11月第2週の市況

2019/11/4    月

米国の労働統計が公表され予想以上に減速しなかったこと、中国の製造業の活動指数が10月予想外に上昇したこと、中国の新華社が米中協議が原則的な合意に達したことを報じたことがプラス要因となり、欧米市場は上昇。米国では主要3指数がいずれも上昇しSP500はここ5日で3回目の史上最高値の更新。エクソンモービルは業績が予想を上回り3%の上昇。アップルのサプライヤーQorvo Incは自己株式の買い取り計画を公表し20%以上の値上がり。欧州市場では、デンマーク市場に顕著な動きがあり、運輸サービスのDSV Panalpinaが好業績で7.4%値を上げ、新薬の販売が好調で2019年の売り上げの上方修正をしたNovo Nordiskが3.6%の株価上昇となったが、同国最大手の銀行Danske Bankはマネーロンダリングからの信頼回復の遅れから年間利益予想を下方修正し4%値下がり

2019/11/5    火

米国のロス商務長官がHuaweiに対する米国企業の部品供給が間もなく再開されるとコメントし、欧米市場はこれを歓迎。米国市場ではIT関連が上昇し、フィラデルフィア半導体指数は史上最高を更新し、主要株式指数も史上最高値を更新した。原油価格が上昇したためエネルギー関連も上昇。個別企業では、マクドナルドのCEOが社員と不適切な関係になったことにより辞任し同株は2.7%値下がり、アンダーアーマーは通年の利益予想を下方修正し18.9%値を下げた。欧州市場でも米中の交渉の進展は好感され、株式市場は2年来の高値となった。ライアンエアーが好業績で8.2%値を上げたほか、フィアット・クライスラーとPSAの合併が来月初旬にも合意に達するとの見通しから自動車株も上昇

2019/11/6    水

米国市場では、原油価格が上昇したエネルギー関連が上昇し、イールドが上昇したことにより金融関連も上昇。不動産関連は金利上昇の影響を受けて軟化。10月のISMサービス指数が公表されたが、指数は上昇し、かつ、予想を上回るものであった。個別銘柄ではPhotoshopの販売の好調なAdobeが4.3%値を上げ、前期より四半期の損失が拡大したUber Technologiesが9.6%の値下がり。欧州市場では、米中交渉で中国がうまくやっているとの楽観が拡大し、市場は4年来の高値。エネルギー関連や商品関連が値を上げた

2019/11/7    木

米中の合意のための会談が12月にずれ込むことになり市場にマイナスの影響を与えたが、米国市場ではヘルスケア関連が上昇して市場は全体として横ばい。医療保険のHumanaは好業績で3.9%値上がり、医療保険のAetnaを保有するCVS Healthは業績が好調で4.9%値を上げた。欧州市場では自動車と鉱業関連が値を下げたが、消費関連銘柄が上昇して市場は横ばい。ドイツのスーパーマーケットAhold Delhaizeは好決算で5%株価を上げる

2019/11/8    金

米中協議で段階的な関税の撤廃に合意。欧米市場にプラスの影響を与える。米国ではフィラデルフィア半導体指数が0.7%上昇し、Qualcommは好決算で株価が6.3%上昇。ラルフローレンも中国と欧州での販売が好調で好決算。株価は14.7%上昇。欧州市場も5日連続の上昇となり、独のDAXは0.8%上昇し2018年2月以来の高値水準に。シーメンスやルフトハンザが好決算を公表し株価を上げ、イタリアの銀行Uni Creditは10年来で初めてとなる自社株購入プランを公表し株価は6%上昇


 

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11月第1週の市況

2019/10/28    月

米国市場では、米中協議の第一段階が成功に終わり市場に好影響を与えた。インテルは好調な業績を公表し8.1%値を上げた。SP500は史上最高値の水準にまで上昇。Amazonは、年末の商戦シーズンの予想を公表したが予想以下で1%の下落。マイクロソフトは国防総省の100億ドルに上るクラウド契約を勝ち取った。株価は0.56%の上昇。欧州市場ではBrexitへの不透明感から市場は軟調になり、世界最大のビールメーカーInBeVは芳しくない利益予想を公表し9%の値下がり。高級品ブランド関係は堅調で、グッチの親会社KeringやイタリアのジャケットメーカーMonderが値を上げた

2019/10/29    火

米国市場では市場が上昇しSP500は史上最高値を更新。ダウ、NASDAQも上昇。国防総省のクラウド契約を勝ち取ったマイクロソフトは2.5%の上昇。トランプ大統領は、米中協議の重要な部分が合意に達するだろうとの見通しを示す。中国との関連が高い半導体関連は値を伸ばす。ティファニーはLVMHからの買収提案を受け、株価は3割以上上昇。市場では火曜日から2日間の日程で政策会合を開催するFedへの金利引き下げ期待感が先行

2019/10/30    水

Fedの金利引き下げへの期待感はそのまま残っているが、米中貿易協議の一部締結が遅れる可能性が出てきたことがマイナス要因。米ドルが軟化して、ユーロと円が上昇。米国の株式市場では、アルファベットやアップル、マイクロソフトなどのテクノロジー関連が軟化。一方、Merkやファイザーといったヘルスケア関連が値を伸ばした。SP500は史上最高値を何とか更新したが、NASDAQは値下がり。欧州市場では、Refinitivの最新予想が域内の景気の低迷を示しており、株価は下落。個別銘柄ではフィンランドの新聞Stora Enso’sが5.1%値を下げ、フランスの通信会社Orangeも2.6%値下がり。さらに、BPも四半期利益が下落したことを公表し、石油・ガス関連も軟化

2019/10/31    木

Fedが利下げを行ったことから米国市場は上昇。米国債は上昇し、米ドルは軟化。GDP成長は年率1.9%になり、予想以下の減速となった。中国が米中協議の部分合意のサインを予定していたAPECを欠席することになった。個別銘柄ではジョンソン&ジョンソンがベビーパウダーの問題でFDAの検査で問題なかったことを公表し株価上昇。Yum! BrandsやMolson Coorsは業績悪化のために株価下落。欧州市場ではロレアルが予想を超える売り上げとなり株価を上げ市場全体も何とか上昇したが、サンタンデール、ドイッチェバンクなどが大きく値を下げた

2019/11/1    金

市場では大きな動きはなかったが、米中協議の先行きに暗雲がかかり欧米市場は軟化。米国では9月の消費支出が微増になり経済をけん引できるか不安視された。アップルは年末商戦の売り上げ見通しが市場予想を上回り2.3%上昇、Facebookも3期連続の増収となり1.8%株価上昇。欧州市場では、自動車と鉱業関連がマイナス要因。合併が公表されたフィアット・クライスラーは8.2%株価が上昇したが、相手方のPSAは13%株価下落。エアフランス・KLMも旅行需要減少により1%値を下げた

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