保険の見直しの見直し(5)

FP(ファイナンシャル・プランナー)

これも私の個人的な感覚ですが、東京から地方に行くほど、「FP=保険募集人」である割合が高くなってくると思います。そして、『私はFPです』と名乗るのと、『私は保険募集人です』と名乗るのでは、圧倒的に前者の方がイメージがよいのです。

だから、伝統的手法を採る人も新たな手法を採る人も、FPを名乗りたがります。それ自体は、問題ないのかもしれませんが、少なくとも『FPが伝統的手法を採らない』というのは間違いであることがわかります。

「FPというだけで、『中立的』だとか、『洗練された金融の知識がある』だとか判断してほしくない」というのが、FPである私の意見です。

保険の見直しの見直し(4)

保険以外の話

保険以外の話ができるのかは大きなポイントです。「伝統的手法」を取る立場の人と、その亜流である「妙に自分に自信がある人」は、保険以外の話ができると思っています。でも、話が進むとすべて保険中心で話が展開していくことがわかります。

たとえば、相続の話をするとき、ひとしきり話しを聞いた後、『保険は相続ととても相性がよいのです』といって相続税の話をし始めるがいます。本当は、相続税の話の前に、相続の話が必要です。エンディングノートの話が必要かもしれませんし、企業の後継者の話が必要かもしれません。

死亡保障の話でも、保険金を受け取った後の資産運用の話ができるのであれば、保険金額そのものを抑えることができます。資産運用といえば、変額保険しか頭にないようでは、まっとうな相談はできません。

保険募集人が保険以外の話にどのような対応をするのかチェックしたいときには、不動産の話を相談してみるとよいでしょう。適当にごまかして保険の話に戻ってくるようであれば「伝統的手法」を取る人、そうではなく、例えば、「自分はわからないけど必要であれば知り合いの不動産会社の人に聞いて答えを用意します」というような対応をしてくれるのであれば「新しい手法」を採る人と判断できるのではないでしょうか。