ライフプランニングに役立つ資産運用の考え方(リメイク中)

金融商品とかしこくつき合うには

金融商品は目的を達成する手段にすぎない

金融商品とかしこくつき合う方法は、金融商品そのものを目的として考えるのではなく、ライフプランなどの目的を達成する手段として考えることです。言葉を換えれば、ニーズに適さない商品は不要ということになります。

金融商品の役割

金融商品について肝に銘じてほしいことは、

  1. 支払うものが少なくて、受取るものが多い商品はない
  2. 受取金額が変動するものは、変動しないものより敬遠される

ということです。
この言葉をほかの言葉に置き換えると

  1. リスクとリターンは表裏一体
  2. わたしたちはリスクを避けたがる

ということになります。

普通の人であれば、理由がなければリスクのあるものに投資することはないのです。そして、その理由というのがライフプランなのです。もし、リスクのあるものに投資しなくても問題ないのであれば、無理に、リスクのある金融商品を見つけ出すことはありません。

金融商品は目的を達成するための手段

このとき大切になるのが、ライフプランです。ライフプランをはっきりさせて、それをお金に換算して、そこではじめて資産運用を考えればよいのです。

  • 若いうちから無理なく積立てを行って老後に備える
  • 退職金のようなまとまったお金が予定していた時期に入ってくることを踏まえて将来に備える
  • 死亡保険金など予期していなかったお金が入ってきて、取り崩しながら運用する
  • 子どもが事業を確実に承継できるように計画的に資金を移転する
  • 財産を早めに分与して相続でもめることのないように措置を講じておく

といった文脈の中で資産運用を考え、そして、具体的な金融商品を見出すことが必要なのです。

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ライフプランニングに役立つ資産運用の考え方(リメイク中)【第1章-3】

市場を動かしているものは!?

コンセンサス(予想)と現実のギャップが市場を動かす

多くの投資家は経済統計などを先読みする予想を行います。投資家の予想の平均が市場のコンセンサス。市場のコンセンサスと現実が大きく異なると市場は大きく影響を受けることになります。
この影響を積極的に使おうとするのがバリュー投資です。そして、ある程度この影響を利用するのがドルコスト平均法です。アクティブ運用にとってもパッシブ運用にとってもコンセンサスを知っておくことはとても大切です。

市場のコンセンサス

株価を決めるものは何か?誰も解くことのできない永遠の課題ですが、株価に影響を及ぼす大きな要因として、現実が予想と違っていることが挙げられます。『失業率が悪化したから株価が下がる』と考えるのではなく、『失業率が予想していた水準より上がったから株価が下がった』と考えるのです。
この予想、少し気取った言い方をすると「コンセンサス」という言葉になります。「市場のコンセンサス」というのは、「市場の予想」ということなのです。そして、世界最大の株式市場である、米国の株式市場では実にたくさんの市場の予想が出回っています。労働省の労働統計が出る前には、民間会社の労働統計が公表され、さらにその前には予想値が出回っているのです。

びっくり指数

さらに、米国では、実際の数値と予想値の乖離までもが指数化されて公表されています。かんたんにいうと「びっくり指数」です。「現実のデータは予想よりよかった」というのはよい意味でのびっくり。逆に、「現実のデータが予想以下であったら」悪い意味でのびっくり。びっくり指数の本名は、” Citigroup Economic Surprise Index”といいます。
このびっくり指数が悪化すると、どうも経済統計が思っている水準を下回っているということになります。株式市場全体もなんとなく調子が悪くなっていることが一般的です。

バリュー投資

こういうときに株式を購入するタイプの投資方法を「バリュー投資」といいます。『経済が思っている以上に悪化しているのでは?』と周りの人が思っているときに、投資するわけですから勇気のいる投資方法ですね。でも、株価の適正水準を勘案して、実際の株価が割安な水準に放置されているときに購入するというのがバリュー投資の原則です。
バリュー投資の基本は、“逆張り戦略”なのです。