保険ポートフォリオ

資産運用の話をするときに、「ポートフォリオ」という言葉をよく使うことがある。本来の意味は、紙をはさんで綴じておくための紙ばさみであるが、資産運用で使う場合には、種類の異なる保有資産の配分割合という意味でつかわれる。

そして、保険にも「ポートフォリオ」は適用されると思う。保険ポートフォリオは、複数の目的の異なる保険をどのような割合で保有しているのかという意味になるであろう。

保険を販売するときには、どのような保険ポートフォリオが求められるべきかを考えたほうがよい。ポートフォリオの軸は2つである。一つは世帯主か準世帯主かということである。一昔前であれば、世帯主か専業主婦かという軸であったと思う。1990年から2000年ごろにかけて専業主婦世帯と共働き世帯はおおむね同数であった。しかし、2021年では、専業主婦世帯の割合は3割程度にまで減少している。だから、考え方としては世帯主と準世帯主という考えでよいと思う。もちろん、世帯主は男性であっても、女性であっても構わない。

もう一つの軸は、保障の内容である。最初に考えたいのは死亡保障であるが、死亡保障は2つに細分化される。一つは、遺族のための保障である。遺族のための保障ということは、保障期間は、長くてもリタイアするまでである。定期性の死亡保障ということになる。もう一つは終身保障である。ただし、終身保障は昔と少し意味が異なっている。昔の終身保障は、保障もあって、貯蓄の代わりにもなるというものであった。現在の死亡保障のニーズは、死後の整理のためのコストを用意するというものである。

(続く)

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものを、出版社の許可を得て転載したものです。保険関係者に好評の生命保険統計号もこちらからご購入いただけます。

イ ンシュアランス掲載記事

5月第1週の市況

2022/5/2    月

米国市場では、Amazonが悪い四半期決算を公表し、株価はここ2年来の最安値となる水準にまで14%下落した。アップルも史上最高の売り上げと収益を計上したが、見通しがよくないことから株価が3.7%下落。セクター別では一般消費財や不動産が大きく下落。また、Fedが政策立案の基礎としているPCE(個人消費支出)が、3月は0.9%上昇した。エクソンモービルはロシアからの撤退に関して34億ドルの資産償却を行ったことから株価は2.2%下落。シェブロンは四半期決算が芳しくなかったことから株価は3.2%下落

2022/5/3    火

米国市場では上がったり下がったりした市場になったが、最終的には主要3指数はいずれも上昇。Fedの政策会合を前に10年物イールドは2008年以降初めて3%を超える。マイクロソフト、Meta、Alphabetなどがリバウンドした。Activision Blizzardは、バクスシャーハザウェイが大株主であることを公表し、株価が9.5%上昇。市場の不安定な動向を反映してMoodysは通年音収益予想を下方修正し株価は5%ほど下落。中国でのロックダウンがサプライチェーンに影響を及ぼしたためISM製造業指数は下落した

2022/5/4    水

米国市場では、主要3指数がすべて上昇。エネルギー関連は、原油価格が下落したが、中国でのロックダウンが原油需要につながると考えられ、エネルギーセクターは上昇。BPは四半期決算で売上・収益ともに予想を上回り株価が8%上昇。イールドの上昇から恩恵を受けると考えられる銀行株が堅調で、JPモルガン、バンクオブアメリカ、シティグループが軒並み2%以上の株価上昇。ファイザーはCOVID-19関連の抗ウイルス剤の販売が芳しくなかったが、売り上げ利益ともに予想を超えるものとなり株価は1%以上上昇

2022/5/5    木

米国市場では、Fedが利上げを決定し、その影響で10年物イールドは3.1%と2018年以来の高水準に上昇。パウエルFRB議長は、0.75%の追加の利下げは否定したが、0.5%のさらなる利下げを示唆。テクノロジー株が余波を受けて大きく下落。Alphabet、アップル、マイクロソフト、Meta、Tesla、Amazonなどが4.3%から8.3%の下落。Twitterはマスク氏が一時的にCEOに就任すると報じられ、株価が2%下落。Etsyは第1四半期の利益は予想を超えたが第2四半期に向けて見通しが芳しくなく株価は16%の下落。eBayも通年の収益見通しを下方修正し株価が11%下落した。OPEC等が6月に向けて原油生産の増産を検討していることから原油価格が下落し、エネルギー関連株は軟化

2022/5/6    金

米国ではFedが水曜日に金利を引き上げたが、パウエルFRB議長が0.75%の追加利上げを示唆するなど、インフレを鎮静化するにはさらなる利上げが必要とみなされており、株式市場では株価は大きく下落。特に、NASDAQは2020年6月以来の大きな下落となった。Alphabet、アップル、マイクロソフト、Meta、Amazon、Teslaなどが4.3%~8.3%の株安になった。TeslaCEOのイーロン・マスク氏は、オラクルの共同創業者のラリー・エリソン氏とSequoia CapitalがTwitterの買収提案に参加することを公表し、Twitterの株価は2.6%上昇。EtsyとEBayはともに第2四半期の決算が予想以下となり、それぞれ、株価は16.8%、11.7%の下落となった

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