9月第2週の市況

2019/9/9    月

米国の雇用統計は、雇用者増は予想以下となったが、大幅な賃金上昇となり、評価はまちまち。中国が流動性の確保のため中央銀行が準備金を取り崩して負債を圧縮。欧米市場では好感される。Facebookは当局から競争妨害について検査を受けると報じられ1.8%株価下落。欧州市場では中国の景気刺激策が好感され、ドイツの工業生産が下落したが市場は上昇。個別銘柄ではフィンランドのKoneがドイツのティッセンクルップのエレベータ部門を買収すると報じられ、ティッセンクルップ株は5%値を上げた

2019/9/10    火

米国市場は全体としてみれば横ばいであった。テクノロジーやヘルスケア関連が値を下げたが、木曜日のECBの会合での金融緩和決定に期待する向きから、イールドが上昇し銀行株が値上がり。個別銘柄では肺がんの薬価データに疑義が生じたAmgenが2.6%値下がり。原油価格の上昇からエネルギー関連が上昇。欧州市場では、英ポンドが下落してFTSEが軟調。銀行株はECBの決定を前に上昇したが、ディフェンシブといわれるヘルスケア、公益、食品・飲料などのセクターが下落。個別銘柄ではエールフランスが8月の乗客数が芳しくなく10%値下がり。

2019/9/11    水

米国市場ではエネルギーや産業といったセクターは上昇したが、テクノロジーや不動産といったセクターは値下がり。市場はおおむね横ばいで、テクノロジー株のウェイトの高いNASDAQは値下がり。中国の生産者物価指数はここ3年で最大の下落となった。個別銘柄では、アップルがアップルTV+を公表して1.2%値を上げ、ウェインディーズは通年の収益見通しを下方修正して10%以上の値下がり、同業のマクドナルドはベンチャー企業を買収して3.5%の値下がり。欧州市場では、ドイツの財務省が景気刺激策に言及したが、投資家は木曜日のECBの会合待ちで、ディフェンシブな銘柄も下落。英国のBarclys、スタンダード・チャタード、RBSなどの銀行が上昇し、銀行株が値を上げるが、市場全体では値下がり

2019/9/12    木

米中の貿易交渉を前に中国がいくつかの米国からの輸入品について例外を設けると公表し史上は好感。米国では貿易感応度の高い産業株やテクノロジー株が上昇。アップルはアップルTVの効果もあり3.2%と大幅に上昇。ボーイングも3.6%と大きく上昇。米国のイールドはECBの会合を前に上昇。欧州でも6週間ぶりの高値を付ける。ロンドン証券取引所は香港証券取引所などから390億ドルの買収提案を受け、同株は史上最高値にまで上昇。欧州内のアップル関連銘柄である、InfinionやDialog Semiconductorなどはアップルにけん引されて値を上げる。貿易感応度の高いDAXも0.74%と上昇。個別銘柄では、zaraの親会社であるInditexが利益率の伸びが予想以下となり株価は4%下落

2019/9/13    金

 ECBが金利の引き下げと資金供給を再開すると公表し市場は好感。また、中国が関税の一部に例外を設け、米国からの農産物の輸入の促進に努めることを公表し、トランプ大統領は関税引き上げの遅延を承認。米国ではコアCPIが8月2.4%と大きく上昇したが、テクノロジー株と金融株を中心に値上がり。個別銘柄では、ブローカーが格付けを引き下げたDeere&Coやキャタピラーが値を下げ、アルファベットはグーグルの不正会計関連で当局と和解し1.2%上昇。欧州市場では、ECBの金融緩和の発表によりイタリアを除く銀行株が下落したが、米中協議の緊張緩和で自動車株が上昇。市場は方向性のない動きの中幾分値を上げた


 

 

過去の市況を確認しよう!!

1か月前の市況 1年前の市況

9月第1週の市況

2019/9/2    月

米国市場では方向性のない市場となり市場はほぼ横ばい。米中の貿易対話の準備は進んでいるが、9月1日は米国は休日のため、関税引き上げは実質的に実行に移された。7月の消費者消費は増大したが、8月のミシガン大消費者信頼感指数は2012年12月以来の大幅な落ち込みとなった。個別企業では化粧品のUlta Beautyが通年の利益見通しを下方修正し株価は約3割減少。Cambell Soupは好決算となり3.9%上昇。欧州市場では、米中の貿易対話の準備が進んでいることが評価され、商品が2.5%、自動車が1%値を上げた。また、ドイツではベルリンの不動産賃貸制限が解除され、不動産株が4~6%上昇

2019/9/3    火

米国はLaborDayで祝日。欧州市場ではディフェンシブな株式を中心に値を上げた。地域的には、Brexitのハードランディングが予想される英国でポンド安になり、そのおかげで株価は上昇。イタリアでは、新しい首相が水曜日までに組閣を完了すると発言し株価が上昇。統計関連では、中国とヨーロッパで工場生産高が下落し、欧州市場ではテクノロジーや自動車といった輸出関連銘柄が下落。商品も、当初は鉄鉱石の価格上昇に伴い値を上げたが、その後下落に転じた。市場全体ではプラスになった

2019/9/4    水

米国のISM指数が予想に反して50を割る水準となり市場は軟調になった。米中の関税協議が長期化している不安感と、英国のジョンソン首相が合意なきEUからの離脱に同意しない場合は総選挙を行うと発言したことから市場は不安感が市場を支配した。米国市場では中国関連の産業株やテクノロージー株が1%以上値を下げ、ボーイングはFAAが737MAXの調査にさらに2~3週間必要とコメントしたことから2.7%値下がり。欧州市場でもISM、米中関税問題、Brexitが相まって市場は軟化。

2019/9/5    木

中国でサービス部門の伸びがここ3カ月で最も高かったことから、米国市場の株価は上昇。米国ではベージュブックが公開され製造の不振を、個人消費がまかなった形になっていた。イールドカーブの傾きが大きくなり、テクノロジー関連が大きく上昇。個別銘柄ではタイソンフードが通年の収益見通しを下方修正し7.9%株価下落。欧州では、イタリアで5スタームーブメントと民主党というライバルが連立を組むことになり市場は歓迎し株価上昇。欧州市場全体の株価も上昇。Brexitで政局が不安定化している英国であるが、株価指数FTSEは外需主導の指数であり指数は上昇。香港の法案撤回により、HSBC、プルデンシャルなどが株価回復

2019/9/6    金

10月上旬にワシントンで米中のハイレベル協議が行われることになり、市場は好感。米国ではテクノロジー株が上昇。さらに、ADPレポートでサービス部門の雇用が堅調であったことも含めて、イールドが上昇し銀行関連も堅調で市場は上昇。欧州市場でも自動車、テクノロジーが強く、安全資産である金や日本円は軟化。欧州の個別銘柄では、フランスのエンジンメらーカーSafranが通期予想を上方修正し7.2%上昇、ダッソーは軍用機のラファールやビジネスジェットの販売が好調で8.23%値を上げる

過去の市況を確認しよう!!

1か月前の市況 1年前の市況