12月第2週の市況

2025/12/8    月 

米国市場では株価上昇。9月の消費支出は0.3%の上昇と予想水準であり、また、個人消費支出(PCE)の上昇も予想通りであった。市場では12月の利下げはほぼ確実とみている。TV部門をNetflixが買収することになったWarner Bros Discoveryは6.3%株価上昇。Netflix株も2.9%上昇。欧州市場はほぼ横ばいであった。ドイツではメルツ政権が年金法案承認を受けたことでドイツの株価指数DAXは0.6%の上昇。米国で、トランプ政権がバイデン政権が導入した燃料基準を撤廃すると決めたことから、欧州の自動車・部品部門は値上がり。スイス再保険は2026年の目標を公表したが予想以下の水準で株価は6.5%下落した

2025/12/9    火

米国市場ではFOMCの開催を前に慎重な市場となり主要株価指数は値を下げた。イールドは上昇。Paramount Skydance’sは Warner Bros Discoveryの敵対的買収に名乗り出て、Paramount Skydance’s は7%、Warner Bros Discoveryは3%株価上昇。一方、Netflixは4%以上株価が下落した。Broadcomは、マイクロソフトが同社向けの半導体を生産することを検討しており、Broadcom株は2%上昇。欧州市場ではECBが利上げに転じるとの観測があり、イールドが上昇。株式市場では不動産関連が値を下げ、市場全体も幾分値下がり。Magnum Ice Creamはユニリバーから分社化してアムステルダムに上場したが株価は予想以下であった。ユニリバー株は2%値下がり。L’Orealはスイスの化粧品会社Galdermaの持ち分を2倍に引き上げることを公表し、Galderma株は1%値を上げたが、L’Oreal株は2%値下がり。ドイツの防衛関連Rheinmetallが3.6%株価上昇

2025/12/10    水 

米国市場では注目されるFOMCの政策会合が開始され、市場はそれを注視する形で、SP500とダウは幾分値を下げた。トランプ政権はNvidiaに中国への半導体の輸出を認めたが、米国内では中国強硬派は民主党がこの決定に反対。Nvidia株も値を上げることにはならなかった。欧州市場では全体としてみれば横ばいであったが、ドイツの株価指数DAXは上昇し、フランスの株価指数CAC40は値を下げた。GoogleがAIメガネの開発を宣言したことから、Ray-BanメーカーのEssilorLuxotticaの株価は5.6%値下がり。高級品ブランドのKeringやLVMHはそれぞれ2%と1.4%株価値下がり。また、ドイツ政府が520億ユーロの調達契約を承認する見通しになり、Rheinmetall、RENK、Hensoldtといった防衛関連株は3.6%ないし5.9%株価上昇

2025/12/11    木

米国ではFedが金利を0.25%引き下げ、ダウとSP500は値を上げたが、NASDAQはほぼ横ばい。セクター別では、産業が上昇したが、テクノロジーとコミュニケーションサービスが値を下げた。エネルギー関連機器製造のGE Vernovaは2026年、AI関連で需要が伸びると予想し、株価は15%以上上昇。欧州市場ではFedの政策決定前で株式市場はほぼ横ばい。自動車のFerrariはブローカーの評価が下がり、株価が4.8%下落。フランスのインフラ会社Vinciもブローカーの評価引き下げにより株価は3.1%軟化。本社をオランダから米国に移すことを公表した保険会社のAegonは10%以上の株価下落

2025/12/12    金

米国市場ではOracleの影響でNASDAQは値を下げたが、ダウとSP500は値上がり、ダウはFedの利下げの影響で史上最高値を更新。Oracleは四半期利益が予想を下回り、また、年間のコストが150億ドル増加する見通しとなり、株価は11%下落。また、市場終了後に決算発表があるNvidiaとBroadcomはともに2%前後値下がり。欧州市場では米国の金利引き下げの動きを歓迎した、一方で、スイス国立銀行はゼロ金利政策を維持。米国のOracleの株安の余波はあったものの、欧州市場全体では値上がり。BNPパリバ、UniCredit、INGといった銀行の有形自己資本利益率が2027年にいずれも16%こえると予想され、銀行株は全体で1.7%の値上がり。BlackRockが保有資産の売却をしたスペインの公益企業のNaturgyは6.4%株価下落

