6月第2週の市況

2022/6/6    月 

米国では労働統計が公表され、予想以上の新規労働者数と賃金の上昇となり、低い失業率が維持されている状態で、Fedの強気な利上げ政策と整合的な状態が明らかになった。金利が上がると株価が値下がりする傾向のあるテクノロジー関連では、アップルやTeslaが値を下げ株価指数も値下がりした。主要3指数はいずれも1%以上下落したが、NASDAQの下落幅が最も大きかった。セクター別では一般消費財やテクノロジーの指数が2%以上値下がりしたが、原油価格が上昇したためエネルギー関連は上昇。CEOのマスク氏が10%の雇用削減に言及したTeslaは9.2%値下がり。欧州市場でも、米国のFedとECBがともに利上げに動くとの観測から株式市場は値下がり。テクノロジー関連が値を下げたほか、フランスの自動車部品FaureciaがM&A関連で6.8%値を下げたことから、自動車関連も値下がり

2022/6/7    火

米国市場では方向性のない市場になったが、Amazonをはじめとするメガキャップが上昇して、市場全体は幾分値を上げた。アップルは年次カンファレンスで自動車の運転システムにより関与することを公表し株価は0.5%上昇。Twitterは、マスク氏がスパムやうそのアカウントの情報を公開しないのであれば買収提案を取り下げるとコメントし、株価は1.5%下落。欧州市場では、銀行株がけん引して市場は上昇。銀行株のほか鉱業株も上昇。自動車部品のMelrose IndustiresはEngotron部門を売却することで合意し、株価は4.0%上昇

2022/6/8    水

米国市場ではテクノロジー株とエネルギー株がけん引して値を上げたが、小売りのターゲットは在庫品を大きく割り引いて売る必要があると公表し2.3%株価が下落し、小売り関連は値を下げた。ターゲットのニュースはイールドも引き下げた。原油価格は大きく上昇し、エネルギーセクターは3.1%上昇。百貨店のKohl’sはFranchise Groupの買収に入ったと報じられ株価が9.5%上昇。欧州市場では、ドイツの工業受注が予想外に下落。株式市場は、金融政策の引き締めへの懸念から、市場は下落。金利に敏感なテクノロジー株は下落し、また、スウェーデンの航空会社SASは、スウェーデン政府が資本注入をしないことを表明し、株価は13.9%の下落

2022/6/9    木

米国市場では原油価格が上昇し、10年物イールドは3%を超え、株式市場は軟化。インテルは、シティが利益に対する懸念を表明したことから株価は5.3%下落。欧州市場では、経済成長の減速への懸念と、クレディ・スイスが第2四半期の決算で赤字を計上する見通しで3.8%値下がりし、銀行株が軟化し市場全体も下落。クレディ・スイスについては米国のステート・ストリートが買収するという報道もある。前日値を下げた小売りではzaraの親会社であるInditexが増益を公表し株価が6.3%上昇し、セクター全体も上昇した

2022/6/10    金

米国市場では市場終了前にグロース株が売られ、アップルが3.6%、Amazonが4.2%の値下がりとなり、市場全体も大きく値を下げた。10年物イールドは5月11日以来となる3.073%にまで上昇。アリババ傘下のAnt GroupはIPOの計画がないことを公表し、アリババは8.1%値を下げた。欧州市場ではECBがインフレ予想を引き上げ、経済成長を下方修正したことから、9月の大幅な利上げのシグナルと受け取られ、市場は値を下げた。イタリア市場では、10年物イールドが20ベーシスポイント以上上昇し、株価は1.9%の値下がり

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6月第1週の市況

2022/5/30    月

米国では、Fedが政策立案の材料とする個人消費支出の統計が公表され、先月よりインフレが収まったことが確認された。そのため、テクノロジー株などのグロース株がけん引して市場は上昇。NASDAQは3.3%と大きく値を上げた。GAPは四半期決算を公表し、併せて、将来の成長についても予想を公表したが芳しいものではなかった。しかし、株価は3%以上上昇。Ulta Beautyは四半期決算も予想を超え、さらに、通年の収益予想を上方修正したことから株価は11%以上上昇。欧州市場では、銀行株、産業株、高級品株を中心に値を上げたが、原油価格は下落したためロンドン市場は上げ幅が小さかった

2022/5/31    火

米国市場は、Memorial Dayのために休場。欧州市場では、中国が上海のロックダウンを解除し、新たな景気刺激策を追加するとの見方から、市場は上昇。中国市場に大きく依存している高級品ブランドのLVMH,Hermes,Pernod Ricard,Berburryは0.6%~4.4%の値上がり。米国市場が休場であったため薄商いであったが、テクノロジー株も値上がり。ドイツではエネルギーと食料の価格の上昇から、5月のインフレがほぼ半世紀ぶりの高い水準となった。テレコムイタリアは、固定電話部門を公営のOpen Fiberと合併させることで基本合意し、テレコムイタリア株は3.1%上昇

2022/6/1    水

米国市場では原油市場が荒れており、Fedの幹部からは利上げに対するタカ派的なコメントが述べられ、市場は下落。原油市場ではOPEC+からロシアを排除しようとする動きがある。AmazonとAlphabetが値を上げたことから、一般消費財とコミュニケーションサービスのセクターは上昇した。米国では消費者信頼感は低下したものの、住宅価格は予想外に上昇。欧州ではユーロ圏のインフレ(8.1%)が史上最高になり、ECBのさらなる金利引き上げに警戒感が出た。ブレント原油は123ドルまで上昇。ユニリバーはアクティベストが取締役に指名され、同株は6.2%上昇

2022/6/2    木

米国では、4月に求職者数が減少したが依然として高水準で推移しており、労働者を奪い合う構図になっており、賃金上昇がインフレの要因になっている。加えて、5月の工場稼働率は予想以上となった。Fedの金利引き上げを鎮めることに全くつながらないとして、10年物イールドは2週間来の高値となり、主要3株式指数はいずれも下落。金融やヘルスケアといったセクターが主となり市場は下落。一般消費財、産業、不動産なども併せて1%以上の下落。MetaのCOOが辞任することが報じられ株価は2.6%下落。Salesforceは通年の利益予想を引き上げ株価は9.9%上昇。欧州ではドイツの小売販売が5.4%下落し、ユーロ圏の工場稼働率が低下していることが影響して市場は下落。ドイッチェバンクの運用会社であるDWSは、グリーン投資に関して投資家をミスリードした疑いがあるとしてCEOが辞任を公表。株価は6.2%下落

2022/6/3    金

欧州市場では2日連続の値下がりの後、値を上げた。ロンドン市場が休日のため市場全体は薄商いとなった。フランスのレミー・コアントロは予想を超える通年の利益を計上し、また、見通しも好調であることから株価が4.9%上昇。そのほか、LVMHなどの高級品メーカーも株価が堅調。原油についてはOPEC+がロシア分の増産を決めたことから原油価格が値下がりしエネルギー株は軟化
 

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