4月第2週の市況

2022/4/4    月

米国では労働統計が公表され3月の新規就労人口の増加は予想に届かなかったものの失業率は3.6%と2年ぶりの低水準となった。ディフェンシブなセクターである公益、不動産、一般消費財などが1%以上上昇。ISM製造業指数は3月に、新規受注の減少などにより予想外に鈍化。景気後退の指標となる、イールドカーブの長短の逆転が今週3回見られた。アップルとQualcommはJPモルガンがフォーカスリストから除外され、アップルは0.2%、Qualcommは3.8%値を下げる。欧州市場では商品関連株と銀行がけん引して市場は上昇。ユーロ圏のインフレは3月に7.5%上昇し史上最高を記録。テクノロジー株はインフレの懸念から値を下げる

2022/4/5    火

米国市場では、全体としては値上がりした。金融、公益、ヘルスケアなどの分野で株価は下落したが、アップル、Amazon、マイクロソフトなどグロース株を中心に値を上げた。TeslaのCEOのマスク氏が筆頭株主になったことが明らかになったTwitterは株価が27.1%上昇。Teslaは中国での製造ラインが止まったが四半期の出荷台数は史上最高となり株価が5.6%上昇。スターバックスは前CEOのシュルツ氏が自社株買いのプログラムを中止するとアナウンスし株価は3.7%の下落。欧州市場でもテクノロジー株が2.0%以上値を上げ、株価は上昇。EasyJetは従業員がコロナに罹患したことにより数百のフライトをキャンセルし株価はわずかに下落。Wizz Airやルフトハンザなどの旅行関連株も下落

2022/4/6    水

米国市場は、Fedブレナード理事がインフレに対応してよりアグレッシブに金利を引き上げる用意があるとコメントし、10年物のイールドは2019年5月以来の高水準に達し、テクノロジー株を中心に下落。NASDAQは2.3%の値下がり。テクノロジーのほか耐久消費財も値下がり。ISMサービス指数はパンデミックの規制が緩和され上昇したが、コスト高が影響を及ぼした。Teslaのマスク氏が取締役の要請を受けたと報じられたTwitterは2%株価上昇。欧州市場では株式は上昇したが、フランスでは大統領選挙の接戦が伝えられ株式市場は下落。市場では公益株が堅調であった

2022/4/7    木

米国市場は2日連続で下落となった。10年物のイールドは2019年5月以来初めて2.6%の水準になった。Fedの前回の議事録が公開され多くの委員は3月の時点で50ベーシスポイントの利上げを主張していたことが判明。テクノロジー株と一般消費財が大きく下落し、一方、公益、ヘルスケア、不動産などのセクターは値上がり。JetBlue AirwaysはSprint Airlinesからの36億ドルでの非友好的な買収提案に対し抵抗し株価は8.7%下落した。欧州市場では、米国の利上げ見通しとロシアへの制裁がさらなるインフレを招くとの懸念から株価は大きく下落。デンマークの再生エネルギーのVestasはロシアからの撤退を表明し株価は3.2%下落。同業のシーメンスガメサはタービン部品が海に転落し、株価が6.2%下落

2022/4/8    金

米国市場ではTeslaやPfizerといった銘柄が上昇し市場全体も上昇。Pfizerは非上場のReViralを5.25億ドルで買収することを公表し、Pfizer株は4.3%の上昇。ヘルスケアはセクターとしても最も上昇。HPは、ウォーレン・バフェットが率いるバクスシャーハザウェイが1.21億株を保有していることが判明し、HP株は14.8%の値上がり。Costoco Wholesaleは3月の販売を公表し、株価は約4%上昇。バークレイズが原油価格の上昇から第1四半期の収益に疑問を呈した航空業界は、アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空などが1.6%ないし3.1%の下落。欧州市場では、株式市場は下落。ヘルスケアは1.4%上昇したが、石油関連とテクノロジー関連が値下がり。シェルはロシアからの撤退に関して50憶ポンドの資産の償却を行い株価が2.1%下落。フランスでは4月10日の大統領選を前にさらに株式市場が軟化  

