リスクを可視化する~その2

資産運用を行う

リスクを可視化する<つづき>

シミュレーションによる方法

一定の条件の下、確率的に騰落率を発生させて計算する方法です。何度も計算を繰り返して、計算結果の一番悪かったケースを表示してリスクを感じてもらうという方法です。

表1.9 は実際にシミュレーションした結果です。この結果によれば、10 年間運用をして、最悪だったケースでは、元本割れを起こしていることになります。

「最高と最低の騰落率を表示する方法」にしても、「シミュレーションによる方法」にしても、リスクを表現するのであれば、実際に金額や率が見 えるようにすることが大切です。

表1.9 資産運用が失敗した時のシミュレーション

リスクを緩和する方法

リスクが見えるようになると、「元本割れをしてほしくない」といったニーズが顕在化します。そのとき、よくやる失敗が、バランス型ファンドを止めて、日本国債などに投資するリスクの低いのファンドに切り替えることです。

リスクの調整は、ファンドなどリスクのあるものへの投資割合と、預貯金などリスクのないものへの投資割合の比率で調整してほしいのです。図 1.26 の下の矢印が示す方法です。この方法がわかれば、人生に必要なのは良質なバランス型ファンドただ一つであり、リスクの調整は、そのファンドへの投資割合を変えることによって行うということが理解できるのです。

図1.26 リスクを調整する