12月第3週の市況

2025/12/15    月

米国では、利下げの後にイールドが上昇し、また、OracleとBroadcomの株安がAI関連バブルへの懸念を引き起こし、主要3指数はいずれも値を下げ、特に、SP500とNASDAQは1%以上の値下がりとなった。Broadcomは将来の利益率の低下を予想し株価が11.4%値を下げたほか、Oracleは前日に引き続き4.5%の株安になった。AI関連企業の収益力に疑問符が付く形になっている。フィラデルフィア半導体指数は5.1%の下落になった。アパレルメーカーのLululemon Athleticaは年間の利益予想を上方修正し、株価は9.6%上昇。欧州市場では堅調に推移したが、米国市場が開場すると、AI関連株の値下がりの影響を受け、最終的には市場は値を下げた。AI関連では ASML、Schneider Electricがそれぞれ5%、4.2%値を下げた。リスク回避的な動きから銅価格が値を下げ、基礎資源関連も値下がり

2025/12/16    火

米国では遅延していた連邦政府統計の公表が今週末に集中するが、株式市場は方向性のない市場となり、主要3指数はいずれも値を下げた。マスクCEOがロボタクシーをテストしていると公表したTeslaは3.7%株価上昇。スタートアップ企業のArmisを買収する話が進んでいるサイバーセキュリティのServiceNowは12%ほど値下がり。ルンバを製造しているIRobot破産保護を申請し、株価が約7割下落。欧州では中央銀行の政策会合が始まり銀行、保険、旅行関連がけん引する形で株式市場は値を上げた。特にスペイン市場は史上最高値を更新した。ウクライナのゼレンスキー大統領はベルリンで米国のトランプ大統領の特使と会談を続けているが、米国はウクライナにドネツク地方の東部から軍を撤退させることを主張している。防衛関連ではRheinmetallが2.6%、Hensoldtが1.2%それぞれ値を下げた。ウクライナの鉱業関連Ferrexpoは7.1%株価上昇

2025/12/17    水

米国では10月の労働統計が公表され、雇用者数は増加したものの失業率も上昇。株式市場では、Pfizerが2026年の予想を公表したがCOVID19関連の販売が低迷する予想となり株価は5.1%下落。そのため市場ではヘルスケアを中心に軟化し、主要3指数ともに値下がり。CEOの辞任と新規CEOの指名を公表した保険会社のHumanaは5.7%の値下がり。欧州市場ではウクライナの和平交渉に進展が見られたため防衛関連株が値下がりし、市場全体も値を下げた。独仏のPMI指数はドイツでは2か月連続で上昇し、フランスではほぼ横ばい。原油価格の値下がりに比例してエネルギー関連株が値を下げたが、easyJetとLufthansaはそれぞれ3.2%と1.3%の株高。また、UBSについてはブローカーが評価を引き上げたために3.8%の株価上昇。英国のオンライン取引プラットフォームの IG Groupは収益の伸びが2026の予想の中間値程度であることを公表し8.5%株価上昇

2025/12/18    木

米国市場では主要3指数ともに値を下げたが、AI関連がその中心であったためにNASDAQが最も大きく値を下げた。Oracleはデータセンターの建設でパートナーのBlue Owl抜きでミシガン州のデータセンターの構築を行うことを公表し、Oracle株は約5%下落。100億ドルのOpen AIへの出資を検討中のAmazonは0.3%株価上昇。NvidiaとBroadcomは、それぞれ3.4%、5.5%株価を下げた。欧州市場ではテクノロジー関連が値を下げたが、エネルギーや銀行部門がその補填をして市場全体でみればほぼ横ばい。英国では消費者物価指数が予想外に急落し、イングランド銀行が利下げを行う可能性が高まったとして、株価指数FTSEは値を上げた。独仏の市場では株価指数は下落。英国の銀行HSBCはブローカーの評価引き上げで株価は2.7%上昇。銀価格が史上最高値を更新し、金価格も上昇したため、鉱業株が値を上げた

2025/12/19    金 

米国では、11月の消費者物価指数が遅れて公開され、予想以下の数値となったことから、さらなる利下げへの期待感が高まり、株式市場は値を上げた。特に、前日値を下げていたNASDAQが上昇。Micron TechnologyはAI関連の半導体不足により利益が上昇すると予想を発表し株価は約16%上昇。Lululemonはアクティベストが10億ドル投資したことが判明し、株価は4.8%上昇。スターバックスも5.1%株高に。欧州市場でも、米国のインフレ統計を受け、また、ECBが金利を維持したが域内の経済により明るい見通しを持っていることが公表され、株式市場は値を上げた。個別企業ではH&Mが3.6%値を上げたほか、Netsleも0.7%値上がり。英国ではイングランド銀行が利下げをしたが、今後は利下げの速度は低下すると示唆し、英国の株式市場は軟化した

