老齢年金か障害年金か選べるなら、障害年金がお得

私たちは、年金といえば、年を取ってから受け取るものと思いがちですが、国民(基礎)年金には、老齢・障害・遺族の3つの年金があります。あまり比較されませんが、実際に受け取る額は、老齢<障害<遺族の関係にあります。

その理由は、老齢基礎年金は、年額で780,100円(令和元年度)と決まっていますが、保険料を払っていない月があると、その月数に応じて年金額は減額されるしくみなのに対して、障害基礎年金や遺族基礎年金は、受け取る場合には、780,100円の満額を受け取れることになるからです。

なお、老齢・障害・遺族の3つの年金はどれかを受け取ると、ほかの年金は重複して受け取ることはできません。遺族基礎年金を受け取らない人はいないでしょうが、障害基礎年金を受け取るかどうかで迷っている人はいるのではないでしょうか。でも、このグラフを見ると、障害基礎年金のほうがたくさん年金を受け取る可能性がありそうですね

気を付けていただきたいのは、障害基礎年金を申請できるのは、20歳から65歳までの人で、65歳になる前々日までに申請しなければならない場合があることです。

 

 

ライフプランニングとシニアライフプランニングの違い~その2

ところで、ライフプランニングの前に、“シニア”という言葉がつくと、少し様相が変わってくるシニアライフプランニングでは、キャッシュフロー表より、貸借対照表の重要性が高くなる貸借対照表の重要性は、年齢とともに上昇していき、死亡とともに、相続問題として顕在化する。だから、シニアライフプランニングを取り扱うためには、キャッシュフロー表だけではなく、貸借対照表も自由に操れるようになっておく必要がある。

先日、『シニア世代のライフプランを再検討する』というテーマでお話をさせていただいた。そこで、シニアライフプランニングのポイントとして挙げたことは、①将来の収支を予想する②節約を行う③資産を有効活用する④要介護状態を過度に恐れない⑤健康を保つ⑥相談できるところを見つけるという6つであった。①から③までは全くのFP分野④から⑥までは地域の分野ということができる。

④は、介護独自の問題で、(1)介護経験者と未経験者では必要と思う金額が大きく異なる、(2)どのような介護給付を使うかで必要な金額が大きく異なるという内容である。そのため、生活者として必要なことは、金融の知識というよりも、介護保険を含めた公的な給付にどのようなものがあり、地域にはどのような非公式な給付が存在しているのかといったことを知る機会を得ることである。

シニアの分野になると、金融の話は金融の話だけで完結することはなく、地域の話や、医療の話、行政の話との結びつきが強くなってくる。シニアライフプランニングを取り扱う金融機関の担当者には、金融の話だけでなく、より広範な知識を吸収し、地域におけるネットワークを培ってほしいと思うのである。

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものです