6月第1週の市況

2019/6/3    月

トランプ大統領がメキシコの不法移民が根絶するまでメキシコからの輸入に対して25%になるまで課税すると公表し、欧米市場は軟化した。DOWは6週連続での下落となり、10年物国債のイールドはさらに低下した。ドイツでも債券イールドが史上最低となる。米国のGM、フォード、欧州のフォルクスワーゲン、フィアット・クライスラーなどメキシコを経由して米国に製品輸出している銘柄は大きく値下がり。GAPは2019年の通年の収益予想を引き下げ9.3%値を下げ、イタリアでは財政赤字が拡大するとの予想から株価下落

2019/6/4    火

欧米市場ともにヘルスケア株が上昇。欧州市場ではヘルスケア株が中国関連株の軟化を相殺して市場は上昇。米国市場では、米政府当局がFacebook、Amazon、Alphabetの3社について反トラスト法違反の疑いで調査を始め、これらの株式が大きく下落。NASDAQも1.6%と大きく下落。ISM製造業指数は、4月になって鈍化がみられ、2年物のイールドはさらに低下した。中国当局は、Huaweiのパネルを紛失したとしてFeDexを調査

2019/6/5    水

米国ではパウエルFRB議長が金利の引き下げのドアは開いているとコメントし、市場では利下げの可能性を示唆したものとして好感し、株価はここ5カ月で最大の上昇となった。メキシコ大統領が米国との関税問題について楽観的な見通しを示し、アップル、マイクロソフトといった大型IT銘柄が値を上げたおかげでテクノロジー株は3%以上値を上げ、また、イールドの上昇に伴い銀行株も3%以上値を上げた。欧州市場では、ブローカーの評価が引き上げられた自動車メーカーが堅調。また、イタリアでは首相がEUルールを順守することを明言し株価上昇

2019/6/6    木

欧米市場ではいずれもディフェンシブな株式ということで公益株と不動産株が堅調であった。米国ではADPレポートがここ9年ほどで最低の民間部門就労者増にとどまったことから、Fedの利下げへの期待感から値を下げる。また、メキシコとの貿易協議は合意に達して関税の引き上げは回避できる見通し。株式市場は上昇。欧州市場では、イタリア政府とEUの間の対立が先鋭化してイタリアの銀行が軟化。

2019/6/7    金

米国市場ではめきそこへの課税引き上げに時間的余裕ができたとして株式市場は上昇。メキシコペソも上昇。ECBはドラギ総裁が金利を据え置くとともに、第1四半期の統計が予想よりも良かったとコメント。そのためユーロも上昇。オーストラリアでは中央銀行が3年ぶりに金利の引き下げを行う。各国の金融政策の行方を占うG20蔵相・中央銀行総裁会議が週末福岡で開催される。欧州市場では、強いユーロを受けて市場は軟化。ルノーはフィアットクライスラーとの合併がご破算になり株価下落。ドイツでは規制強化の動きから不動産株が軟化。公益株は強い

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5月第5週の市況

2019/5/27    月

市場は材料の乏しい展開となった。トランプ大統領がHauweiの問題を米中の貿易問題の中で解決できるとコメントし、欧米市場が好感。米国市場ではアップル、アルファベットなどが値を下げたために上昇は限定されたが、金融株がけん引して市場は上昇。欧州市場でもメイ首相の辞任の公表などがあったが半導体関連を中心に株価が回復し、また、前日値を下げていたイタリア市場もリバウンドしたために市場は上昇

2019/5/28    火

米国市場は戦没将兵追悼記念日で祝日。英国市場も祝日。欧州市場ではルノーとフィアット・クライスラーの合併話が市場を引き上げた。選挙の結果、極左政権から新政権に政権移譲されたギリシャでは、負債が縮小し、よりビジネスライクな政権運営がなされるとの期待感から市場は6%以上の値上がりとなった。フィアット・クライスラーとルノーはそれぞれ、8%、12.1%の値上がり。プジョーは3.3%の値下がり。EU当局がイタリアの公的債務に対して厳しい行動を検討していると報じられ、イタリアの銀行株は下落。Unit Creditは2.3%の値下がりとなった

2019/5/29    水

米国市場では当初値を上げたが、その後、中国との紛争に対する懸念から値下がり。トランプ大統領は、取引が成立するには準備が整っていないとコメント。イールドは2017年10月以来の低水準。半導体製造のAMDは新製品を公表し9.8%値を上げ、ライバルのインテルは2.2%値を下げる。HauweiはFedDxとの取引を再考するとコメントし、Fedxは約1%値下がり。欧州株式は、EU当局が大きな赤字予算を組んだイタリアに対して30億ユーロの課徴金を課すると見込まれ、イタリア株式は銀行株を中心に値下がり。一方で、ギリシャ株は好調

2019/5/30    木

米中間の貿易戦争で、中国がレアアースを取引材料に持ち出したために欧米市場はマイナスの影響を受ける。米国市場では懸念から投資家は国債に資金を避難させ、10年物イールドは2.21%と2017年7月以来の低水準に低下。Hauweiが米政府相手に訴訟を起こしたこともマイナス要因。ジョンソン&ジョンソンはオピオイドの流行に関して訴訟を起こされ、同株は4.2%の下落。ヘルスケア株全体も値下がり。欧州ではドイツの失業率がここ2年で初めて上昇し、景気減速の兆候とも見られている。ドイツの株式指数DAXは1.6%値下がり。欧州株式全体でも値下がり

2019/5/31    金

米国市場では市場としては上昇したが、米中の貿易紛争の懸念から限定された上昇となった。米国では10年物のイールドが下がったために再びイールドカーブが逆イールド化している。金利に敏感な金融株は軟化し、米国の在庫が思ったほど減っていない原油は価格が大きく値下がりし、エネルギー関連株も軟調。カルバンクラインのPVHは関税の影響などから利益予想を引き下げ14.9%の下落。欧州市場ではメディア関連の企業が堅調で市場が上昇。ドイツのAxel Springerはプライベート化を検討していることが報じられ22.2%株価上昇

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