失敗体験がチラついて

この前

実は、数年前に、別の出版社から同じようなテキストの作成依頼を受けたことがある。そのテキストは、リタイアするサラリーマンのライフプランについてまとめる内容であった。そのときは出版にまで至らなかった。

私が失敗したことは、大きく2つあった。一つは、概要をまとめるのに時間がかかりすぎたこと。そして、もう一つは時間がかかりすぎたことの原因でもあるのだが、ストーリー性を持たせようとしたことだった。「公的年金や資産運用、保険の見直しなど、個別に執筆するのではなく、相互に関連付けて書くことができるとよい」と考えたのであった。

実は、今回も同じようにストーリー性を持たせようと考えたのだが、Aさんが担当であったことが幸いした。筆の遅い私を催促することもなく、じっと待っていてくれた。Aさんは、私がどのようなことを書くのか想像がついていただろうし、私はAさんが、ギリギリまで時間をくれることを予想していた。私は、その代わりに、出来上がった文章は、小出しにしてAさんに送付していった。コンテンツだけ提供していけば、構成等はAさんがうまく仕上げてくれるという安心感があった。

続く

目次作成がはかどらない

この前

目次の作成は、早々に暗礁に乗り上げた。いつも悩むことであるが、どの程度の難易度のテキストにするかに悩んだ。書きあがったものは、書いている側が思っているほどやさしくないことが多い。これは多分に私の日本語の問題のように思えるが、説明が上手でなければ、難解な文章が出来上がる。

Aさんは、私に依頼した時点で、あまりやさしいものが出来上がってくるとは思ってなかったようである。銀行員が読むことを前提としているので、多少骨のある内容で構わないと指示を出してくれた。

Aさんの指示のおかげで、私の腹は決まって、『ちっとも易しくない』ものを作ることにした。いや、より正確に表現すれば、『無理にやさしく解説することをしない』ものを作ることにした。出来上がったテキストの上巻の第1章は、「資産運用の基礎」なのであるが、この章にあてたページ数は15ページ。全体の10%にも満たない。

それでも、目次作成は時間がかかった。目次ができた時には、最初に示された締め切りの数日前だったような気がする。

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