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12月第1週の市況

2025/12/1    月

米国市場では年末商戦の時期を前に、取引量は少なかったが株式指数は上昇し、イールドも金も上昇した。Apple向けに半導体の出荷を開始すると報じられたインテルは10.2%の株価上昇。CME Groupはデータセンターでの停電のおかげで取り扱う先物商品等の取引が一時停止になったが、株価に大きく影響を与えることはなかった。欧州市場でも米国の金利引き下げへの期待感が維持され市場は値を上げた。特に、銀行指数は英国の増税に関連して値を上げ、1週間で4.5%の上昇となった。また、銅価格が史上最高値を更新したことから基礎資源関連が上昇

2025/12/2    火 

米国では、11月のISM製造業指数が7か月連続で低下し、イールドが上昇。株式市場では主要3指数ともに値を下げた。債券の代替としての機能を持つ不動産や公益の株式は値を下げた。暗号資産が値を下げ関連する銘柄もCoinbaseは5.1%値を下げるなど影響を受けた。AI半導体ソフトのSynopsysはNvidiaが20億ドルの投資を行うことを表明し、株価は4.9%値を上げた。欧州市場では、A320に品質的な問題が存在することを公表したエアバスが5.7%株価下落の影響もあり市場は値下がり。フライトコンピューターのThalesも2.2%株安に。ウクライナでの戦争終結に向けた動きが進む中、防衛関連は3.2%株価下落

2025/12/3    水

米国市場では主要3指数ともに上昇。ボーイング社は来年の737と787の出荷予定が予想を上回る見通しとなり株価は9%以上上昇。またテクノロジー株も堅調で、Apple、Nvidia、マイクロソフトなどは1%以上値を上げ、インテルは約8%株価上昇。Fedの利下げの期待は1か月前よりかなり上がっている。Warner Bros DiscoveryはNetflixを含む企業からの2回目の買収提案を受け、同株は2.8%値上がり。また、暗号資産関連も前日に引き続き値を上げた。欧州市場では方向性のない市場となり、ほぼ横ばい。トランプ政権が、Bayerが対象となっている除草剤による訴訟は最高裁判所が担当するべきと主張し、Bayer株は12%以上値上がり。Banco Santanderは子会社株の一部を売却し株価は1.1%上昇

2025/12/4    木

米国ではISMサービス指数は前月とほぼ変わらない水準であったが、支払金額は前月から顕著に下落した。また、ADPレポートでは11月の民間部門の雇用は予想外に下落。統計データが弱かったことから利下げへの期待感は維持され、株式指数はいずれも値を上げた。マイクとソフトはAI関連のソフトウェアの販売が低調で株価は3%下落。Marvell Technologyは半導体のスタートアップ企業であるCelestial AIを32.5億ドルで購入することを公表し、株価は7.3%上昇。欧州市場では金融株が下落したが、テクノロジー株が上昇し、市場全体としては横ばいの市場となった。Zaraのブランドを持つInditexはブラックフライデーの売り上げが好調で株価が8.9%値上がり。11月の欧州全体の景況感指数では製造関連が後退したが、サービス関連の伸びが相殺した形で、景況感指数は上昇した。テクノロジー関連のほか、ウクライナの和平交渉が十分なところに達していないとして防衛関連も上昇

2025/12/5    金

米国市場では、ダウは値を下げ、SP500とNASDAQはわずかに値を上げた。商務省は工場受注高を公表したが、予想より低い伸びにとどまった。Salesforceは2026年の売上・利益の予想を公表し株価は3.7%上昇。AmazonはUPSと来年の契約について検討しており、場合によっては契約を解除する事を公表。Amazon株は1.4%値下がり。欧州市場では、産業株や自動車株に牽引されて市場は上昇。自動車関連では、ポルシェとメルセデスベンツが、それぞれ、5.7%と4.4%値を上げた。 Schneider ElectricとSiemens Energyは、ブローカーの評価が引き上げれ、それぞれ、3.2%と2.5%値上がり。そのほか、SAPやCapgeminiといったテクノロジー関連も上昇

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