11月第5週の市況

2018/11/26    月

米国では原油価格がさらに値下がりしてシェブロンやエクソンモービルが3%前後値下がり。さらに、アップルやAmazonも値を下げる展開で市場は値下がり。欧州市場では、域内のビジネス活動が低調で経済成長の減速が懸念されるが、ルフトハンザやeasyJetなどの航空関連が値を上げ、イタリアではサボナEU担当相がEUルールに抵触する予算案の指示から外れるとの報道があり、銀行株が値上がり。ルノーは副会長が日産との提携の利益を守るとの発言をして株価は2.3%上昇

2018/11/27    火

米国市場では、サイバーマンデーの売り上げが78ドルに上ったとの統計が公表され、小売り関連を中心に値上がり。代表銘柄のAmazonは5.3%値を上げた。GMは北米での生産を縮小すると公表し4.8%価格上昇。欧州市場では、イタリア政府がEUとの衝突を避けて予算を削減する方針から、イタリアの国債のイールドが低下し、銀行株は大きく上昇。UBI Bancaは6.4%、Unicreditは5.5%の上昇。ドイッチェテレコムがスウェーデンのTele2を買収する承認をEUから得たとの報道が流れ、両株共に大きく上昇。市場全体も値を上げた

2018/11/28    水

米国では、政権のクドロー経済アドバイザーが中国との折衝で新しい展開が生じる可能性を示唆し、市場は値を上げた。前日に米国内でのリストラを公表したGMはトランプ大統領が補助金の削減をちらつかせ2.5%下落。貿易関連株の産業株や材料関連株は下落。USスチールやAKスチールホールディングスは4%以上の下落。欧州市場でも、トランプ政権の関税率の引き上げがマイナスの影響を及ぼすとみられ株価が下落。銅価格の下落に伴い、鉱業株が値を下げた

2018/11/29    木

米国ではGDPの改定値が公開され、前回の予想より下回り年率3.5%の成長となったが、この水準でもトランプ政権の目標値(3%)を上回っている。Fedのパウエル議長がコメントで現在の経済状況を金利政策を変更するちょうど下(just below)と表現したことから、Fedの利上げ政策が緩和されると推測され、株価はテクノロジー株を中心に値上がり。欧州では、G20で米中の首脳会談が行われることが好材料となっているが、G20後の米国の税率の引き上げがマイナス要因。ドイツのタイヤメーカーのContinentalは4%以上値下がり

2018/11/30    金

米国では、Fedの11月の議事録が公開され、次回の利上げはすぐに来るものの、利上げの限度などが検討され、利上げに対するスタンスが緩和されたとみられ市場ではイールドが低下して米ドルは上昇。イールド低下により銀行株は軟化。米中の貿易問題が不透明な中、テクノロジー関連が値を下げ、米国株式市場は幾分値を下げた。Fedのスタンスの変化と米中関係という要因は欧州市場でも同じで、こちらでは株式市場はわずかに上昇。ドイッチェバンクはマネーロンダリングの疑いで6か所が捜索され株価は3.4%下落

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傾聴とバーンアウト~その2

(前半部分はコチラ)

ところが、最近になって、「私に傾聴の大切さを教えてくれたFPの方は、ごく限られた範囲で相談をしていたから、傾聴が大切と感じていたのではないだろうか」と思うようになった。つまり、閉ざされた集団で相談をしていたということである。閉ざされた集団の場合、その集団に帰属しているということが、相談者の品位を保つことにつながり、相談を受ける側は傾聴していればよいという結論につながる。

反対に開かれた集団コールセンターのようなところを考えてほしい。テレマーケティングの会社でなければ、コールセンターに入ってくる連絡のかなりの割合はクレームかもしれない。クレームを、すべからく傾聴していったらどうなるだろう。聞いているオペレーターは心を病んでしまうだろう。通話時間が長時間化して、本当に必要な連絡を受けられないかもしれない。

あなたが相談部門を担当するマネージャーであるなら、傾聴を勧める前にすべきことが2つあることが理解できるだろう。一つは、クレームに類する相談を最小化することである。金融機関などに電話したとき、「サービスの向上のために話を録音します」と流れるメッセージはこのためである。クレームを事前に撃退して、本来の相談に時間をより多く配分するためである。そして、もう一つは、相談員がバーンアウトしないようなスキームを導入することである。あなたが、相談員としての能力があるのであれば、スーパーバイザーとなって部下に接すればよい。ここでいう、スーパーバイザーとは、専門家としての視点から部下を励まし、教育し、評価することによって成長を促す者という意味である。

“傾聴”や“相談者に寄りそって”ということを繰り返すマネージャーを散見するが、そういったマネージャーは無意味であるばかりでなく、部下のバーンアウトの原因になっている場合が少なくない。そんなマネージャーなりたくないが、一方で、スーパーバイザーになる自信がない人には、一つ、よい方法が残っている。それは、相談員同士でケース会議を開催させることである。そうすれば、横からの目線で、相談員同士で最適解を考え始める。そして、それと同時に、他の相談員も苦労していることに気づく。情報交換もできて、サービスの質は均一化する。しっかりした背景があって、はじめて、本当に傾聴することができる

この記事は、「週間インシュアランス(生保版)」に掲載した記事を転載したものです。