傾聴とバーンアウト~その1

“傾聴”という言葉がある。傾聴の意味は、「人の話を黙って聞くこと」。FPになってしばらくしたころ、傾聴が大切だと教えられたビジネスの世界では、傾聴がそれほど重視されることはない。むしろ、相手を説得するために、いろいろと資料を準備してプレゼンを行う、そんなことを繰り返してしてきた。相手に理解してもらうために、どれだけわかりやすい資料を準備できるか、そこがポイントだと考えてきた。

顧客が100人いたとしよう。はたして、私の説明に納得する人はどの程度いるだろうか。手前味噌になるが、私は自分が何かを説明するとき、説明は下手な部類ではないと思っている。それでも、私の説明に納得する人は多く見積もっても約半数。残りの半数は、私の説明に反対の考えを持たれるかもしれないし、説明がわからないと感じるかもしれない。説明して納得させるのは、とてもむつかしい。

しかし、その点、傾聴は分のよい勝負ができる。傾聴に対して反発する人はあまりいない。そして、自分のいうことに対して反対意見を感じる人もいない。だから、傾聴に対する満足度は高くなる。整理してみると、傾聴というのは、実に、理に適ったコンサルティングの手法なのである。傾聴のよいところは、専門的な知識がそれほど要求されないということである。人を説得するためには、たくさんの知識とノウハウがいるが、傾聴をするためにはそのようなものは必要とされない。相手に寄りそう姿勢さえあれば傾聴は可能である。

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この記事は、「週間インシュアランス(生保版)」に掲載した記事を転載したものです。

必要保障額の考え方とライフプラン分析~その5

必要保障額の計算について解説してきましたが、今回でコペルニクス的な転回になります。7500万円、いや、5,157万円といっていた必要保障額。実は、1,000万円で十分じゃないの?というのが結論です。

①就労する、②市町村の制度を使う、③資産運用を行うという3つを考えるだけで、必要保障額は本当に抑えられるのです。

『遺された家族の収入を確保するために、給与サポート〇〇保険に加入する』・・・そんなことをしていたら、保険の上に保険が載せられて保険料の負担だけで大変なことになります。保険でカバーするものと、保険でカバーしないものに分けるだけで必要保障額は抑えられ、保険の見直しになります。