ライフプランニング~その5-2

インフレも見積もろう

資産運用のセミナーなどで語られる「72の法則」をご存じでしょうか?例えば、2%だとすると、72を2で割ります。72 ÷ 2 = 36年 『2%で運用すると、36年で資産は倍になります』と説明します。4%だと、72 ÷ 4 =18年。利回りの力は大きいことを知ってもらうための簡単な説明です。

ところが、この72の法則はインフレについてもそのまま当てはまります。『インフレが年率4%だと、モノの値段は18年で倍になる』というわけです。ありがたくないですね。でも、インフレを考えることが、資産運用を考えることの最初のステップになります。これまでのデータにインフレを加味してみます。

インフレは、年率0.5%を想定してみます。そうすると、将来の収支予想は、図1.14のようになります。金融資産は、薫子様が93歳になるとマイナスになってしまっていることがわかります。72の法則で簡単に説明していた内容ですが、インフレは将来のライフプランに大きな影響を及ぼすことが理解でいます。

図1.14 支出を含めた将来の収支見通し~その4

ライフプランニング~その5-1

ライフプランニング~その5

住宅関連の費用を見積もる

住宅関連の費用を見積もっておきましょう。森永様の自宅は、世田谷区内のマンションです。時価は2,000万円ほどと言われたことがありますが、固定資産税評価額は1,000万円です。

固定資産税の税率(1.4%)と都市計画税の税率(0.3%)を用いて、1,000万円×(1.4%+0.3%) = 17万円と計算できます。固定資産税と都市計画税は、不動産を保有していることにかかる税金(地方税)です。毎年の支出と考えればよいでしょう。

マンションの管理費(修繕積立金を含む)は、表1.2で既に見積もって いますので、ここでは、追加として、大規模修繕を見積もることにしましょう。正彦様が70 歳になったときに、300 万円の住宅関連の支出があると仮定します。

住宅関連の費用を見積もると、将来の収支予想は、図1.13のようになります。資産の減少が大きくなっていることがわかります。

図1.13 支出を含めた将来の収支見通し~その3