イールドカーブというのは、横軸に債券の満期までの期間、縦軸に債券のイールド(利回り)をとって作成したグラフです。
債券、特に需要の大きい国債の価格は”利回り(イールド)”でほぼ決まるといっても過言ではありません。イールドが上がると債券価格は下がる。イールドが下がると債券価格は上がるºのです。
最近、米国のイールドカーブが大きく変化しています。イールドカーブが水平化しているのです。理由は、米国の中央銀行であるFRBが2018年に金利を引き上げると宣言しているからです。金利の引き上げを見込んで、イールドカーブのうち期間の短い部分が、敏感に反応(イールドが上昇)しているのです。
イールドカーブの変動は、債券市場だけに影響を及ぼすものではありません。
1.米国に資金が戻る
米国の金利が上昇すると世界の資金が米国市場に集中します。その結果、米ドルが高くなり、米国以外の地域の資金が枯渇することになります。新興国などには大きな影響を与える可能性があります
2018年4月末 | 日本 | 米国 |
10年 | 0.06% | 2.96% |
2.株式に影響を及ぼす
金利が上昇すると、一般的に、銀行など金融関連株の株価は上昇します。なぜなら、貸し出す金利の引き上げにつながるからです。一方、通信関連や不動産関連の株式にはマイナスの影響を及ぼします。なぜなら、これらの株式は配当が高く、国債の代わりに投資されることが多いからです。債券自身の金利が上がれば、代替物の魅力度が低下するというわけです。