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4月第1週の市況

2022/3/28    月

米国市場では株価の動きはまちまちで最終的にSP500とダウは幾分上昇。一方、10年物イールドが2.5%に達したためテクノロジー株に負の影響を与えることになったNASDAQは幾分値を下げた。バイデン大統領はNATOでの会合に参加し、新たな対ロシア制裁を公表し、ウクライナに対する軍事支援を強化することを決めた。また、G20にロシアを招待しないように発言した。公益セクターが1.5%、エネルギーセクターは2.3%それぞれ上昇。欧州市場でも方向性のない市場になった。市場は全体としてはわずかに上昇。ウクライナ侵攻に対する懸念はあるものの、商品関連銘柄が上昇しプラス要因となった。ドイツの景況感指数Ifoは、高い原油価格に起因するサプライチェーンの問題から3月の指数が下落。M&A問題が顕在化しているテレコムイタリアは株価が1.8%上昇

2022/3/29    火

米国市場では、エネルギーや銀行株が軟化したが、1株の分割を公表したTeslaが8%以上の値上がりとなり、市場全体も上昇した。上海でのロックダウンが原油価格の下落を招きエネルギー指数は2.56%の下落。銀行株は、Fedの利上げを含めた価格付けがなされており、リスクも上昇しているとして、モルガン・スタンレーが格下げしたため値下がり。HPがオーディオ・ビデオ製造のPolyを17億ドルで買収すると公表し、Polyは50%以上値を上げ、HPは2.7%値下がり。欧州市場では自動車、公益、建築などのセクターがけん引して上昇。ドイツの化学会社BASFはHSBCが“買い推奨”にしたため1.6%の値上がり。英国の銀行バークレイズはストラクチャード商品の失敗で4.5憶ポンドの損失を公表し株価は4.1%の下落

2022/3/30    水

米国市場はロシアーウクライナの停戦交渉を受けて市場は上昇。VisaとNikeが市場をけん引した。WTIが2%程度下落したが、10年物イールドは2.4%に上昇。NASDAQはLucid Mortorsが7%以上の値上がりとなり、DocuSign、Zoomなどが上昇。Nielsenはプライベートエクイティが買収することで合意し株価は22%上昇。欧州市場もアジア市場、北米市場に連動して上昇。すべてのセクターで上昇したが、特に自動車(5.9%)と銀行(3.8%)が大きく上昇。ロンドン市場では、バークレイズが3%の株式を保有する大型株主が保有株を売却したため株価が2.5%下落。デンマークの運送会社Maerskは上海のロックダウン関連で株価が4.1%下落。世界最大手のセメント会社Holcimはロシア市場からの撤退を表明し3.9%の株安

2022/3/31    木

米国市場ではウクライナ問題の展開を注視する動きから株価は下落。VIX指数は最低の水準であったが20ポイントほど上昇。Fedの利上げ観測から短期金利が上昇しイールドカーブはフラット化している。ADPレポートは民間部門の2月の就労者数を公表。予想より低い水準であった。欧州市場では3日連続して値上がりした後、値を下げた。原油や商品の価格が上昇したため、鉱業やエネルギー関連の株式は上昇。ドイツはロシアからの天然ガスの供給が停止することに関しガスの供給に関する事前警告を宣言

2022/4/1    金

米国市場では株価が下落し、四半期ベースではここ2年で最も大きく下落した。個人消費支出が公表されたが、食糧・エネルギーを除いたコア指数は0.4%増と予想とおりの水準となった。主予3指数はいずれも1.5%前後の下落となった。特に、金融とコミュニケーションサービスが大きく下落した。バイデン大統領が原油の備蓄を新たに放出し、ガソリン価格の低減に努めると発言したことから原油価格は下落し、エネルギー関連株式も下落。ドラッグストアのWalgreens Boots Allianceは2022年の予想を変更せず、株価は5.67%上昇。欧州市場では小売り関連が主導で値を下げた。H&Mは、値上げ値の必要性と原材料と輸送コストの上昇から四半期利益は低下し、株価は13%下落。米国の原油備蓄の放出に関して、石油・ガス関連株は値下がり。TotalEnergiesとBPはいずれも2%の株価下落

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