11月第4週の市況

2019/11/18    月

ホワイトハウスのクドロー米大統領国家経済会議(NEC)委員長が米中協議は締結に近づいているとコメントし市場はこれを歓迎。SP500は史上最高値を更新し、ダウは初めて28000の水準を超える。トランプ大統領が薬価の透明性について言及し、ヘルスケア関連株が上昇。UnitedHealth Groupは5.3%、ファイザーは2.0%値を上げる。IT関連ではApplied Materialの第1四半期の売上・利益の予想が市場の予想を超えていたために同株は9.0%上昇。これに影響されて欧州の、Infinion、STMicroelectronics、ASMLなどが軒並み株価上昇。欧州市場は全体としても、米中協議の明るいニュースもあり株価上昇。ただし、英国では労働党が政権を採ったときには、BTの一部を国有化するとコメントし、BTやボーダフォン、Talk Talkなどが値を下げた

2019/11/19    火

欧米市場で大きな要因となるイベントはなかった。欧米市場ともに横ばいの状態。米国では、トランプ政権が米国企業がHauweiと取引できる期間を90日間延長したが、中国側は米中会議に悲観的な見方を示している。市場は事の成り行きを見守っている状態。米国市場では公益、不動産、一般消費財といったディフェンシブな銘柄が上昇。原油価格が下落したエネルギーは軟化。欧州市場では、市場全体としては横ばいながら、フォルクスワーゲンが売上・利益の増加見積もりを下方修正し4.1%株価下落。ダイムラーも0.9%値を下げ、自動車部品のContinentalも1.5%値下がり。さらにフランスのプジョーはドイッチェバンクの評価引き下げにより3.3%の下落と自動車関連は軟化

2019/11/20    水

世界市場で主だった動きはなかった。米国市場では、Home Depoitが2019年の売上見通しを下方修正し株価は5.4%下落。また、Kohl’sも通年の利益予想を下方修正し19.5%株価が下落。耐久消費財がセクターとして下落し、SP500とダウは史上最高値から下落した。NASDAQは史上最高値を更新。欧州市場でも方向性のない市場となったが幾分下落。昨日値を下げた自動車関連は、欧州域内で車での移動人口が増加したデータが公表されリバウンド。easyJETは通年の利益予想を目標値の上限になると公表し株価上昇

2019/11/21    木

米中の協議の締結が2019年内にできないかもしれないという懸念が報じられ、欧米市場にマイナスのインパクトを与えた。報じられているのは中国がさらなる米国の関税引き下げを望んでいるということ。米国内では、中国関連のアップルとキャタピラーが、ともに、1.2%株価を下げたほか、フィラデルフィア半導体指数も下落。また、Fedが前回の議事録を公開し、Fedがさらなる利下げに消極的であることが判明。市場は主要3指数ともに値を下げた。欧州市場でも米中協議の影響が大きく市場は値下がり。ドイツの国債イールドがさらに下がり銀行株が軟調。個別銘柄では、英国で空港や列車で飲食を提供するSSDグループが通期の利益予想が芳しくなく3.5%値を下げ、さらに、英国のKingfisher’sが7%値を下げた。

2019/11/22    金

米中協議で中国側がフェイズ1の協定成立に努力しているとのメッセージを発信しているが米国株式市場は幾分下落。OPECが減産の延長を決め原油価格と米ドルは上昇。米国のイールドカーブも上昇。米国の住宅販売は10月に上昇し。エネルギー関連が値を上げ、不動産は値を下げた。チャールズシュワブが、同業のTD Ameritrade Holdingsを買収すると報じられ、シュワブは7.3%、TDは16%値を上げる。LVMHが買収提案しているTiffanyも買収額が引き上げられたと報じられ2.6%株価上昇。欧州市場ではティッセンクルップが無配となり13%値を下げ、英国のRoyal Mailは損失が拡大して14%値を下げた

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ライフプランニングとシニアライフプランニングの違い~その2

ところで、ライフプランニングの前に、“シニア”という言葉がつくと、少し様相が変わってくるシニアライフプランニングでは、キャッシュフロー表より、貸借対照表の重要性が高くなる貸借対照表の重要性は、年齢とともに上昇していき、死亡とともに、相続問題として顕在化する。だから、シニアライフプランニングを取り扱うためには、キャッシュフロー表だけではなく、貸借対照表も自由に操れるようになっておく必要がある。

先日、『シニア世代のライフプランを再検討する』というテーマでお話をさせていただいた。そこで、シニアライフプランニングのポイントとして挙げたことは、①将来の収支を予想する②節約を行う③資産を有効活用する④要介護状態を過度に恐れない⑤健康を保つ⑥相談できるところを見つけるという6つであった。①から③までは全くのFP分野④から⑥までは地域の分野ということができる。

④は、介護独自の問題で、(1)介護経験者と未経験者では必要と思う金額が大きく異なる、(2)どのような介護給付を使うかで必要な金額が大きく異なるという内容である。そのため、生活者として必要なことは、金融の知識というよりも、介護保険を含めた公的な給付にどのようなものがあり、地域にはどのような非公式な給付が存在しているのかといったことを知る機会を得ることである。

シニアの分野になると、金融の話は金融の話だけで完結することはなく、地域の話や、医療の話、行政の話との結びつきが強くなってくる。シニアライフプランニングを取り扱う金融機関の担当者には、金融の話だけでなく、より広範な知識を吸収し、地域におけるネットワークを培ってほしいと思うのである。

この記事は、週刊インシュアランスに掲載されたものです