12月第2週の市況

2021/12/6    月

米国市場では、労働省が公表した雇用統計で、労非農業新規就数が予想以下となった一方、失業率は4.2%と2020年2月以来の低水準となった。11月のISMサービス指数は史上最高の水準となった。市場ではFedのテーパリングを遅らせる容認にはならないとみなされ、NASDAQを中心に株価は値下がり。市場の不安感を示すVIX指数は1月以来の高水準となっている。一方、日用品、公益、ヘルスケアなどのディフェンシブなセクターは値上がり。電子署名のDocuSignは第4四半期の収益を下方修正し株価は42%値下がり。欧州市場でも、米国でのテクノロジー株の値下がりを受けて、市場は下落。IHSのビジネス指数は11月に上昇したが、先行きは明るくない。銅価格と鉄鉱石価格が下落したことにより、基礎資源のセクターは2.5%の値下がり。UAEとフランスが戦闘機のラファールを80機契約したことから、フランスの航空会社Dassault Aviationは6.5%株価上昇

2021/12/7    火

米国市場ではオミクロン株への警戒が緩和し、銀行やエネルギーといった経済にリンクした株式が2%以上上昇し値を上げた。テクノロジー株は、英国のARMを買収に対して懸念があるNividiaが値を下げたことから、NASDAQの上昇は限定的なものとなった。ハネウェル、シェブロン、GS、3Mなどが1.9%~3.5%の上昇。Kohl’sはヘッジファンドが会社を売却するかイーコマース部門を分社化するかを検討していることがわかり、Kohl’sの株価は6.7%上昇。欧州市場では、オミクロン株の影響が限定的との見方から、旅行・レジャー関連が3.9%上昇。原油価格も上昇しエネルギー関連も値上がり。フランスのエアバスはSaudi Arabian Military Industriesと軍用機の合弁会社を設立することで合意。Just Eat Takeaway.comはブローカーからの評価が下がり4.5%の株安。Delivery HeroやDeliverooもEU当局の独立業務請負人に対するルール化の前に株価下落

2021/12/8    水

米国市場では、オミクロン株への不安が緩和され、テクノロジー関連が大きく上昇したことから主要指数はいずれも大幅に上昇。インテルは自動運転自動車のMobileyeを来年に上場させることを公表し株価上昇。Nvidia,Applied Material,NXPなども株価が上昇し、フィラデルフィア半導体指数は5%以上上昇することになった。欧州市場でもテクノロジー株にけん引されて市場は2.5%上昇。ドイツは自動車株がけん引して株式市場は3%上昇。中国が7金融緩和を行ったことから、銅価格や、鉄鉱石価格が上昇し、鉱業関連も値を上げる。フランスでは高級品ブランドがけん引して株式市場を2.9%引き上げ、ドイツではポルシェとPiech一族がフォルクスワーゲンの株式を売却することを検討していると報じられ、ポルシェもフォルクスワーゲンも8%以上株価上昇

2021/12/9    木

ファイザーとBioNTechは同社のワクチンがブースター接種で効果があると公表し、2022年3月には必要であれば更新したワクチンを出荷できるとコメント。米国市場は幾分上昇。Goodyearはドイッチェバンクの評価引き上げにより株価上昇。StanleyBlack & DeckerはスウェーデンのSecuritasが電子証券部門を買収するため株価上昇。欧州市場では2日間の上昇の後を受けて、値動きのあった市場となり、最終的には値下がりした。食品加工のHellofreshは2022年の利益予想を公表し10.9%株価下落。リサイクル会社のUmicore3か月で2回目の予想の下方修正を行い株価は9%下落

2021/12/10    金

米国市場では利益確定の動きと、金曜日の朝に公表される消費者物価指数を様子見する市場となり、株価は下落。薬販売のCVSが2021年の利益予想を上方修正し4.5%上昇。Teslaが6%と大きく下落。新規失業保険申請者数は4.3万人と52年間で最低の水準に下落。個人投資家に人気のあるGameStopは株式の取引状況について米当局から召喚を受け、株価が10%下落。欧州市場でも市場は下落。値がさ株のテクノロジー株が下落し、原油価格が下落したためエネルギー関連株も下落。IMFはパンデミックの収束には予想していたより多くのコストがかかると警告を発した。石油メジャーのBP、RDS、TotalEnergiesは0.6%~1.5%の下落。ドイッチェバンクについて米司法省がアセットマネジメントの内部統制についてうその説明をしたと述べたことが報じられ、株価は3.4%下落。イタリアのUniCreditは2024年に向けて平均で10%増益する見通しを公表し株価は10.8%上昇