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12月第2週の市況

2025/12/8    月 

米国市場では株価上昇。9月の消費支出は0.3%の上昇と予想水準であり、また、個人消費支出(PCE)の上昇も予想通りであった。市場では12月の利下げはほぼ確実とみている。TV部門をNetflixが買収することになったWarner Bros Discoveryは6.3%株価上昇。Netflix株も2.9%上昇。欧州市場はほぼ横ばいであった。ドイツではメルツ政権が年金法案承認を受けたことでドイツの株価指数DAXは0.6%の上昇。米国で、トランプ政権がバイデン政権が導入した燃料基準を撤廃すると決めたことから、欧州の自動車・部品部門は値上がり。スイス再保険は2026年の目標を公表したが予想以下の水準で株価は6.5%下落した

2025/12/9    火

米国市場ではFOMCの開催を前に慎重な市場となり主要株価指数は値を下げた。イールドは上昇。Paramount Skydance’sは Warner Bros Discoveryの敵対的買収に名乗り出て、Paramount Skydance’s は7%、Warner Bros Discoveryは3%株価上昇。一方、Netflixは4%以上株価が下落した。Broadcomは、マイクロソフトが同社向けの半導体を生産することを検討しており、Broadcom株は2%上昇。欧州市場ではECBが利上げに転じるとの観測があり、イールドが上昇。株式市場では不動産関連が値を下げ、市場全体も幾分値下がり。Magnum Ice Creamはユニリバーから分社化してアムステルダムに上場したが株価は予想以下であった。ユニリバー株は2%値下がり。L’Orealはスイスの化粧品会社Galdermaの持ち分を2倍に引き上げることを公表し、Galderma株は1%値を上げたが、L’Oreal株は2%値下がり。ドイツの防衛関連Rheinmetallが3.6%株価上昇

2025/12/10    水 

米国市場では注目されるFOMCの政策会合が開始され、市場はそれを注視する形で、SP500とダウは幾分値を下げた。トランプ政権はNvidiaに中国への半導体の輸出を認めたが、米国内では中国強硬派は民主党がこの決定に反対。Nvidia株も値を上げることにはならなかった。欧州市場では全体としてみれば横ばいであったが、ドイツの株価指数DAXは上昇し、フランスの株価指数CAC40は値を下げた。GoogleがAIメガネの開発を宣言したことから、Ray-BanメーカーのEssilorLuxotticaの株価は5.6%値下がり。高級品ブランドのKeringやLVMHはそれぞれ2%と1.4%株価値下がり。また、ドイツ政府が520億ユーロの調達契約を承認する見通しになり、Rheinmetall、RENK、Hensoldtといった防衛関連株は3.6%ないし5.9%株価上昇

2025/12/11    木

米国ではFedが金利を0.25%引き下げ、ダウとSP500は値を上げたが、NASDAQはほぼ横ばい。セクター別では、産業が上昇したが、テクノロジーとコミュニケーションサービスが値を下げた。エネルギー関連機器製造のGE Vernovaは2026年、AI関連で需要が伸びると予想し、株価は15%以上上昇。欧州市場ではFedの政策決定前で株式市場はほぼ横ばい。自動車のFerrariはブローカーの評価が下がり、株価が4.8%下落。フランスのインフラ会社Vinciもブローカーの評価引き下げにより株価は3.1%軟化。本社をオランダから米国に移すことを公表した保険会社のAegonは10%以上の株価下落

2025/12/12    金

米国市場ではOracleの影響でNASDAQは値を下げたが、ダウとSP500は値上がり、ダウはFedの利下げの影響で史上最高値を更新。Oracleは四半期利益が予想を下回り、また、年間のコストが150億ドル増加する見通しとなり、株価は11%下落。また、市場終了後に決算発表があるNvidiaとBroadcomはともに2%前後値下がり。欧州市場では米国の金利引き下げの動きを歓迎した、一方で、スイス国立銀行はゼロ金利政策を維持。米国のOracleの株安の余波はあったものの、欧州市場全体では値上がり。BNPパリバ、UniCredit、INGといった銀行の有形自己資本利益率が2027年にいずれも16%こえると予想され、銀行株は全体で1.7%の値上がり。BlackRockが保有資産の売却をしたスペインの公益企業のNaturgyは6.4%株価下落

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