5月第4週の市況

2025/5/19    月

米国ではミシガン大消費者信頼感指数がインフレ予想の上昇を背景に低下したが、株式市場では主要3指数はいずれも値上がり。UnitedHealth Group Incは8日間連続で値下がりしたが、本日はリバウンドして6.4%株価上昇。そのため、ヘルスケアセクター全体も2%弱値を上げた。半導体装置製造のApplied Materialsは第2四半期の売り上げが予想を下回り株価は5.3%値下がり。 Verizon Communicationsは当局からFrontier Communicationsの買収の許可が下り、株価は1.7%上昇。欧州市場では株式市場は値を上げ、5週連続の上昇となった。高級品株のRichemontは売り上げが7%増となり株価が7%ほど上昇。AstraZenecaやNovartisが値を上げたためにヘルスケアセクターも上昇

2025/5/20    火

米国ではムーディーズが米国の格付けをAaaから、Aa1に引き下げたことから、センチメントが低下。株式市場はほぼ横ばいとなった。米国の債務が予想以上になると見込まれることから、10年物のイールドは上昇。TXNM EnergyはBlackstoneのインフラ部門の購入し、株価は7%ほど上昇。Novavaxは米当局から、コロナワクチンの認可を得て、株価が15%上昇。Modernaの株価も6.2%上昇。欧州市場では、米国の格下げがマイナスに働いた一方で、企業収益が好調であったことから、全体では横ばいとなった。ただし、米中の関税戦争の緩和の動きから、ドイツ市場は値を上げ史上最高値を更新。Ryanairは域内の旺盛な需要に支えられて業績が回復すると予想したことから、株価が4.8%上昇。同業のルフトハンザやEasyJetも3%前後株価上昇。BNPパリバは10.8億ユーロの自社株買いプランを公表し、株価が3.4%上昇

2025/5/21    水

米国では、2-3兆ドルの政府債務を増加させるトランプ大統領の減税と経費削減の法案によりイールドが上昇しないか懸念が広がる中、株式指数はいずれも下落。Home Depotは予想を超える第1四半期の業績を公表したが、年間の見通しは据え置き、関税上昇による価格移転も行わないことをCEOが表明。株価はわずかに値を下げた。カタールのフォーラムでマスクCEOが今後5年間経営を続けることを約束したTeslaは0.5%株価上昇。欧州市場では、テレコムと公益のセクターがけん引して9週間来の高値を付けた。公益株ではポルトガルのEDP ​​Renovaveisがブローカーの評価引き上げによって1.8%株価上昇。トランプ政権がニューヨークの養生発電の建設中止を撤回したことから、Oersted、Vestas Windなどの風力発電関連株が上昇。また、中国向けの需要が高いLVMH、Burberry、Keringなども株価上昇

2025/5/22    木

米国ではトランプ大統領の減税案を議会が承認すれば債務が膨らむと考えられることからイールドが上昇。主要株価指数はいずれも大きく値を下げ、小型株中心のRussell2000は2.8%値を下げた。UnitedHealthは英国のガーディアン紙が、訪問看護に対して秘密の支払いをしていたと報じ、ブローカーが評価を引き下げたことから6%以上株価を下げた。ターゲットは四半期の売り上げが大きく減少し、年間予想も引き下げたことから、株価は5%以上値下がり。欧州市場では、高級品や小売り関連株が下落する一方で、米国の減税法案を評価する動きもあり、市場全体としては幾分値を下げる展開となった。スポーツ用品のJD Sportsは四半期の売り上げが2%下落し、また、主要な市場である米国で高い価格が消費者の需要を押し下げていると警戒感を表明したことから株価は10.6%値下がり。シャネルが年間の売り上げが4.3%下落したことを公表し、LVMHなどの高級品株も2%以上の下落になった

2025/5/23    金

米国では、上院がトランプ大統領の減税法案を可決し、イールドが低下する中、株式市場は方向性のない市場となり、おおむね横ばいの1日となった。クラウドベースのデータ管理会社のSnowflakeは2026年の売り上げ見通しを上方修正し、株価は13%上昇。Alphabetは下値買いの動きで1.4%上昇。一部商品の値上げを公表したNikeは株価が2%上昇。欧州市場では、米国でのイールドの上昇やユーロ圏での購買マネージャー指数が低迷したことを受けて、軟調な市場となった。汎用的な株式指数は4月以降で1日の下落幅としては最大。英国のテクノロジー会社Johnson Mattheyは一部を負債込みでHoneywell Internationalに売却することが決まり、Johnson Matthey株は30%以上上昇した。ただし、化学関連株全体としての動きはおおむね横ばい

