金利動向を見据えて市場は下落。フランスではサービス指数が低下とドイツではビジネス活動指数が低下。開発中の薬が肺がん進行を抑える実験結果がでたアストラゼネカは2%株価上昇

2023/9/26    火

米国市場では、Fedの金利政策がタカ派的なスタンスなことを踏まえて、イールドは16年来の高水準に上昇。株式市場ではAnthropicに40億ドルを投資することを公表したAmazonが1.7%値を上げたほか、エネルギー株が上昇。日常消費財は下落。欧州市場では、金利が高止まりする中、中国経済の減速が、1か月超で最低の水準まで株価を押し下げた。中国関連と目されるLVMHとKeringはそれぞれ2.6%と4.5%値下がり。金属価格が下落したことから鉱業株も下落。ラガルドECB総裁が高金利はインフレの抑制につながるとコメントし、ドイツではイールドが2011年以来の高水準となった。9月のIfo指数は低下し、ドイツの株価指数DAXは1%の下落となった

2023/9/27    水

国市場では、高金利とそれに伴う経済減速に懸念がある中、ムーディーズが米国の格付けに関して引き下げの可能性を公表し、10年物イールドは数年来の高水準になり、株式市場では公益株を中心に主要3指数は1%以上値下がり。すべてのセクターで値を下げたが、テクノロジーや不動産は1%以上値下がり。米当局が反トラスト法違反でAmazonを提訴したことから、Amazonは4%値下がり

2023/9/28    木

米国市場ではダウは値を下げたが、イールド上昇の後の値下がりを狙った買い入れのためSP500とNASDAQはわずかに上昇。また、市場は週末の連邦政府の一部閉鎖の危機にも注目している。金利感応度の高い公益株は1.9%となったが、ブレンド原油が97ドルを付けたためエネルギー株は2.5%の上昇。四半期の利益が予想を超えたコストコは株価が1.9%上昇。欧州市場では、英国の複数の不動産株が格下げになり、欧州の不動産指数は2%下落。市場全体でも5日連続の下落となった。不動産株のLand Securities、British Land、Derwent Londonが3-4%値を下げた。オランダンの保険会社は投資関連商品で大きな金額の訴訟を受けているNNグループは18.8%やASRは14.2%値を下げた

2023/9/29    金

米国市場ではイールドが高止まりする中、第2四半期のGDPは2.1%成長と改訂はなかったが堅調に成長していることが確認された。株式市場は主要3指数ともに値上がり。通信サービスや素材といったセクターが値上がりするが、金利感応度の高い公益は2.2%の下落。Micron Technologyは予想以上の損失を予想し株価は4.4%下落。欧州市場では5日の下落の後、値を上げた。スウェーデンのBillerud ABがブローカーから格上げされたことで5%値を上げ、基礎資源セクターが上昇し、原油価格の上昇からエネルギー株も上昇。ドイツのインフレが予想以下であったこともプラスの要因。ドイツのティッセンクルップは製鉄部門を半分を売却すると報じられ、株価は6.5%上昇

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