相続税を支払った人の割合は8.5%

2020年6月30日、国税庁が平成30年の相続税の統計データを公表しました。

それによれば・・・相続税の被相続人(亡くなった方)は全部で116,341人。平成30年(2018)人口動態統計によれば、平成30年に亡くなった人の総数は、1,362,470人。割り算をしてみると、相続税の対象になった方の割合は8.5%になっています。

相続財産の分類を見てみると、土地と現預金が30%~35%程度有価証券が15%ほど。家屋や生命保険が5%前後になっています。なんとなく、理想的なポートフォリオ…と思ってしまいそうですが、

  • 土地については小規模宅地の評価減適用後の金額
  • 生命保険や退職金は非課税枠適用後の金額
  • 家屋・構築物は固定資産税評価額

であることを考慮すれば、本当の金額は、

  1. 土地 👆
  2. 現金・預貯金👉
  3. 有価証券👉
  4. 家屋・構築物👆
  5. 生命保険👆

といった修正が加わると思います。

ファンド分析~リスク抑制世界8資産バランスファンド(しあわせの一歩)

ファンドの特徴

このファンドは、アセットマネジメントONEが運用するファンドで、国内外の株式・債券・リートに投資するファンドです。株式と債券については、日本、先進国、新興国に、リートについては日本と外国の資産に投資することになっています。このファンドは、ファンドファミリーファンド形式で運営されており、投資顧問会社としてアセットマネジメントONE USAが入っています。

8つの資産クラスに投資するポートフォリオになっていますが、各資産の変動の要因を、金利水準、為替変動、世界の経済成長と想定し、これらの要因に等分に投資することを投資方針としています。また、目論見書上には、リスクの年率を2%程度に抑えることが明記されており、年金ファンドなどで用いられている“リスク・バジェッティング”の考え方を個人向けのファンドに適用したものと考えることができます。

運用環境が悪化したときには、リスク資産の配分比率を引き下げ、あるいは、現金や安全資産の配分比率を引き上げるようにします。コロナウィルスの拡散のため3月の数週間リスク資産への投資を控えていましたが、3月の下旬からは、リスク資産への投資を復活させています。

※ 2020年6月末時点の情報で記入しています

ポートフォリオ

株式・債券(日本、先進国、新興国)およびリート(日本、外国)に投資します。5月末時点、安定資産に73.0%、リスク資産13.0%、現金等に14.0%の配分になっています。

運用体制

アセットマネジメントONE

アクティブ・パッシブ

パッシブ運用(マザーファンド)
アクティブ運用(アセットアロケーション)

販売会社

ゆうちょ銀行横浜銀行、北洋銀行、信金中央金庫、碧海信用金庫など

資産残高の推移

ファンドは2016年10月に設定。2017年から2018年中旬にかけて純資産残高が上昇し、その後、純資産残高は緩やかに上昇。純資産残高はほぼ右肩上がりに増加。2020年6月では約1400億円

購入時手数料

1.1%(ゆうちょ銀行、北洋銀行)

信託報酬

0.759%程度(年額)

収益分配金

分配は年6回。「経費控除後の配当等収益および売買益の全額を分配対象額とする」と記載があります。実績ベースでは、2017年11月以降は月10円の分配金になっています

このファンドに対するコメント

このファンドを評価するときに比較したいのが、トレンド・アロケーション・オープン (以下、トレアロ)【分析レポートはコチラ】です。トレアロはトレンドフォロー戦略を採っています。好調な資産クラスの配分比率を引き上げる戦略です。一方、しあわせの一歩はリスク・バジェッティングいずれも、下方リスクを抑えようとする戦略です。

コロナ問題が惹起した2020年の前半。トレアロのリターンは-16.2%しあわせの一歩のリターンは1.8%でした。この差はどこから来たのかといえば、2月と3月の投資判断にありました。トレアロがリスク資産への投資比率を縮小したのが3月の上旬から中旬です。しあわせの一歩はより早い段階からリスク資産の投資比率を抑えていました。

一方、トレアロは6月に至ってもリスク資産の投資比率をゼロに維持したままと推定されますが、しあわせの一歩は5月末にはリスク資産への投資比率を引き上げています。いずれも投資判断としては、しあわせの一歩がトレアロを凌いでいたということができるでしょう。