外貨建て保険の考え方①

ある保険会社から、外貨建て保険の勉強会の講師をしてほしいと依頼を受けた。残念ながら、全く日程が読めない時期だったので辞退させていただいた。保険会社のみなさまに、直接お話しすることができなかったので、その代わりに、私が外貨建て保険についてお伝えしたかったことを披露しておきたい。

1.外貨建て保険はリスクが小さい

「為替のリスクがあるじゃないか」という声が聞こえてきそうであるが、逆にいうと、「為替のリスクしかない」外貨建て保険が多くなってきている。何かリスクを取らなければ、利回りが期待できないという前提に立てば、為替・株式・新興国にも投資する投資信託などに比べて、外貨建て保険のリスクは大きくない

2.資産運用と考えない

外貨建て、変額というと、すぐに、運用とつながりそうであるが、実際はそうではない。資産運用だけを考えるのであれば、投資信託に軍配が上がる。あくまで、保険で、その保険料を少しでも安くするために限定的にリスクを採っているのが外貨建て保険である。外貨建ては資産運用、円建ては保障と考えるのではなく、外貨建ても、円建ても保障である。

3.為替の変動を予想しない

為替は変動するものである。しかし、為替の変動は予想できない。レートの予想をするのは、商品説明としては最悪の手である。過去のレートを持ち出すのは、その次に悪い手。賢明な手は、為替がどのように動くのか説明すること。実際、各国の中央銀行の政策が為替に大きな影響を及ぼす。

 

この記事は、週刊インシュアランスに掲載したものです。

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10月第3週の市況

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2017/10/16    月

米国ではハリケーンの影響でガソリン価格が上昇しCPIが8か月来の大きな上昇となった。小売りがここ2年半のうちで最も伸びたことも株式市場に好影響。株価とドルは上昇し、イールドは低下。欧州では、Bayerがモンサント買収のため資産の一部をBASFに売却し値を上げた。DAXは史上最高値を更新したが、FTSEは史上最高値を更新した昨日から軟化

2017/10/17    火 

イラクとクルドの緊張が高まり原油価格が上昇、銅価格も3か月来の高値となる。イエレンFRB議長が金利の引き上げを示唆し、金利が上昇。JPモルガン、バンクオブアメリカといった大手行が値上がり。Netflix,アップルといったテクノロジー株も上昇。スペイン株は値を下げたがドイツ株は上昇し、欧州は全体で見れば横ばい

2017/10/18    水

米国ではトランプ大統領がタカ派のスタンフォード大のジョンテイラー氏を次期FRB議長にすると予想されておりダウは一時23000を超えた。上院でオバマケアに対する折衷案が示されヘルスケア関連が上昇。IBMやジョンソン&ジョンソンが値を上げ、ゴールドマンサックスやNetflixが値を下げた。欧州では中国での需要が堅調なダノンや教育関連のピアソンなどが値を上げたが市場全体としては値下がり

2017/10/19    木

米国株式の主要3指数はそろって史上最高値を更新。IBMは5年ぶりに売上高が増加。これまで公表された第3四半期決算で80%の企業が予想を超える利益となっている。米国とドイツの債券イールドは低下。サンタンデール、BBVA、Sabadellといったスペインの銀行は株価下落

2017/10/20    金

米国市場では安全資産であるスイスフラン、日本円、金などが値上がりする一方で、市場終了前にトランプ大統領が次期FRB議長にパウエル理事を充てるとのニュースが流れSP500は史上最高値をわずかに更新。欧州では、スペインのカタルーニャ地方の独立問題が膠着し、スペイン株は下落しイールド上昇。ユニリバーやKionなどの業績が芳しくなく株式市場は下落