キャッシュフロー表の大切さ

編集後記

杉山 明

FP-MIRAI倶楽部のメンバーのKさんからご連絡をいただきました。キャッシュフロー表を作る際の入力データを整理するようなシートはないのかというお問い合わせでした。この問い合わせは、実に的を得た問い合わせで、まじめにキャッシュフロー表を作成しようとすると誰もが『あってほしい』と思うものなのです。

かくいう私もその一人で、実際に作成しました。それで改めて確認できたことは、これを全部聞いていたら日が暮れてしまうということでした。それよりも、とりあえずキャッシュフロー表を作成して、その修正をすることで、結果的に必要不可欠な情報を網羅するほうが、よりよいやり方に思えたのです。ライフプランニング統合ソフト「FP-MIRAI」はこの考え方から開発に至ったといっても過言ではありません。

それでも、Kさんには、私が考えたシートをまとめてお渡ししました。最終的に公表しているものでなくても、こういうことを考えたんだとわかるものはメルマガで紹介していこうと思います。今回のメルマガで紹介した、「ポートフォリオの予想のために必要なデータ」はその中の一つです。これはキャッシュフロー表ではなく、貸借対照表を作成するときに必要な情報です。そして、私がこのシートを作ったのは、ライフプランニング統合ソフト「FP-MIRAI」を作成しているときではありません。シニアコンシェルジュ協会の、エンディングノートを作成しているときに作ったシートです。

キャッシュフロー表が大切だとよく言われますが、なぜ大切なのでしょう?私は、キャッシュフロー表と個人向け貸借対照表が個人の財務諸表になっているから大切なのだと思います。そう考えると、企業にとって財務諸表はなぜ大切なのかといところに辿りつきます。財務諸表の大切さは同じルールに従って作成されて、形式も同じであるから企業間の比較が可能になるという点と、企業の将来価値の算定の基礎になるという2点にあると思います。個人にとっての財務諸表、キャッシュフロー表と個人向け貸借対照表も同じだと思います。

ほかの人との比較という点で作成するのであれば、決まり決まった型とおりのキャッシュフロー表を作成すれば足ります。必要なのは、同じルールで作成されているということです。一方、将来の価値まで分析するのであれば、大切になるのは割引率やインフレ率、あるいは、イベントからイベントへの推移確率であったりするはずです。ライフプランニング統合ソフト「FP-MIRAI」は、後者のタイプのキャッシュフロー表や貸借対照表が作成できるツールでありたいと考えています。

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