7月第3週の市況

先週の市況はコチラ

2018/7/16    月

市場では大きな動きはなく、米国市場では5カ月ぶりの高値水準となった。同時にボラティリティも低下。ボーイング、キャタピラー、3M といった産業銘柄が値を上げたのに対して、シティやJPモルガンといった大手銀行の決算が不調で相殺。市場全体では小幅な値上がりとなった。欧州市場でも、産業、テクノロジー銘柄がけん引して市場は上昇

2018/7/17    火

欧米市場ともに原油価格の下落からエネルギー関連が軟化して市場全体も値下がり。米国ではNetfliexが時間外取引で14%以上値を下げることとなり、その他のFANG株式も1%以上軟化。ただし、バンクオブアメリカが好調な決算を公表し、ゴールドマンサックスも値を上げた。欧州では、中国の第2四半期の経済成長が鈍化するという報告に、資源関連株と自動車株が下落。決算が好調であると公表したドイッチェバンクは7.3%値を上げた

2018/7/18    水

パウエルFRB議長が議会で証言し、米国経済に対する楽観的な見通しを示す。米ドルが上昇し、ユーロは下落。米国債のイールドは上昇。輸出主導のドイツのDAXは0.9%値上がり。米国では、値を下げていたNetfliexが5.2%値を上げ、FB、アルファベット、Amazonがともに史上最高値を更新。FANG主導で市場は上昇。欧州でも、パウエル議長の証言が好感され、方向性のない市場の中、市場は上昇

2018/7/19    木

米国では、ダウが大きく値上がりし、SP500も5か月来の高値を付ける。市場をけん引したのは、産業株と金融株。前者では鉄道会社のCSXやユナイテッドコンチネンタルなどが値を上げ、後者では、バクスシャーハザウェーやモルガンスタンレーが株価を上げた。ただし、新規住宅着工は、材料費の高騰から前月比12.3%減となった。欧州市場では、ユーロ安の効果でEricssonやASMLといったテクノロジー関連が好決算となり上昇。EU大統領が訪米しトランプ大統領と会う予定になっていることから、BMWやフォルクスワーゲンも値を上げた。

2018/7/20    金

米国では新規失業保険給付申請者数が48.5年来の低水準になったが、イールドカーブが平準化して、JPモルガン、シティ、バンクオブアメリカなどが1%以上の値下がり。また、EUが来週の米国での交渉を前に報復関税をちらつかせる。輸入品価格の値上がりによりフォードやGMの株価も下落。eBayは予想以下の決算を発表し軟化。欧州でも個別銘柄の業績が市場を下落させることとなった。フランスのPublicisやドイツのSAPなどが値を下げる。また、金属価格が下落していることから資源関連株も軟調

パッシブ運用の盲点

手数料の低さだけでファンドを選ぶのは早計

「アクティブ運用のファンドはコストが高くて、パッシブ運用のファンドに負けてしまう」といわれることが少なくありません。
しかし、本当は、運用成績が優れているアクティブ運用のファンドを見つけるのが難しいだけなのです。

アクティブ運用とパッシブ運用

ファンドに設定されたベンチマーク(ファンドの運用の基準となる指標)よりよい運用成績を求める運用スタイルがアクティブ運用。ベンチマークと同じような運用成績を残すことを目指す運用スタイルがパッシブ運用です。
日本の株式に投資するファンドであれば、代表的なベンチマークは、TOPIX(東証株価指数)が挙げられます。

アクティブ運用のファンドは見つけるのが大変

ここで、具体的なファンドを見てみましょう。パッシブ運用の代表は、三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXISTOPIXインデックス」です。アクティブ運用の代表は、フィデリティ投信が運用する「フィデリティ・日本成長株・ファンド」です。

ともにたくさんの金融機関で取り扱われているファンドです。この2つのファンドに、20010年1月から2018年6月まで、毎月、月初に3万円ずつ投資した結果を比較したものが、こちらになります。

申込手数料は、アクティブ運用のファンドである「フィデリティ・日本成長株・ファンド」が高くなっています。また、この表には掲載されていませんが、信託報酬も「フィデリティ・日本成長株・ファンド」が高くなります。
それでも、累積騰落率に示すように、ファンドの運用に大きな差異はありません。

アクティブ運用がパッシブ運用に負けるというのが正しいのではなく、パッシブ運用に勝るようなアクティブ運用を探してくるのが一苦労というのが本当の話です。ちなみに、ここでは、「フィデリティ・日本成長株・ファンド」の申込手数料を3.24%として計算していますが、販売会社によっては、ノーロード(0%)にしている会社もあります。

この記事は、「投資信託エキスパートハンドブック」のリメイク版の一部です。