(この前)
ジェロントロジー(老年学)は、特に、テキストに含めたかった領域であった。なぜか。それは、日本の社会は私たちが思っている以上に高齢化しているからである。お金に関する領域は、特に、金融ジェロントロジーといわれている。認知機能が低下して、銀行預金からお金を引き出せないということを聞いたことがあるだろう。それなら、成年後見人をつければよいというのは安直な考え方。
お金の前に、健康が求められる。健康を維持しながら、生活の質(QOL)をできるだけ長く維持するというのが、ジェロントロジーの目指すところであると思う。2035年には、日本の資産の4割は70歳以上が保有するという報告もある。資産運用を考えることは、シニアの問題を考えることでもあるのだが、私たちはそのことに気づいていない。ジェロントロジーの視点がなければ資産運用の話はできないのである。
(続く)