8月第2週の市況

2025/8/4    月

米国では、公表された労働統計が予想を下回るものとなったことから経済成長への懸念が顕在化し、また、株式市場では、Amazonは主力となるウェブ販売事業での成長がわずかに予想を超えたが、今後マーケットシェアを低下させるとの懸念から株価は8.2%値を下げた。また、Appleも2.5%株価が下落し、米国市場では主要3指数がともに値を下げる展開となった。暗号資産のCoinbase Globalは第2四半期の取引が停滞したことにより利益が低下し、株価も16.7%下落。トランプ大統領が米国内外の17の主要な製薬会社に薬価引き下げを求めるアナウンスをしたことから、欧州ではNovo Nordiskが6%株価が下落した。その結果、欧州市場全体も大きく値を下げることになった。また、米国から39%の関税を課されることになったスイスは市場は休場であったが、英国や米国に上場しているETFなどは値を下げた

2025/8/5    火

米国市場では、先週末の値下がりからのリバウンドに加え、弱い労働統計がFedの9月の利下げの可能性を引き上げたとみなされ、主要3指数ともに上昇。TeslaはあマスクCEOに290憶ドル相当の株式を付与することを決定し、同株は2%値を上げた。Nvidia,マイクロソフト、Meta PlatormsなどAI関連も値を上げた。欧州市場では、スイスが米国の高関税率のために株式市場は続落したが、多くの市場は株式指数はリバウンド。スイスの時計メーカーである、RichemontとSwatchは1.3%と2.3%の値下がり。英国では最高裁判所が自動車ローンに関する控訴裁の判決を覆し銀行に有利な結果になったことから、Lloydsが9%値を上げたほか、バークレイズやバンク・オブ・アイルランド、サンタンデールなどが2%以上株価上昇

2025/8/6    水

米国では、ISM非製造業指数が、高コストなどを背景に前月より低下し、輸入の減少のために6月の貿易収支は縮小した。KFCを展開するYum Brandsは高関税によるコスト増を理由に第2四半期の業績が予想を下回り、株価は5%以上下落。防衛産業のPalantir TechnologiesはAI関連の需要が高く、上場以来最高の四半期売り上げを達成し株価は7.8%上昇。また、四半期業績が好調で通年の利益予想を引き上げたファイザーも5.1%値を上げた。欧州市場では、個別企業の業績が好調なことと、米国の利下げへの期待感から、株式市場は上昇。酒造関連のDiageoは2026年の売上見通しが前年並みになると予想し株価は4.9%上昇。ドイツの半導体企業Infineonは通年の利益見通しを少し引き上げ、世界的な半導体市場が回復するとの見通しを明らかにしたことから、同株は4.6%上昇

2025/8/7    木

米国市場では、Appleが米国内で1000億ドルの生産投資を行うと米国政府が公表し、同株は5%以上値を上げた。Appleにけん引される形で、NASDAQをはじめとする主要3指数は上昇。また、マクドナルドは四半期の世界売り上げが予想を超え、クラウド関連のArista Networksも四半期の売上が予想を超え、それぞれ、3%、17.5%と株価上昇。一方で、半導体関連のAdvanced Micro Devicesとサーバー製造のSuper Micro Computerはいずれも予想以下の業績となり、株価は大きく下落。欧州市場では当初は株式市場は堅調であったが、トランプ大統領が薬に対して高関税をかける構えがあることを受けて、最終的には株式市場は横ばいとなった。ヘルスケアセクターの株式指数は2.8%低下。デンマークの製薬会社Novo Nordiskは5.4%株価下落。スイスの製薬会社NovartisとRocheは3.3%と2.6%それぞれ株価下落

2025/8/8    金

米国市場では、製薬会社のEli Lillyが通年の利益・売上予想を上方修正したが、経口GLP-1受容体作動薬orforglipronの実験データが芳しくなかったこともあり株価は13%以上下落した。また、サイバーセキュリティのFortinetは売り上げが予想に届かず株価下落。NASDAQは値を上げたが、SP500とダウは値下がり。一方、トランプ大統領が輸入半導体に対する100%課税を大きく適用外にすることを公表し、Apple、Applied Materials、Texas Instrumentsなどの半導体関連企業の株価が上昇。欧州市場では株式指数は上昇。Allianzやベルギーの銀行KBC、オーストリアの銀行Raiffeisen Bank Internationalなどが大きく値を上げた。また、米国のトランプ大統領の輸入半導体に対する課税特例の公表で、BE Semiconductor、ASML Holding、SAPといった関連企業の株価も上昇。第2四半期の業績が予想以下に終わったドイツの防衛株Rheinmetallは8%株価下落


 

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