6月第2週の市況

2019/6/10    月

米国では雇用統計が公表され、75,000人の雇用増となり予想を大きく下回ることになった。市場では景気の減速を止めるためにFedが利下げに踏み切るとの期待感が高まり市場は上昇。米中、米―メキシコの貿易問題を楽観視する見方から、フィラデルフィア半導体指数は1.2%値を上げ、テクノロジー株が上昇。金利に感応度の高い銀行株は0.9%の下落。欧州市場では、中国の習大統領が、「トランプ大統領は中国との経済的な断絶を望んでいるわけではないと信じている」とコメントし好影響を与える。ブレンド原油先物の価格が上昇しエネルギー株が堅調。NovartisからCEOを招へいしたSanofiも4.4%値を上げる

2019/6/11    火

米国のトランプ政権がメキシコに対する関税の引き上げを取りやめたことが市場に好感される。メキシコに生産拠点を置くGMは1.5%値を上げ、コロナビールを製造しているConstellation Brandsも1.9%値を上げた。ユナイテッドテクノロジーは宇宙分野のビジネスをRaytheon Coと合併させると公表し、ユナイテッドは3.1%値を下げたがRaytheon Coは0.7%値を上げた。英国の防衛企業のBAE Systemsも1%値を上げた。欧州市場では、メキシコへの課税引き上げの取りやめに加えて、中国の輸出データが堅調であったことから市場は上昇。

2019/6/12    水

米国ではトランプ大統領がG20の後の中国の習主席との会談で進展がなければ追加関税の引き上げを示唆し、市場は幾分値を下げた。5月の生産者物価指数は上昇。トランプ大統領がどちらともとれる発言をした、United TechnologiesとRaytheonの合併については、両株とも大きく値を下げることになり、産業株全体も値下がり。欧州市場では、休日明けとなったドイツ市場が自動車株を中心に値上がり。中国の景気刺激策が基礎資源関連株も引き上げた。

2019/6/13    木

米国市場では原油価格が下落してエネルギー関連が軟化。Fedが利下げを行うとの観測から銀行株も安い。トランプ大統領は対中貿易問題で強気の態度を崩さず、MicronTechnology、Applied Materialsなどが5%以上値下がりし、フィラデルフィアの半導体指数も低下。欧州市場でもエネルギー関連と銀行株が軟調。銀行株は、英国のHSBCやスタンダードチャタードなどは香港の混乱に関して下落。イタリアの銀行も軟化

2019/6/14    金

ペルシャ湾でのタンカー攻撃を受けて原油価格が上昇。エネルギー関連株が欧米市場で上昇。米国では市場はFedが年内2回以上利下げを行うとみており上値の重い展開。個別銘柄ではモルガンスタンレーがディズニーについて明るい見通しを、Twitterに対しては暗い見通しを公表し、ウォルト・ディズニーは4.4%値を上げ、Twitterは3.1%値を下げる。欧州市場では銅その他の金属の価格上昇から金属・資源関連株が値を上げる。イタリアとドイツの株式市場が相対的に強い。欧州でも市場では、FedとECBが景気減速に対して手段を講ずるとみられている

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6月第1週の市況

2019/6/3    月

トランプ大統領がメキシコの不法移民が根絶するまでメキシコからの輸入に対して25%になるまで課税すると公表し、欧米市場は軟化した。DOWは6週連続での下落となり、10年物国債のイールドはさらに低下した。ドイツでも債券イールドが史上最低となる。米国のGM、フォード、欧州のフォルクスワーゲン、フィアット・クライスラーなどメキシコを経由して米国に製品輸出している銘柄は大きく値下がり。GAPは2019年の通年の収益予想を引き下げ9.3%値を下げ、イタリアでは財政赤字が拡大するとの予想から株価下落

2019/6/4    火

欧米市場ともにヘルスケア株が上昇。欧州市場ではヘルスケア株が中国関連株の軟化を相殺して市場は上昇。米国市場では、米政府当局がFacebook、Amazon、Alphabetの3社について反トラスト法違反の疑いで調査を始め、これらの株式が大きく下落。NASDAQも1.6%と大きく下落。ISM製造業指数は、4月になって鈍化がみられ、2年物のイールドはさらに低下した。中国当局は、Huaweiのパネルを紛失したとしてFeDexを調査

2019/6/5    水

米国ではパウエルFRB議長が金利の引き下げのドアは開いているとコメントし、市場では利下げの可能性を示唆したものとして好感し、株価はここ5カ月で最大の上昇となった。メキシコ大統領が米国との関税問題について楽観的な見通しを示し、アップル、マイクロソフトといった大型IT銘柄が値を上げたおかげでテクノロジー株は3%以上値を上げ、また、イールドの上昇に伴い銀行株も3%以上値を上げた。欧州市場では、ブローカーの評価が引き上げられた自動車メーカーが堅調。また、イタリアでは首相がEUルールを順守することを明言し株価上昇

2019/6/6    木

欧米市場ではいずれもディフェンシブな株式ということで公益株と不動産株が堅調であった。米国ではADPレポートがここ9年ほどで最低の民間部門就労者増にとどまったことから、Fedの利下げへの期待感から値を下げる。また、メキシコとの貿易協議は合意に達して関税の引き上げは回避できる見通し。株式市場は上昇。欧州市場では、イタリア政府とEUの間の対立が先鋭化してイタリアの銀行が軟化。

2019/6/7    金

米国市場ではめきそこへの課税引き上げに時間的余裕ができたとして株式市場は上昇。メキシコペソも上昇。ECBはドラギ総裁が金利を据え置くとともに、第1四半期の統計が予想よりも良かったとコメント。そのためユーロも上昇。オーストラリアでは中央銀行が3年ぶりに金利の引き下げを行う。各国の金融政策の行方を占うG20蔵相・中央銀行総裁会議が週末福岡で開催される。欧州市場では、強いユーロを受けて市場は軟化。ルノーはフィアットクライスラーとの合併がご破算になり株価下落。ドイツでは規制強化の動きから不動産株が軟化。公益株は強い

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