ライフプランニング~その5-3

ライフプランを改善しよう

金融資産がマイナスになってしまうのは困りますので、ライフプランを改善してみたいと思います。

パートで働く

「現在仕事をしている高齢者の約4割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと感じている」(平成29年度版高齢社会白書)という時代背景を加味して、正彦様がパートで働くという想定をしてみよう。フルタイムではなく、週20時間程度の就労であると仮定する。東京都の最低賃金を勘案すると、1013円 × 20時間 × 4週 = 81,040円。

正彦様が65歳から69歳まで働くということを想定します。図1.15のように収支見通しは変化します。少し働くという仮定を入れると、資産がマイナスになる期間が消えました。

図1.15 支出を含めた将来の収支見通し~その5

資産運用を行う

次に、現在手持ちの2,000万円は全く運用しないという仮定です。しかし、72の法則でもわかるように、資産運用をすると、毎年の収支が改善され、生活が楽になることが予想されます。

ここでは、ファンドAに資産の20%を投資すると考えてみます。

ファンドAの特徴

投資対象: 国内外の株式、債券、リート(不動産)

期待リターン: 年率5.0%

予想リスク: 年率5.0%

将来の収支見通しは、図1.16 のようになります。図1.15 に比べて資産残高が大きくなっていることがわかります。資産残高が大きなうちに運用することにより、資産寿命が延びていることがわかります。

図1.16 支出を含めた将来の収支見通し~その6

 

ライフプランニング~その5-2

インフレも見積もろう

資産運用のセミナーなどで語られる「72の法則」をご存じでしょうか?例えば、2%だとすると、72を2で割ります。72 ÷ 2 = 36年 『2%で運用すると、36年で資産は倍になります』と説明します。4%だと、72 ÷ 4 =18年。利回りの力は大きいことを知ってもらうための簡単な説明です。

ところが、この72の法則はインフレについてもそのまま当てはまります。『インフレが年率4%だと、モノの値段は18年で倍になる』というわけです。ありがたくないですね。でも、インフレを考えることが、資産運用を考えることの最初のステップになります。これまでのデータにインフレを加味してみます。

インフレは、年率0.5%を想定してみます。そうすると、将来の収支予想は、図1.14のようになります。金融資産は、薫子様が93歳になるとマイナスになってしまっていることがわかります。72の法則で簡単に説明していた内容ですが、インフレは将来のライフプランに大きな影響を及ぼすことが理解でいます。

図1.14 支出を含めた将来の収支見通し~その4