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5月第3週の市況

2025/5/12    月

米国市場では、トランプ政権の関税の行方を見つつ、市場では上下動を繰り返しながら最終的にはおおむね横ばいとなった。米中は週末にスイスで会合を持つ。米中の緩和を受けて原油価格が上昇し、エネルギーセクターは値上がり。一方、ヘルスケアセクターは1%以上値を下げた。オンラインの旅行会社Expediaは四半期の売り上げが予想を下回り、株価は7.3%値下がり。欧州市場では米中の緩和を受けて株式市場は値上がり。ドイツの株式指数DAXは史上最高値を更新。フィナンシャル・タイムズが、Shell,Chevron,Exxon Mobile,TotalEnergies,ADNOCがBPを買収すると報じ、BP株は4.4%上昇。米中緩和で恩恵を受ける自動車セクターも0.8%値上がり。また、第1四半期の業績が予想以上に良かったCommerzbankは株価が4%上昇

2025/5/13    火

 米中で追加関税の実行を90日間停止する合意に至ったことから、株式指数は急上昇した。SP500は3月上旬の水準にまで戻った。ボラティリティ指数は急速に低下。一般消費財やテクノロジーといったセクターが市場をけん引。iPhoneの価格引き上げを検討していると報じられたAppleは6%以上株価上昇。欧州市場でも米中の関税協議がプラスに作用し市場は値を上げた。スポーツウェアのPumaとAdidasはそれぞれ6.5%と3.8%の株価上昇。物流企業のMaerskとHapag-Lloydも11.2%と13%それぞれ値を上げた。トランプ大統領が薬価引き下げの大統領令にサインしたため、Roche HoldingやSanofiなどの株価は一時的に下落したが、その実効性に疑問があるとして株価は結局上昇。Novo Nordiskは米国の競合相手であるEli Lillyが、自社製品の減肥薬がより効果があったと公表し、Novo Nordisk株は値を下げた

2025/5/14    水

米国では、インフレが対前年同月比2.3%と予想以下であったことを受け期待感が広がり、SP500とNASDAQは値を上げたが、ダウはUnitedHealthが17%以上大きく値を下げたことを受けて値下がり。UnitedHealthは年間の収益予想を未定にし、CEOが辞任。最も値を上げたのはテクノロジーセクター。NvidiaはサウジアラビアのHumainにAI半導体を販売したことを公表し、株価は6%以上値上がり。また、中国当局が国内飛行を禁じていたボーイングへの規制を解除し、ボーイング株は上昇。欧州市場でも、米国のインフレ統計が好感され、株式市場はわずかに値を上げ、4日連続の値上がりとなった。製薬会社のBayerは収益の下落が予想以下であったために値を下げた。ロサンゼルスでの火災に関する支払いが収益を圧迫した、Munich ReとHannover Reはいずれも4%以上値を下げた

2025/5/15    木

米国市場では、SP500とNASDAQは上下動を繰り返しながら最終的にはわずかに値を上げた。ダウは値下がり。トランプ大統領が中東を訪問し、中東諸国とAI関連の取引が成立したことから、テクノロジー関連は値上がり。AMDは60億ドルの自社株買いプランを公表し株価は4%以上値上がり。Nvidiaも株価上昇。カタール航空がジェット機の購入を表明したため、ボーイングも値上がり。アパレル関連のAmerican Eagle Outfitterは経済の不透明感から年間の予想を撤回し6%以上値下がり。欧州市場では株式は値下がり。ヘルスケア関連のAlconは四半期の業績が予想以下となり、また、2025年の予想も修正したことから株価は7.6%値下がり。車両製造のAlstomは今年の業績見通しが芳しくなく株価は17%以上下落。旅行会社のTUIは夏季の旅行の予約が低調で11%株価下落

2025/5/16    金

米国市場では、まちまちの展開となり、SP500とダウは値上がり、NASDAQは値を下げた。Cisco SystemsはAI関連を原因として年間の収益見通しを引き上げ株価は約5%上昇した。UnitedHealth Groupについては、ウォールストリートジャーナルが司法省が査察の結果Medicare関連で不正があったと結論付けたと報じ、同社の株は11%値を下げた。ウォルマートは幹部が今月下旬からトランプ関税の影響で価格を引き上げることを公表し、株価は0.5%下落した。同じような条件にあるAmazonも2.4%値下がり。欧州市場では当初値を下げたが、その後、挽回し最終的には値上がりとなった。プーチン大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と会談することを拒絶し、Hensoldt、Rheinmetall、Leonardoなど防衛関連株が大きく値を上げ、航空・防衛指数は2.3%上昇した。また、フランスのEngieや英国のNational GridやUnited Utilitiesなどの公益株も好調な四半期決算のため値上がり

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