5月第2週の市況

2020/5/4    月

米国では、トランプ政権がコロナウィルスへ拡散への中国への報復措置として再び関税を持ち出し、市場では主要3指数がいずれも2%以上の大きな下落となった。ISM製造業指数は11年来の低水準を示す。Amazonは四半期決算が予想より悪く7.6%値を下げ、TeslaはCEO自らが株価が高すぎるとツイートして株価は10%以上下落。アップルは第1四半期の業績は予想を上回ったが、今期の予想を下方修正し1.6%の値下がり。原油価格の下落に伴い資産価値が下落したエクソンモービルは7.2%値を下げる。欧州市場はメーデーのため休日

2020/5/5    火

米国市場ではAmazon、マイクロソフト、アップルといった大手テクノロジー株がけん引して市場は上昇。原油価格がリバウンドした石油関連も好調。カリフォルニア州のNewsom知事が今週にも州内の小売り活動を再開させるとコメントし、市場は経済活動の再開に期待感。バクスシャー・ハザウェイは保有していた大手航空会社株を売却し損失を計上。同株は2.6%値を下げ、売られた、デルタ、アメリカンなどの航空株は5~8%程度値下がり。タイソンフードは今期の売上・利益予想の下方修正を行い7.8%の値下がり。欧州市場では、米中関係の悪化と原油価格の下落を受けて市場は大きく値下がり。ドイツの株式指数DAXが3.6%値を下げ、フランスの指数CAC40は4.2%値を下げた。ドイツのティッセンクルップはエレベータ部門を売却したが依然として資金面が苦しいと従業員に報告、フランスでは4月の新車の登録台数が89%減となった

2020/5/6    水

米国市場では、原油価格の値上がりとヘルスケア株の上昇が要因となり市場は上昇。米国のいくつかの州といくつかの国で規制緩和の動きがあることから、原油価格は需要の復活を期待して上昇。ただし、米国の4月のISM非製造業指数は2009年12月以来の下落となった。クルーズ世界第3位のNorwegian Cruseは事業の存続に疑念を持たれており、株価は22.6%下落。マイクロソフト、アップルは株価続伸で市場を支える。欧州市場でも株価上昇。ドイツの裁判所がECBが正当化しないのであれば、Bundesbankが債券を購入することを認めない決定を下す。原油価格の値上がりは好影響を及ぼし、フランスのTotalは配当を維持することを公表したこともあり7.9%株価上昇、スペインのRepsolは予想を上回る利益を計上し13.2%株価上昇。ドイツの食品キット販売のHelloFreshは10%株価を上げ、デンマークの宝石関連のPandraはオンライン販売が好調ということで8.3%値を上げる

2020/5/7    木

米国市場では、ダウとSP500は軟化したが、NASDAQは上昇。金融株や景気循環株は値を下げたが、テクノロジー株は値を上げたことが原因。民間部門の雇用は、4月で、200万人の失業が発生した。個別銘柄では、予想以上の収益を計上し、5月18日から北米で工場を再稼働させると公表したGMが3.8%の値上がり。Occidencial Petroleumは、四半期決算の赤字を報告し、新株発行または負債の株式化により資金を調達する必要性を表明。株価は12.5%の軟化。欧州市場では、GDPの見通しが公表され、市場は幾分値を下げた。昨日のドイツの上級審の債券購入の正当性をECBに求めた判決もプレッシャーになっている。スウェーデンのエネルギー会社Lundin EnergyはノルウェーのライバルEquniorから保有株式の売却を打診され株価下落。エネルギー関連は全体でも3%軟化

2020/5/8    金

米国ではエネルギー、金融、素材などの分野が堅調で市場は上昇。NASDAQは年初来の赤字を取り戻した。オンライン決済のPaypalはコロナウィルスの関連で2Qには取引が増加すると公表し株価は14%上昇。同上サービスのLyftも予想以上の利益を計上し21.7%上昇。そのほか、メディアのViacom CBSも売り上げ・利益ともに予想を上回り株価が10.3%上昇。欧州市場では中国の輸出が堅調だったことを受けて上昇。鉄鋼最大手のアルセロールミタルは四半期利益が予想を上回り株価が6.8%上昇。ドイツのオンラインファッション小売りのZalandoは1Q赤字であったが売り上げが回復していると公表し株価は11.5%値を上げる。エールフランス、IAGといった航空関連は値下がり  

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ピックアップファンド(eMAXIS バランス(8資産均等型))

ファンドの特徴

このファンドは、三菱UFJ国際投信が運用するバランス型ファンドです。ポートフォリオは、日本/先進国/新興国の株式と債券、および、日本/先進国のREITに均等に投資することを基本にしています。等分ですから、各資産クラスの投資比率は12.5%になっています。
実際のポートフォリオがどうなっているかは、月次レポートで確認できます。2020年3月末現在、日本債券への投資比率が11.2%と少し少なくなっていますが、そのほかの資産クラスへの投資比率は12%台となっており、ほぼ基本ポートフォリオが維持されている状態です。

過去5年の履歴からリスクを計算すると約10%です。株式指数のリスクよりは小さいが、外国債券のリスクよりは大きいい程度の数値です。運用は、各資産クラスではインデックス運用に、アセットクラスの組み入れ比率(アセットアロケーション)もインデックス運用になっています。

このファンドには、「波乗り型」という投資スタイルの異なるファンドも用意されています。「波乗り型」、トレンドフォロー(好調なアセット(資産)クラスへの投資比率を上げる)戦略を採っていますが、「波乗り型」より「均等型」のほうが、運用成績はよくなっています

※ グラフは2020年4月末時点の情報で記入しています

ポートフォリオ

ファミリーファンド方式で運用されています(マザーファンドが設定されています)。マザーファンドの運用も三菱UFJ国際投信が行っています

運用体制

自社運用

アクティブ/パッシブ

資産クラス:パッシブ運用
アセットアロケーション:パッシブ運用

販売会社の特徴

SMBC日興証券、三菱UFJ銀行、福岡銀行、楽天証券、SBI証券、エース証券など

資産残高の推移

ファンドは2011年10月に設定。ほぼ右肩上がりで純資産残高を伸ばしていますが、純資産残高はそれほど大きな金額になっていません。2020年3月末時点では268億円に達しています

購入時手数料

購入時手数料はゼロ(ノーロードファンド)
(購入時手数料を徴収する販売会社はありません)

信託報酬

0.55%(年額)

収益分配金

分配は年1回(毎年1月)。「信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する方針」と記載があり、実績ベースでは、収益分配金が支払われた実績はありません。

ファンドに対するコメント

請求目論見書等を見ると各マザーファンドに投資している(ベビー)ファンドとその規模を確認することができますが、機関投資家を含め幅広い資金を三菱UFJ国際投信が集めて運用していることがわかります。それゆえ、このファンドの資産規模が小さくても、効果的な運用ができるわけです。8つの資産クラスそれぞれにマザーファンドを用意できるのは、三菱UFJ国際投信が運用機関として日本最大級の規模を誇っているからでしょう。

このファンドを含むeMAXISは、コストを意識した投資家の成長を見越したファンド設定になっていますリーマンショックからひと段落したころに設定され、それから先の10年を見据えた戦略的なファンドであったと思います。

2017年5月には、ファンドのコストをさらに引き下げた、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」も設定しています。これらのファンドは、コストを重視する個人長期投資家に歓迎されるファンドになっています。