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12月第1週の市況

2021/11/29    月

コロナウィルスの変異株OmicronをWHOが懸念のある変異株に指定し欧米市場は大きく下落。米国市場ではダウ、SP500ともに数か月来の下落となった。クルーズ関連のカーニバル、ロイヤル・カリビアン・クルーズ、ノルウェイジャン・クルーズが10%以上下落し、エアライン各社も大きく下落。ブラックフライデーが始まったが、小売り関連も下落。唯一下落が小さかったのはヘルスケアで、ファイザーが6.1%、モデルナが20.1%上昇したことが寄与した。欧州市場も17か月来の値下がりとなり、旅行関連は9%ほど値を下げた。フランスのCAC40は4.8%、英国のFTSEは3.6%、ドイツのDAXが4.2%とそれぞれ大きく下落。イールドが低下したことから銀行株も下落。原油・金属価格が下落したことから、石油・ガス関連も5.8%の下落

2021/11/30    火

米国市場では、先週末の下落からのリバウンドで株価は上昇。バイデン大統領がオミクロン株でロックダウンさせることはないとコメントしたことも要因。AmazonとTeslaが上昇したことから一般消費財セクターが値を上げ、また、テクノロジー株も値を上げた。アップルはHSBCが目標価格を引き上げたことで上昇。製薬会社のMerck&CoはCOVID-19関連の実験で予想されていた効果が得られなかったと公表し、株価は5.4%の下落。欧州市場では、オミクロン株が景気の回復に水を差すのではとの懸念から下落。BTグループはインドのコングロマリットRelianceが買収を検討していると報じられ、BTグループ株は6.1%上昇。自動車部品のFaureciaは欧州での自動車生産が減産になるので、通期の見通しを引き下げ、株価が7.9%の下落

2021/12/1    水

世界的に株式市場は大きく軟化。モデルナCEOは既存のワクチンが新しいオミクロン株に対して有効でないかもしれないとコメントし、ファイザーCEOは効かないとは言えないが効き目は落ちるとコメント。安全資産とみられている日本円はここ1か月で最高の水準に上昇。原油価格はWTI、ブレントともに大幅に下落。欧州では、エネルギー価格が27%上昇し、11月のインフレは4.9%増となり、ここ25年で最高の水準になった。米国市場では、すべての主要指数が下落したが、SP500やNASDAQよりも景気循環株のウェイトの高いダウがより大きく下落。パウエルFRB議長は、上院の委員会で、インフレは一過性のものでテーパリングのスピードを上昇させると証言

2021/12/2    木

米国市場では、オミクロン株の感染者の増加と、予想している来年下半期にインフレが収まらない可能性に言及したFedのコメントに反応して主要指数は1%以上下落。コミュニケーション・サービスや一般消費財といったセクターは2%近くまで下落。唯一上昇したのは公益関連。中小型株中心のRussell2000は午前中に2.5%上昇したが、最終的には2.3%の下落。セールスフォースは、マイクロソフトなどとの厳しい競争にさらされており、今四半期の利益が予想以下となり株価が11.7%下落。欧州市場では、ここ6か月で最高の上昇となった。自動車や旅行・レジャーといったセクターが3%以上の値上がり。銅価格がリバウンドしたことから鉱業も2.3%上昇

2021/12/3    金

米国市場ではダウとSP500がリバウンド。中国で737MAXの運航が許可されたことからボーイング株が3.5%上昇。Krogerは食料品部門の需要を背景に通年の収益を上方修正し、9.9%株価上昇。エアライン、ホテル・レストラン・レジャーの各指数も4.5%と2.8%の上昇。アップルについてはBloombergがiPhone13の需要が落ちていることを報道し、株価は2.7%下落。欧州市場ではオミクロン株に対する懸念から市場は1%以上下落。iPhoneの報道で影響を受け、Infineon Technologies, AMS, ASMLといった関連銘柄が4.4%ないし5.7%の下落。原油先物が上昇したことからBPなどの石油メジャーも上昇
 

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